表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不死身の賢者  作者: @Tomo
40/251

奥義【光刃斬】

バルガナーン大森林で亜竜種と遭遇するウォルフ達【黒狼】


転移で【バルガナーン大森林】に戻った俺達は、まず周囲の警戒をする。

街の近郊と違い、目の前に魔物がいる可能性も有る。

幸い、近くに魔物の反応がないことを確認した俺達は地図を広げた。


昨晩、落ち着いた状況で丁寧にマッピングした地図を確認し、更に深部を目指す。

作成した地図には川や、特徴のある岩等の地形の他に遭遇した魔物の種類と数も書き込んでいる。

ダンジョンをはじめとした未踏の地域の探索はマッピングが重要な意味を持つ。

後に踏襲する冒険者の安全のためだ。


これをギルドに提出することで、俺達【黒狼】のクランとしての評価が上がる。


依頼が少なく、冒険者としては誉められない行為に走るクランも残念ながら存在する。

ギルドの評価が低いと依頼が少なくなるのだ。

ギルドの評価が全てではないが、それを基準に依頼する人間が多いのは当然だろう。


「クランとしての活動はともかく……納得いかない部分も多いですわ」


「なら、探索が終わるまでは家に帰らない様にするか」


「ウォルフ様、意地悪言わないでくださいませ!」


人ってのは、一度覚えた『便利』を手放せないものだ。

過酷な環境ほど、それは顕著になる。


『ホリー、お前も既にこちらの世界の住人だ……』


と、考えながら進む。


「ウォルフ、悪い顔してるな……」


前衛で近くにいるマークの声は無視だ。


本音では、あまり家に帰るつもりはない……

探索がキツいと思って楽ばかりすると、俺達の冒険者としての腕が落ちてしまう。

安全のために、集中力が切れそうになれば転移を使うつもりだけど、それは最終手段でしかない。

『便利』は人を堕落させるってことは解っているのだ。



「食事の度に魔導師団長の結界、出来立ての料理……お前、本気で自分のことが解ってないな!」


「マーク、俺以上の常識人なんて道場にいたか?」


「道場にいた頃から残念でしたよ、ウォルフは……」


「わっ……私は常識人のままですよね?」


「私も、このクランはおかしいと思いますわ!」


「「「お前にだけは言われたくねぇわ!」」」


これが、前人未到の探索をしているクランの会話なのか?

色々と言いたいことは有るが、この余裕は頼もしい。



「下から魔力が……来ますわ!!」


ホリーが叫んだ直後に全員がその場から跳び退く。

先程まで俺達がいた地面が盛り上がり、土砂を吹き飛ばしながら黒く巨大な土竜が現れる。

竜と名前がついているが亜竜種の魔物で、【竜の巣】で出会った古代竜の様な知性は無い。

本能に忠実な魔物らしい魔物だが、知性が無いと言っても亜竜種らしく巨大な身体と凄まじい攻撃力を持つ。


「土竜か……」


「これが……土竜?」


「凄まじい圧力だな……」


「初めて見ましたわ」


「弓が通じるの?」


俺はローレンスの記憶で知っているが、他の四人は初めて見る魔物だ。

広い森林の地下に潜み、獲物を感知すると土の下から姿を現し補食する土竜が生息する地域は限られている。

希少であり、非常に危険な魔物である土竜は討伐されることすら珍しいので、みんなが知らないのは無理がない。


「こいつはブレスも吐くぞ、一ヶ所に留まるな!」


俺の指示に対し、四人が俊敏な動きで撹乱を始める。

咆哮をあげた土竜は手当たり次第といった感じで尾を振って攻撃してくる。

周囲の木ごと凪ぎ払う攻撃により、足場が乱れていく。

このままでは不味いと判断した俺は土竜を挑発して、自分に向かわせることにする。


「こっちだ!!」


魔力弾を放ち、自身を循環する魔力を高める。


「グ、ガアアアアアアァ!!」


俺に向かい咆哮をあげた土竜が、その体格からは考えられない速度で突撃して来る。

身体強化を使って引き付けてから身を交わし、すれ違い様に土竜の足を薙ぐ。

土竜の鱗は硬く、俺の剣が弾かれる。


「「「「ウォルフ(さん、様)」」」」


「大丈夫だ、こいつは俺がやる!!」


直前に剣を弾かれたが……

何故か、やれるという確信に近い予感が有った。


土竜を前に高まる集中力が【ゾーン】を発動させる。


『今なら……使える!』


精密さを増した魔力操作で高めた魔力を使い、身体強化していく……

足場を障壁で硬めた俺は、身体強化の効果を更に高める。


光刃斬(こうじんざん)!!」


土竜に対し正面から突っ込んだ俺は、スヴェイン剣術の奥義の一つである光刃斬を放つ。


光の速さに例えられる剣の速度により、大きな岩をも両断する剣と衝撃波……

初代剣聖ガーランドのみが使えた奥義光刃斬の威力は凄まじく、土竜を正面から両断した。


「ウォルフ……お前……」


「「「………」」」


声を絞り出したマークと絶句した三人。


身体強化の精度を高める……俺とホリーが築き上げて来た剣が剣聖の技を再現させた。

俺達が間違って無かったって証明されたんだ!


気がつくと、俺はホリーを抱き締めていた……

お読み頂きありがとうございますm(__)m


早いもので、手探り状態で投稿を始めて2ヶ月半 となりました。


年末まで、毎日の更新予定とさせて頂きますので、今後も宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ