第二期 第十二話 「クリスマスに誓うこと」
十二月二十四日。
大阪・難波。
街は色鮮やかなイルミネーションに包まれ、多くの恋人たちが幸せそうに歩いていた。
一年前のクリスマス。
ユウキはまだ告白を決意したばかりだった。
そして今。
二人は恋人として、同じ景色を見つめている。
待ち合わせ場所に現れたミヤビは、白いコートに赤いマフラーを巻いていた。
「お待たせ。」
「待ってないよ。」
ユウキは笑顔で答える。
「去年もここで待ち合わせしたね。」
「そうだった。」
「あの時は、まだ少し距離があった。」
「今は?」
ユウキが少し照れながら尋ねると、ミヤビは笑顔でユウキの手をそっと握った。
「今は、このくらい。」
二人は顔を見合わせて笑った。
今年のクリスマスディナーは、少し奮発して夜景の見えるレストランを予約していた。
窓の外には、きらめく大阪の街並みが広がっている。
「すごく綺麗。」
ミヤビが目を輝かせる。
「来てよかった。」
ユウキも穏やかに微笑む。
料理が運ばれ、二人はゆっくり食事を楽しんだ。
「今年もいろんなことがあったね。」
「うん。」
「旅行もした。」
「家族にも会った。」
「未来の話もした。」
一つひとつ思い返すたびに、自然と笑顔になる。
食後、レストランを出ると、冷たい冬の空気が頬をなでた。
二人はイルミネーションが続く遊歩道を歩く。
去年と同じ場所。
でも、去年とは違う気持ち。
「ミヤビ。」
「うん?」
「去年、この場所で『また来年も一緒に』って約束したよね。」
「覚えてる。」
「ちゃんと約束を守れた。」
ミヤビは嬉しそうに頷く。
「ありがとう。」
大きなクリスマスツリーの前で立ち止まる。
色とりどりの光が二人を優しく照らしていた。
「来年も。」
ユウキが静かに言う。
「その先も。」
「毎年、一緒にクリスマスを過ごそう。」
ミヤビは少し目を潤ませながら微笑む。
「うん。」
「約束。」
「ずっと。」
「ずっと。」
二人は小指を絡め、昔と同じように指切りをした。
子どもの頃のような仕草だったが、その約束には以前よりずっと重みがあった。
しばらく歩いたあと、ユウキは小さな紙袋を差し出した。
「メリークリスマス。」
「ありがとう。」
ミヤビが包みを開ける。
中には、淡い青色のストールが入っていた。
「仕事でも休日でも使えるように選んだ。」
ミヤビはそっと首に巻く。
「暖かい。」
「似合ってる。」
「本当に?」
「うん。」
ユウキは素直に答えた。
「すごく似合う。」
その言葉に、ミヤビは照れながら笑う。
ミヤビもバッグから小さな箱を取り出した。
「私からも。」
ユウキが開けると、中にはシンプルな腕時計が入っていた。
文字盤の裏には、小さく刻印がある。
『これからも同じ時間を。』
ユウキはしばらく時計を見つめていた。
「ありがとう。」
「大切にする。」
「毎日つけてね。」
「もちろん。」
新しい腕時計を手首につけると、ミヤビは満足そうに頷いた。
帰り道。
夜空には冬の星が輝いていた。
「ねぇ、ユウキ。」
「うん?」
「最近、少し変わったことがある。」
「何?」
「将来のことを考えても、不安より楽しみの方が大きくなった。」
ユウキは静かに微笑む。
「俺も。」
「一人で未来を考えるんじゃなくて。」
「ミヤビと一緒に考える未来だから。」
「楽しみなんだ。」
ミヤビはその言葉を聞き、嬉しそうに目を細めた。
駅に着く前。
ユウキはもう一度イルミネーションを見上げる。
(来年のクリスマスは。)
(もっと特別な日にしたい。)
胸の奥で、静かな決意が固まっていく。
まだ誰にも話していない。
でも、その答えはもう決まっていた。
一方、ミヤビは新しいストールをぎゅっと握りしめながら歩く。
恋人として迎えた二度目のクリスマス。
その思い出は、これから先も二人の心を温め続ける、大切な宝物になった。
次回予告 第二期 最終話「君と歩く未来へ」
新しい年を迎えたユウキは、ミヤビとの思い出の場所を巡る一日を計画する。そして夕暮れの街で、これまで胸の中で育ててきた想いを、人生を懸けた約束として伝える決意を固める。恋人編、感動のフィナーレ。




