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魂連鎖  作者: 虎太
親父の過去編
31/33

ピンチはチャンス

多分、内臓にはカスリもしていないだろう。だが出血が問題だ。まだ敵は3人もいる。更にその中に、空手家がいるのも敗北の拍車をかけた。


「おい、1人は車持ってきてくれ。死なない程度に、気絶させるぞ。」


多分俺を拉致して人質にするのだろう。男として、組には迷惑をかけられない。だが1人、車をとりに行った。チャンスは今しかない。


「妙な動きをしてみろ。次は3発じゃすまないぜ。」

「そしたら…俺死ぬかもしれないだろ。」


俺を殺さないために、もう銃は使わないだろう。だが暴れでもしたら流石に使うだろう。


「お前ら!全力で抑えろ!」


最後の悪あがきを警戒しての指示だろう。地面に押さえつけられる形にされた。


「そろそろ車が来る頃かな。」


抑えてるヤツだけなら持ってける。だがその後に空手家と戦える力が残っているはずがない。身動きも取れず、何も起こらないまま待っていると、後ろからエンジン音が聞こえてきた。

せめて、拉致だけは避けたい。


「来たか。どうやら、お前はここまでのようだな。」


そして抑えられたまま立ち上がり、車へ向かう途中足を掛け、相手を下にし地面に叩きつけた。その間、ピストルの射線に、俺は入らず、海星組のヤツを跨ぐようにして動いた。

だが、相手の仲間を盾にするのもあまり効果はない。

空手家は自分の仲間にあたってもお構い無しに、2発撃ってきた。2発とも、仲間の腹に命中した。空手家は仲間のせいでこちらを見えない。


「あたったか?」


鳩一が隠れているであろう、仲間の後ろ側を覗くと、鳩一の姿は、影ひとつ残されていなかった。


「どうやって逃げた!」


辺りを見渡そうとした瞬間、後ろから首を絞められた。


「逃げねぇよ。お前は殺さねぇとだからな。」


空手家は必死に堪えているがそろそろ限界が来そうだ。気絶間際、空手家が前を見てみろと震える指で合図を送った。

その方向を見ると、空手家を迎えに来た車、そして海星組員、それに、捕まっている、下田がいた。

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