それから
それからの事はよく覚えてる。高校生活ではなるべく肌面積を減らせる服を着るようにして、素肌に触れないようにし、触れられて記憶がとんでも大丈夫なように、日記をつけ始めた。
それさえに気をつければ、楽しい毎日だった。そして、高校3年生の文化祭の時を告白してくれた。そこから更に幸せな日々は続いて行った。そしてお互い高校を卒業し、同じ関東の大学に入った。越智は卒業後、工場に入社した。だが大学に彼女はあまり来なかった。理由を聞いても、家の事情の一点張りで話してくれない。1度、家にお邪魔ししようか、そう言っても断られるばかりだ。だが大学2年生になると休む日はパタリと無くなり、デートの日が増えていった。
あれから長い年月が経った。そしてとうとう不広研究所へ行く日が来たのだ。その日は、2人とも大学を休み、東北の方への用事兼旅行と言う事で話を進めた。
「用事って何かな、」
「実は用事ってのは照美も来てもらう用事なんだけどいい?」
「そんな事全然いいよ! それが終わったらどこ行く?」
俺とは違って楽しそうだ。電車で話し込んでいると最寄りの駅に着いた。田舎なこともあり、6時程なのに、辺りはもう暗くなり、地元を思い出すような場所だった。
「ほんとにここら辺で何か用事があるの?」
「あぁ」
静かで不気味な場所だったため、彼女は近づい出来たが、申し訳ないと思いながらも、距離を置いて歩いた。
30分程歩いただろうか。ひとつあかりが見えた。近くに家は無くそこだけが光っていた。だがその家に近づいて建物を眺めると、形は四角形でコンクリート出できているような質感と色味でツタが生い茂っていた。だが玄関にはちゃんと不広研究所と書いてあった。チャイムも鳴らしたが人は来なかった。
「ここ、入るの?あっ、勝手に入って大丈夫?」
「多分大丈夫だろう」
そして中へ入ると奥は暗く全く見えないくらいだった。
だが壁伝いに進むと、ひとつ小さな灯りが漏れている部屋があった。
「すみませーん誰かいますかー?」
「入ってネ」
男の声がしたやけに高く、カタコトな口調だった。
「ヒヒ、やっと来たネ、何年待ったことか、今明かりつけるからネ、ほら入って入って」
「お邪魔します」
明かりがつくと、棚がびっしりとあり、そこには書類やマイク、水の入ったビン、キツネの死体まであった。
「君が鳩次くんで、君が照美くんだネ」
「どっちも魂については詳しいハズだネ」
「照美は魂について知らないはずです。」
「んー?そんなはずがないだろう、だって照美くんはネー、付喪師の最後の末裔なのだからネ」
付喪師?




