魂とは
「つくもしってどういうことだ?」
「付喪を扱う師事ネ」
「だからどう言う事だ!」
「今はそんな事、どうでもいいネ。というか、例のアレ持ってきてくれたネ?」
例のアレとは多分鎖のことだろう、だがそんな事今はどうでもいい、照美がつくもし?具体的に何をするものなのだ。
「つくもし、とやらの話をしない限り、アレはみせない。」
「全く…めんどくさいやつネ、まあいい、付喪師とは、物に魂を入れる事ができる人の事ネ。」
「魂を入れる?そもそも魂ってなん何だ。」
そう問うと、研究所の男は待ってましたという表情でニヤリと笑った。
「よく聞いてくれたネ、僕は魂とは、神社神道の信仰心であり、日本人としての多大なるアドバンテージなのだよ」
「つまりどういうことだ?」
「まだ分かってないこともあるネ、研究ファイルやるネ」
「それより早く話を進めたいネ」
分厚い研究ファイルを貰うと研究所の男は照美の腕をガシッと掴み、それまた奥の部屋へ連れ込もうとした。
「ちょっ、ちょっと何をするんですか!離して下さい!」
「急に意味のわからないことを言ったり、拉致しようとしたり、なんなんだお前は!」
そう言って引き離そうと、服を引っ張ったが、微動だにしなかった。
「拉致とは失礼だネ、君、父さんがあの素手の鳩一なんだってネ。ヒヒ、だが君はお父さんと違って酷く弱いネー」
「親父の事なんで知ってる!」
「いい加減この手を離せネ。諦めの悪さは親子一緒ネ」
5分程ずっと抵抗して痺れを切らしたのか、遂に振りほどいてくれた。
「もぅいいネ、そもそももうお前関係ないネ。ホントは津賀谷からは殺せと言われてるネ。でもお前の親父に用があるから生かしてやってるだけネ。ホントは玄関で殺してたネ。僕だってここで手荒な真似したくないしネ。」
「だからなんだと言うんだ、いつでも殺せるって脅してんのか?悪いが、用事はもう無しだ…このまま帰らせてもらう!」
そう言って、照美の服を掴み行くぞと帰ろうとしたがが、そんな上手くいくはずがなかった。
「木々木々!鳩次を気絶させろ!」
廊下に出ると、木製バットのようなもので思っいきり腹を殴られた。痛みで腹を抱えながら土下座の形で苦しんでいると頭を思っいき踏まれた。前歯もへし折れ、鼻が折れた音がした。頭に痛みが響いて止まらない。そのまま気絶しそうだったが照美が居る、まだ気絶する訳には行かない。まだ戦える。今出せる全力で立ち上がると、目の前には研究所の男とマネキンに拘束された、照美の姿があった。
「君、どんな時も照美さんに触らなかったネ。触ったら何かあるのかネ、青森の山奥のイタコが触ったら術が解除されるらしいネ、非常に興味があるネ」
「ぐっ、近づくな…ぁ、やめろ…照美逃げろ…」
僕の頭を掴みながら徐々に照美に近づけて行った。
そもそもここに来たのがまずかったのだ。そして元はというと、鎖に出会い、ヤクザに少しでも人間味を感じたのがダメだったのだ。
「助け…誰か…」
だが助けは来ない。何故か鎖も動きはしない。
そしてついに、照美に触れてしまった。




