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魂連鎖  作者: 虎太
不運の鎖編
18/33

なんてネ

ついに照美に触れてしまった。そう思い目を開けると、どうやら触っていたのは、研究所の手だったらしい。


「なんてネ、君が、頑張った4年間を無駄になんかしないネ、あと計画も丸つぶれだしネ。さぁ最後の挨拶は必要ないネ?」

「君たちどちらも監禁させてもらうネ。」


そしてマネキンに何かを指示すると彼女はもっと奥の部屋へ連れて行かれた。


「何故こんな最悪なことをする?」

「君の持っている鎖だよ。実に君は持つに値しない、ものすごい価値を秘めている代物だネ」

「鎖か…鎖をやれば、照美は解放されるのか?」

「そんなわけないネ、彼女もものすごい価値ネ、鎖も彼女も鳩一も、君が持ったら全て宝の持ち腐れネ、」


そして研究所の男は俺のカバンを漁り始めた。俺はこのまま監禁されるのだろうか。そしてまた親父の名が出てきた。今回ばかりは関係がないのに…そしてマネキンが帰ってきた。そして俺の髪の毛を鷲掴みし、別の場所へ移動を始めた。


「君の部屋はこっちネ。先客がいるけど仲良くネ」


そう言われ部屋に投げ出されるとそこは暗く、ほとんど見えなかった。


「相変わらず電気付けろネ、じゃ、ご苦労さんネ」


そして灯りがつくと部屋の端に服が汚くボロボロで、髪が伸びロン毛になってフケが無数に付いていて、見るからに汚く、からだわ痩せてやつれた、30後半くらいの男がいた。


「お前、先客に挨拶ぐらいないのか…、?ふふ、地獄へようこそ。」


顔をみるともはや生きることに諦めがついたような、そんな顔だった。


「ああ、そうか、所でなんだが、ここから抜け出せる方法とかあるか?」

「挨拶は無いのかあああ!」

「うぉ、す、すみませんよろしくお願いします。」


急な叫び声にびっくりしてつい謝ってしまった。


「挨拶もろくにできんとは、これだから近頃のは…」


まだゴニョゴニョ恨みつらみを言っているがそんなのに構ってる暇は無い。お構い無しだ。そしてやっけになり胸ぐらを掴んで激しく訴えた。


「おい!彼女の命がかかってるかもしれないんだ!早くここから出る方法を教えやがれー!」

「ひっ、しっ知らねえよ、知ってたらこんなとこ迷わず出てるわ!」

「ならいい…、ならここはなんなのか…あの男は誰なのか…そしてお前はなんなのか、知ってるもの全部教えてもらうからな」

「お前情緒大丈夫かよ…」

「いいから早く言え!」

「分かった…分かったからその手離せって、ふぅ、改めて話そう、な?、まずここのことだ。ここは魂を研究している所だ。そして、さっき電気をつけた男が研究員だ。」

「それで?奴はなんなんだ?」

「実をいうと分かんねえ、俺だってずっと部屋の端にいた訳じゃねえ、ちゃんと聞き耳たててたんだが、それでも分からんかった。分かったことはコパンテっていう名前と魂が見えるってぐらいだ。」

「コパンテ?日本人か?」

「それも分かんねぇ、でもアジアの中ではあるな。」

「それでお前は?」

「ちょいちょい待て、俺だってこれぐらい話したんだ、お前も自分の事、話してみろよ」


そう言われたので仕方なく話してやった。


「というとお前、もしかして鳩一の息子…?」

「そうだが?」

「おいおい!これは頼もしい奴じゃねえか!よろしくな!」


俺はあまり頼りにされてこなかったため、この時は心底気持ちよかった。


「ああ、そうかな?」

「そうだよ自信持てって!そいでなんでここなんかに来たんだ?」


そしてここに来た経緯とあの鎖を見つけた日からのことも話した。

それを聞くと、途端に黙り込み考え込んでしまった。


「謝んなきゃならねぇことがある。俺はまだコパンテについて話していない事がある。」

「なぜ話さなかったんだ?」

「まだガキだと思ったからだ。ただ親父に巻き込まれた哀れなガキだと。ガキは知らなくていいこともあるからな」


イラついたが、男はそれを察したが構わず話し始めた。


「コパンテは俗に言うマッドサイエンティストだ。魂の研究の為にはいかなる犠牲があっても構わないって訳だ。」


確かにそんな事もしてそうだ。コパンテが着ていた古びた白衣にも血がついていた気がする。


「奴は俺が監禁された後からざっと2000回は実験を行っている。」

「すごい数だな…どんな実験何だ?」

「やっぱりお前にはまだ早いな…」


そう言うと奴はそれから何も言わず寝てしまった。


(この人の素性聞くの忘れてたな。)


そうして出れる場所がないか、壊せる場所がないか壁を叩き続けたが、努力も虚しくどこも壊れなかった。そして部屋に何か脱出の手がかりはないかと探っていると、足音が近づいてきた。


「お前どんどんうるさいネ。明日のために早く寝かせろネ。」

「いつここから出してくれるんだネ?コパンテくんネ」


少しでも一矢報いてやろうとひたすらバカにしたが、返事すら帰ってこなかった。


「チッ」


そう思い横になりベットの下を見ると、あの時渡された分厚い研究ファイルがあった。

ただの興味本位で一枚見てみると、


20○○年9月23日、狐の死体に菜々美の魂を入れることに成功。見た目に変化は無く、魂も異常無し、だが5秒63で魂が消滅反応を起こした。


そのほかの書類を見ても魂を入れる物が変わっただけで似たようなことが書いてあった。だが少し違うことが書かれた書類があった。


19○○年8月14日、下田明美の協力のもと、魂を触る触覚を持つ新田音夜の魂を鉄製の鎖に入れることに成功。見た目に変化は無く、魂も異常無し、そして、既に5時間程経ったが消滅反応は起こらない、なお、人の魂を無機物に入れ魂が消滅反応を起こさなかったのは今回が史上初である。


これは鎖のことを言っているのか?

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