親父の過去1
「親分…流石にお休みになってはいかがでしょうか?」
「いやいや、まだワシは働けるぞ〜」
そう言ってはいるが、体に疲れが見え始めていて、早く横になりたそうだった。親分はまる二日働き続けている。
「親分お願いします。少しでいいので…」
「お願いだよ、待っとくれ、これが終わったら…」
そう駄々をこねる親分を無理やり事務所のベッドに寝かしつけると親分はそのままうなだれた。
「そういえば親分、今日新入りが来るとか、」
「お〜そうじゃった、急いで新入りの準備を…」
そう立ち上がろうとする親分をまたなだめた。
「私がやっと来ますのでどうか、要件を…」
「そうか…お前も仕事があるってのにすまないのぅ、」
「気にしなくて大丈夫ですから…」
「じゃあお願いしようかの。まずワシの組の奴らを全員集めてくれ、その後新入りに連絡してここに呼んどいてくれ。」
「全員ですか!?。仕事中の人もいますよ?たかが新入り一人に組員20数人を動かすんですか?」
「おうそうじゃ、新入りっつっても二人おる。」
「二人だからって…新入りですよ?」
「新入りだからと舐めてる場合じゃないぞ。一人凄いやつがおる。肩書きを見るに腕は確かなものじゃ。一人は元暴走族員幹部で、数多の戦線を最前戦で傷ひとつ無く生き残り続けておる。」
「もう1人は、どうなんですか?」
「もう1人は、ワシもよくわからん。だが圧は凄かった。それだけじゃな」
「でもそれだけではちょっと…全員は呼べないですね…」
「そこをなんとか、、、。」
「準構成員なら行けますけどその他はもう来れる人だけにしますよ?」
「まあそれでよい…最初ぐらいはみんなでいい思いさせようとしたんじゃがな。」
そして要件をそつなくこなし、遂に新入りが来る時になった。
だが集まったのは結局私と親分と準構成員二人だけだった。
「遅いわね、ホントに来るのかしら」
「おいおい来るから待っとれ」
「新入りのクセに遅刻とはいい度胸ね。」
「まあまあ……あ!ほら来ましたよ!」
そして準構成員の1人がこちらへ呼びに玄関に行った。
連れてこられた2人は、どちらも独特の雰囲気を漂わせていた。特に左にいるやつがただならぬオーラを纏っているように感じた。多分ソイツが元暴走族員なのだろう。
「じゃあ、1人づつ挨拶してこうかの、まずは…右の人からお願いするかの。」
「はい!俺は元暴走族員の周防 花でーす!ヤクザになった理由は、ダチに勧められたからでーす!HANAs king!! よろしくぅ!」
顔にまで馬鹿が侵食したような面構えだった。こんな英語の使い方もなってない奴が元暴走族員幹部だったなんて。正直拍子抜けだ。
「元気があってええのぉ!こんな奴が欲しかったんじゃ!」
「そうすか!あざやす!」
「じゃあ次の方に挨拶して頂けますか。」
「そうじゃな、じゃお願いの」
「俺の名前は鳥本鳩一だ。ヤクザになった理由は、あー、ソイツと同じでダチに勧められたからだ。よろしく。」
コイツはなかなか骨がありそうだ。




