青年との出会い 第4話
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3日目、サンゴの丘で待ち合わせた人魚たちは再びゴミ拾いとへと向かった。
この日は海面こそ穏やかに見えたが、波が少し高くなっていた。
泳ぐこと自体は問題なかったが、漂うゴミを追いかけるのには手こずっていた。
「あー。待って〜!」
セレナは満月の光に照らされて、キラキラ光る瓶を追いかけていた。
「この流木、もうちょっとで届きそうなのに!」
悔しそうに手を伸ばすリーネ。
「こら、待てってば〜!」
波に弄ばれながらも、しつこく追いかけるスプラッシュ。
そんな2人を尻目に、セレナは夢中で瓶を追い続けていた。
すると波の音に刻まれてーーー
ポロン、ポロンーー。
聞いた事のない音が、耳にふわりと届いた。
初めは気にせず瓶を追いかけていたセレナだが、その音がとても心地よく、どこから聞こえて来るのか気になり始めた。
音をたよりに静かに泳いで行く。
そこは岸壁で、海面より二〜三メートルほど高い場所に、海に向かってせりだすようにウッドデッキが設けられていた。
さっきより、鮮明に聞こえて来た。
「あっ、この上から音がする」
周りを見渡す。
「やだ、人間の住む近くまで来ちゃった。でも、ここなら見つかる事もないし大丈夫なはず…」
と自分に言い聞かせ、彼女は身をひそめる。
その日は海面にぼんやり満月が浮び、発光性プランクトンもいつもよりもキラキラして見えた。
その音は、夜空の星が水面に降り注ぎ弾けたように、心を掴み離さない。
「なんて、素敵な音色なの」
海面に身を委ね、ゆらゆらと漂う。
気持ちいいなぁ…。
夜空をの星を眺めながら、ぼんやりと——
遠くから潮風に乗ってセレナをよぶ声がする。
「セレナ〜〜〜!」
――いけない……戻らないと。
名残を振り切るように、透き通る尾鰭で水をかき、セレナは一気に潜った。
そのまま仲間のもとへと戻る。
「もう、セレナ途中でいなくなっちゃうから探したのよ」
リーネが心配して探し回っていたのだ。
「ごめん。瓶を追っていたら遠くまで行っちゃった…」
本当の事は言えずにいた。
あの場所は自分だけのものにしておきたかった。
なぜ、そんな風に思うのかセレナにもわからない。
誰にも、触れてほしくなかった。
——あの音だけは。
「心配したぜ。離れる時は一声かけろよな。」
スプラッシュは、いつもはしない真剣な眼差しでセレナに言った。
すまなさそうにシュンとなり
「本当にごめん!!」
と平謝り。
「もう、いいよ。今日でゴミ拾いは終わりだし。」
謝るセレナにリーネは優しく言った。
指差す方に大きなゴミの塊があった。
「すごーい!これ、2人で拾ったの!?」
大きなゴミの塊をみて圧倒されるセレナ。
「スプラッシュと一緒に、セレナを探してる時に見つけたの!」
「ありがとう。二人とも探してくれてたんだね。」
とセレナが二人にお礼を言うと、スプラッシュが照れた様に大きく水を跳ねさも得意げに大きなゴミの塊を持つ。
「じゃあ、ゴミ屋に出して終わりなっ!」
三人で、ゴミが散らばらない様に抑えながらゴミ屋まで運び込み、これで無事に亀様のお許しを得て終了となった。
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