親父の過去3
「そろそろ全ての組員の名前は覚え終わったか?」
「え?、まだ10分も経ってないすよ?誰がそんな短時間で覚えられるんすか?」
「グチグチ言うな気合いでねじ込め、鳩一の方は覚えたのか?」
「まぁ、覚えたな」
「あんなに覚える気無さそうだったのに、ほんとに覚えたのか?」
「信用してないのか?」
「してないに決まってる。お前らを見定めるのはこれからだからな」
その時、音夜の内ポケットが振動した。
「すまない親分から、電話だ。新入り達は覚えるのが終わったら、下田から魂について色々教わってくれ… あ、親分どうしたんでしょう?」
そして電話をしながら外の方へ向かって行った。
「鳩、下田は?」
「勝手にあだ名を付けんじゃねぇ、下田ならそこの台所にいたはずだ。」
「うぉぉい、下田さーん、ちょっと教えて欲しいことがあるんすけど。」
そういうと、下田がよそよそと台所から出てきた。
「あーあれについて聞きたいんだけどー。あれあれなんだっけ?鳩」
「魂」
「それだ、じゃ教えてください」
「え、え、魂はその、一人一個もってて、それがないと生きてけなくて、その」
「え?俺持ってないんだけど?」
「う、あー、普通の人には見ることも触ることもできないっていうか…」
「あぁ!?俺が普通だと?!舐めてんのかこの女っ?」
「うあ!?ち、違います!」
女の方は今にも泣きそうだ。泣いたら面倒だし、花を一旦なだめるか。
「おい花、怒りすぎだ。いいからお前は、名前を覚えとけ。」
「あ?そのホソホソ腕の鳩君が何ハムカッテんだぁ?」
バン!と机を叩いた。軽く叩いたつもりが強くなってしまい、机自体も薄く脆い為か机をぶち壊してしまった。
「お前…えー?」
「私が長年使った机がぁ」
「す、すまん、別に壊すつもりはなかったんだ。」
「いや…えー?現にぶち壊れてるし…てか、人のせいにすんなよ?お前が、お前だけがぶち壊したんだからな。」
「分かってる!机が少しもろかったんだ…」
「いや机は机だろ……でも、プププッこんな事してあの強面若頭に見られたらどうすんのかなー?」
「黙れ」
そこから少し何もしない時間が経った。下田に魂のことを聞く気にもなれず、かといって机は誤魔化しようがない。
そしてそこから数分経つと、若頭の帰ってくる音が聞こえた。
「ヤバいなーどうすんだろーなー、どう言い訳すんだろうなー?」
「黙ってろ!」
そしてついに扉が開いた。だが戻ってきた若頭の顔に焦りが見えた。
「お前ら!うちの組のモンが3人殺されかけた!行くぞ!」
「ちょっと若頭さーんそれより、見てくださいこの机ーこれ流石にやばいっすよねー、」
「今はそんな場合じゃねぇだろ急げ!」
HANAは空気の読む気のない発言を叱られて、少しイラついていた。そんなやつの姿を見ると胸がスカッとした。




