へたくそ
ルイナスのスキルについて話し合いを継続である。
「鑑定眼くらいなら公表していいと思うんですよ」
「いやお嬢様、くらいって。これだから無自覚チート幼女は……」
なんだかひどい言われようだった。
「でもルイナスの『七つの大罪・暴食』は名前からしてヤバいですし。これはバレるわけにはいかないですし。ここは私が鑑定眼を持っていると公表しちゃえばですね」
「……具体的にどんな感じにするんすか?」
「えーっと、まずは私が本当に鑑定眼の力を持っていると証明してですね。そのあとルイナスが『暴食』とか『魔力吸収』みたいな感じのスキルを持っていると教えるんですよ。そして私と一緒にスキルを鍛えた結果、スキルを扱えるようになったと」
「鑑定眼持ちが嘘をつくとか、大問題っすけど……?」
「弟のためなら嘘をつくことも厭いませんよ、私は」
きらりーんと歯を輝かせる私だった。
「お姉様!」
「お姉様!」
キラキラした目で私を見つめるルイナスとアリスだった。きらりーん。
「ツッコミが追いつかねぇ……」
ふはーーーーっと深く息を吐くフィナさんだった。
「まぁとりあえず頑張ってツッコミしますけど。お嬢様が嘘をついたところで、教会でスキル鑑定したらバレますからね?」
「えー? その辺は公爵家の権力で何とかなりません?」
「スキル鑑定を拒否するとか怪しすぎますし、拒否するなら公爵閣下とかに本当のスキルを教えなきゃですね」
「むー……。こう、隠蔽スキルをいい感じに進化させたら詐称スキルに進化するとかありません?」
「いやあたしに聞かれても知らねぇっすわ。というかそんな都合良く――」
『――みゃ!』
お? ミャーが私の肩によじ登り、背中をびたんびたんと叩いてきたぞ?
これはあれかな? 私のお姉ちゃん力に感激して私も妹にしろってことかな?
『みゃあ!』
ぶっころすぞ! みたいな感じで背中に一撃食らってしまった。背骨折れるかと思った……。
冗談はともかく、ミャーに勧められるままステータス画面を起動し、スキル画面へ。
隠蔽工作を長押ししてみると――おお、進化先のツリーが表示されたよ? ほうほう? 隠蔽工作から偽装工作に? 名前の感じからして隠すだけじゃなくごまかせるって感じかな?
つまり、あの透明になる犬の魔物を倒しまくり、魔石をルイナスに食べさせまくれば、『七つの大罪・暴食』を『暴食』くらいにごまかせるんじゃないのかな?
…………。
なんでミャーはそんなことまで知ってるの?
『みゃ』
くいーっと首を向こうに向けるミャーだった。いや誤魔化しが下手くそか。キミこそ偽装工作のスキルが必要なのでは?




