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不死身の賢者  作者: @Tomo
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休憩に帰ろう

未踏の大森林の探索なのに、緊張感に欠けるウォルフ達一行……


探索を続けて大森林を進むこと五日目。


「そろそろ、ベッドでゆっくりと休みたいですわね……」


ホリーが呟いた。


普通の冒険者なら出て来ない台詞ではあるが、ここは未開の大森林だ。

襲い来る魔物に備えて一日中気を休める時間もない。


「家に帰って一休みするか?」


「そうだな」


「料理も作り足しておきたいですね」


「決まりね!」


相談する俺達をホリーが怪訝そうな眼で見ている。


「帰りは来る時よりも速いって言っても、三日はかかりますのよ?」


そうだ、ホリーは転移のことを知らなかったんだった。


「ウォルフ、魔石はこの木の根元に埋め込んだぞ」


マークが魔石を埋めたことを確認したので転移の魔法を発動する。

目の前に結界が発現し、俺達は結界内に入る。

ホリーも俺の横にいるが、何のために結界を張ったのか解らずキョロキョロと周囲を見回している。


目の前の景色が一変して、クランの拠点としている家の部屋に転移した。


「なっ………」


転移と同時に結界は解除され、ぞろぞろと部屋から出ようとする俺以外のメンバー。

俺は固まっているホリーに声をかける


「ホリー、ここが俺達【黒狼】の拠点だ」


「はっ、はいぃ?」


驚かせるつもりだったけど……やり過ぎたかな?

部屋の外から三人がホリーの様子を眺めながら笑っている。

誰一人、ホリーに転移のことを教えること無く楽しんでいる……このノリが大事なんだよな!

クランの団結力を感じた俺は満足して頷く。



「こんな、世界の常識を変える魔法を産み出しておいて……悪戯に使うなんて信じれませんわ……」


落ち着きを取り戻したホリーが文句を言ってるのを宥めて、俺とクリスが【ハルムント】の街を案内する。

マーク達は食材の買い出しのために別行動をしている。


「絶対に口外しないでくれよ、ホリー?」


「当たり前です、こんなことが公になってしまったら……とんでもないことになってしまいますわ!」


流石、魔導師団長だけあって、ホリーはこの魔法の危険性を即座に理解してくれた。

こんなことが出来ると国が知れば、必ず戦争で周辺国を侵略しようと主張する人間が出て来る。

何時、何処に出現するか解らない軍を持つレイスル王国を周辺国が警戒しない訳が無く、どんな手段を使ってもレイスル王国を亡ぼして自国の安全を確保することを選ぶだろう。


『これ以上……ウォルフ様の周りに悪い虫が纏わり付くなんて耐えられませんわ……』


ホリーの心配は、俺と少し違うみたいだ……



ホリー用の収納袋を作るために雑貨屋へ、その後で服を買いにいく。

【ガナン】である程度の服、下着は買ってから探索に出発したが、最低限度の枚数だったので買い足すことにするそうだ。

下着まで買うとなると、俺は店の近くにある広場で待つ以外の選択肢があるはずがない……


マーク達リア充どもが愚痴っていた気分を、産まれて初めて味わうが……

『なるほど……』 と納得してしまった。


女性の買い物は長い!


まあ、クリスとホリーが仲良く買い物をしてるのは悪いことではないので、退屈を我慢してひたすら待つ。



「お待たせしました!」


クリスの声に振り向くと、先程までと違うスカート姿の二人が立っていた。


「「………」」


「………」


「ウォルフ様、何か反応してください!」


「あっ、ああ……びっくりした。似合うな二人共」


顔を見合わせたクリスとホリーがはしゃぎ始めた。


探索中には見せない二人の姿に驚くが、冒険者じゃない同年代の少女なら当たり前の姿なのかな?

小柄な二人がはしゃいでる姿を、通りすがりの人達が微笑ましそうに見ている。



家に着いて、マークにその話をすると……


「ウォルフにも常識が芽生えたか!?」


と、失礼な反応をしやがった。

やはり、リア充と共感することは不可能だと改めて思う。


失礼なマークを無視して、食材を料理しながら異空間収納に収納していく。

公爵家育ちのホリーは料理の経験など有るはずが無く、クリスとユリアが付きっきりで指導していた。


「剣で魔物を斬る方が簡単ですわー!」


と、物騒な泣き言が聞こえたが無視だ。

クランに参加した以上、泣き言は許されない。

例え、公爵家令嬢であろうと冒険者の流儀には従って貰う。


「普通の冒険者は料理して運んだりしないんですけどね……」


と、ユリアが突っ込みを入れていたが、これも無視する……


風呂に入って、ベッドで快適な睡眠を満喫したら、探索の再開だ。


確かに、こんな冒険者はいない。

考えても仕方ないことは忘れて眠りにつくことにした。



お読み頂きありがとうございますm(__)m


ストックを切らさないことを心掛けながら、出来るだけ早めの更新を目指しています(´▽`;)ゞ


今後も続けてお読み頂ければ幸いですm(__)m

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