↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/55

神殺しは穴の中で

「ま、最初から格の違う戦いではあるんだけどさ」


 相手の黄神はこの世界のシステムの中で生かされている神。

 対して俺は世界を作り、世界のシステムを定める神。

 邪神と呼ばれようが、その格の差だけはいかんともしがたい。


「ところで、話通じる?」


「キシャーーー」


 あ、無理そう。じゃあ、動物を殺すように無残に殺そうか。

 俺、話が通じない奴とは戦わない主義なんだよね。一方的に狩り殺すだけ。


「駆動せよ(ドライブ)、我が業(カルマ)。果てなき天《そら》を超えるため」


 業術の第二段階を容赦なく使う。

 業術には段階があり、段階を増すごとに世界を自分色に塗りつぶす力が強くなり、能力も無茶が効くようになる。ただまぁ──


「見上げた星の輝きに地上の人は夢を見た。果てなき旅路が今始まる」


 業術は絶対に詠唱が必要だ。頭の中で考えるだけでは世界は変わらない。

 己の言葉を発し、世界に響かせることで、世界は己を認識し、塗り替えられていく。


「昂る熱をこの胸に。勇気を抱き一歩を踏み出せ。恐れを焔で焼き尽くせ。天の星をこの手に掴むまで、我らの旅路は終わらない」


 あぁ、駄目だ。あんまり気分が上がってないから、業術の出力も上がってこない。

 俺の業術は気分に左右されやすい。人間相手のガチバトルなら気合が入るけど、蛇の化け物が相手じゃなぁ。


「駆動《ドライブ》、星よ輝け(スターレイジ)、魂に火を点けて(イグニション)!」


 こんな相手に出すべきじゃなかったなぁって気持ちが強い。

 これがラ゠ギィとかいう奴相手だったらなぁ。ゼティと変わってもらえばよかったかも。


「キシャーー!」


「あぁ、はいはい。雑魚神様、なにか御用ですか」


 俺は黄神を軽くぶん殴った。それだけで、黄神は大きく吹き飛び、大穴の壁に激突する。


「がぁぁぁぁ!」


 なんか強力な土の魔術を撃ってきたけど俺はノーダメージ。


 ちなみに俺の業術の第二段階──『駆動』の段階の効果は俺の気分によって無限に内力量が増えるというただそれだけ。でもまぁ、それだけの効果を前に何もできずにやられていった奴はごまんといる。

 実際の所、内力量の差が二倍以上になると、その時点で勝負はほとんど決まるんだよね。


 俺と黄神の内力差は二倍じゃ効かないだろう。勝負にならんわ、実際。


「もう、終わらせていいかな」


 相手は何も良いところ見せてないけど、別に巨大蛇の良いところ見たくないしな。

 俺は内力を右手に集め、必殺の一撃を放つ。


「プロミネンスランページ」


 引き裂くような手の形で放たれた真紅の内力は、無数のかぎ爪を模した力の奔流となって黄神に襲い掛かり、その体を引き裂き、蒸発させる。


「はぁ、つまんね」


 消し飛ばした黄神には目もくれず、俺は大穴を上って入り口まで戻った。

 すると、そこには憮然とした表情のゼルティウスがいた。


「どっちか殺した?」


「どちらにも逃げられた」


 !!! そいつはすげぇや。結構マジでゼティが追ったのに逃げ切った?

 やべぇ、やべぇ、わくわくする。あいつらと喧嘩してぇわ、マジでさぁ、やべぇよ。

 超予想以上。あああ、くそ、ゴミみてぇな蛇の退治なんかしねぇで、宣教師どもを追えばよかった。失敗したなぁ!


「ラ゠ギィはどうだった?」


 俺の注目株。


「分からん。奴は全く戦おうとしなかった」


 マジかぁ。クッソ気になるなぁ。戦いてぇな。

 アイツらどこいったんだろ。戻ってきて、やっぱり俺をぶっ殺しますって展開になったりしないだろうか。


 あぁ、クソ、つまんねぇなぁ。



 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。