因縁の相手
「会うのは3年ぶりか」
「多分な」
「久しぶりなんだ。会えて嬉しいよとかはないのか?」
「早く、取り調べを始めてくれ、頭がおかしくなりそうだ」
「はぁ、言いたくないことは言わなくてもいいからな。お前には黙秘権がある。」
「分かってる。早く始めてくれ」
「義務なんだ。少しも待てないのか?」
「………」
「簡単に聞く、お前は先程、居酒屋帰りの男達に絡まれ、痺れを切らし、全員に暴行をし、15名に意識不明の重症を負わせた。ここまでは、合っているな?」
「……」
喋るはずが無い、警察が相手だと、あることないことでっち上げられ、軽い罪も重くなってしまう。ここは仲間のヤクザを信じて、黙るしかない。
「本人の身上は聞かなくていいのですか?」
後ろでバソコンに記録している記録員が喋った。
「心配ねぇよ、やつの身の上は全て知ってる。
お前は昔と変わらねぇな、殴って蹴って反撃されたら瀕死になるまで追い詰めて……楽しいか?」
「……」
「人の友達は散々ぶちのめす癖に、自分の仲間には手も出さずに優しかったよな?そのせいで俺の友達は居なくなったな。俺に関わるとお前にぶちのめされるって、覚えてるか?」
「……」
「人の不幸は忘れるよな、でも自分の不幸は覚えてるよな。俺はまだまだ覚えてるよ、苦しんでるよ。」
「……」
「もう一度聞くが、人を不幸にして楽し…」
「どうだかな。俺はお前の話を聞きに来たんじゃねぇよ」
「……取り調べはもう終わりでいい。お前は反省しないだろう。」
そして解放され外に出ると、下田以外の自己紹介をしたメンツが揃っていた。
「本当にすまない。お前だけにあんな真似させてしまって…」
「警察を呼んだのは僕じゃないからね?他の誰かだからね!」
「いやーそれにしても見事な暴力じゃったわ、ワシこんな強い奴初めてじゃ」
「見てたんですか」
「まぁそう固くなるな、ほれ車に乗って事務所へ戻るぞ、ほぼみんなおるからの。」
そう言われると、車に乗り事務所へ向かった。
「それにしてもポリポリ、早かったすね〜」
「あ〜、わし呼んだからの。」
「え、親分がお呼びになられたのですか。なぜ呼んだんですか?」
「そりゃ決まっておる。仲間を助けるためじゃ。」
「で、ですが、ヤクザが警察に頼るなどご法度で…」
「だが1人の大切な仲間が危機的状況だったからの。ま、今見たら結構大丈夫そうだったがの」
若頭が花に顔で煽られて、イラついていた。
そんなこんなで事務所に着くと、車がずらりと並んでおり、中へ入ると喧嘩で病院に行った人達以外の人が全員いて、なぜ集められたのか話していた。
「こんな時間にしかも全員集まってもらったのは他でもない、海星組のことじゃ」
「親父!遂に話す気になったんすか?!」
「親分喧嘩があったらしいっすね?なんで呼ばなかったんすか!?」
荒々しく親分に詰め寄り皆が一斉に問いかけて来たが親分は冷静に返した。
「海星組との戦争は決まっておる。だが人数が足りん、人数差で勝てるものも勝てなくなる。だったらどうすればいいと思うかの」
「逃げるとか?」
花が水を差してきた。
「それは少し違うの。増やすのじゃよ2倍3倍に」
「どうすれば良いんすか?新入り入れるにしても金が足りませんぜ。」
「他の組に力を借りる。雲星組とかの。だがその為には莫大な資金がいる。だから魂業を盛んに行う。わかったの。最も稼ぎが良かったものは、みかじめ料1年なしじゃ!」
「ぅ押忍ぃ!!!」
みな散らばるように事務所を出てしまった。そして残ったのはまた自己紹介したもの達だけだった。
「僕たち新入りは何すればいんすかねぇ?」
「お世話になってる不広研究所まで行ってなにか貰ってきなさい。場所教えるかの。」
「いや大丈夫だ。」
「あ、そうかの、運転手は宮ちゃんしてくれんかの」
「あたし?イヤよダサいチャラ男と乗りたくないわよ」
「おいおい、わがままうるせーぞ、俺だってお前と乗りたくねーんだよ。」
余計なのが二人着いてきたが不広へ向かった。




