どうだっけ?
ルイナスの『七つの大罪・暴食』は無事に制御できるようになったみたい。
ただ、この場にいる人たちはみんなドラゴンの血の影響でバカみたいな魔力を持っているので、普通の人も平気かどうかはまだ分からない。
というわけで、まずはダンジョンの魔物相手に試してみることにしたのだった。
ちょうどテッポウユリみたいな魔物が再出現したので、結界を展開して安全を確保しつつ様子を見る。……今さらながら同じ場所に一度倒した魔物が再出現するのって変な感じ。ゲームじゃないんだから……。でもダンジョンってこんなものなのかな……?
疑問はともかく、どうやら『七つの大罪・暴食』はちゃんと制御できているみたいだ。ゼロ距離まで近づいてみても魔力が吸われる様子はないし。
ふっ、こうして弟の悩みを即座に解決してみせたのさ。これからはグレートお姉様と呼んでくれたまえ。
『みゃー……』
だっせぇネーミング……。みたいな声を上げるミャーだった。
◇
「これからどうしたものかな? まずはお爺さまたちに報告する?」
ダンジョンから戻ってきた私たちはさっそく相談することにしたのだった。スキルを制御できるのならもうルイナスが引きこもっている理由はないし。
小さく手を上げたのはフィナさん。
「でも、いきなりそんなことを言っても信じてもらえないっすよ?」
「そうですか?」
「そうっすよ。ある日突然、医者や神官も分からなかった謎の症状が消え去っただなんて。そもそもなんでお嬢様がそれを知っているんだって話になりますし」
「……ダンジョンでレベリングをしたらスキルを制御できるようになりました、とかは?」
「それだとダンジョンがお嬢様の所有物ってところから説明しないといけないっすね。大問題っすよ? さすがの公爵閣下も国に報告しなきゃいけないのでは?」
「むむむ」
力を求めた王家によって王太子と婚約、とかならまだしも実験体ルートもありうるかな? まぁその時は実力で王城を吹き飛ばせばいいだけなのだけど。
『みゃ』
やめなさい、とミャーに窘められてしまった。まだ何もしてないのに。
「でもルイナスをいつまでも部屋に閉じ込めていくわけにもいかないですよ?」
「それもそうっすけどねぇ。最低限、もう安心だという保証がないと難しいんじゃないっすか?」
「……じゃあ、まずは私が鑑定眼でルイナスを鑑定。スキルのレベリングを手伝ってルイナスが無事スキルを制御できるようになりましたー、という流れにするのは?」
「まぁ、ダンジョン所有を明らかにするよりはマシっすけど。鑑定眼持ちだって話はしたんでしたっけ?」
「……したような? してないような?」
「…………」
呆れたような目で見つめられてしまった。いやだって、私は持ってるスキルとかが多すぎて自分でも何が何だか……。
※未発表の過去作をコンテスト用に投稿しました。
ちょっとダークですが、いつものノリです。
闇堕ち令嬢シンシア ~死に戻り少女は死なないことにした
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