バルガナーン大森林 2
残念ながら、お色気シーンはありませんw
食事の後、俺の魔術で浴槽を水で満たした後、炎を圧縮した球を水に沈める。
適温の調整も慣れたもんだと思って油断してしまった……
考えてみると、クランの本拠にしている家の浴槽と大きさが違うんだから当たり前だな。
予定よりも熱くなってしまった湯に水魔法で少しずつ水を加えて調整する。
テントの中に用意した風呂に女性陣が入浴する間、俺とマークは周囲の警戒って名目で放り出された。
これまでは【竜の巣】の探索だったので、毎日転移を使い家に帰っていたが、今回の探索はダンジョンの中と違い時間毎の魔物の生態を調べる必要がある。
名目上……とは言っても、ギルドを通した探索なので、その辺りを疎かにする訳にはいかない。
まだ、深部に到達していないので魔物も少な目だ。
魔力探索で魔物の存在は把握しているが、脅威を感じるほど大きな反応はない。
この程度の魔物では、ホリーの結界の中にいる俺達の気配を察知することは出来ないだろう。
流石、魔導師団の結界だけあって、結界内の気配、魔力は結界の外に洩れることもなく、隠蔽効果で外から視覚的に発見することは難しい。
エルフの魔法知識がある俺は結界の存在を感じることが出来るので、結界を上回る魔力を使えば中を確認出来る……が、それほどの魔力を持つ魔物は周囲にいない。
確認のために結界内を覗いたが、女性陣の風呂を覗いたと誤解されそうなので黙っておくことにしよう……
マークが俺のことをジト目で見ているが、覗いてないぞ!本当に。
その後、マークから何かを聞いたであろう、クリスとユリアからの視線が冷たかった……
『ウォルフ様がお望みなら、私は何時でも大丈夫ですわ!』
何故か嬉しそうにホリーが小声で俺に囁いていたが……
だから、違うって!
未開の大森林の探索中なのに、緊張感がないクランメンバーの様子にため息が出る。
夜中の見張り番……
魔力探索で周囲を警戒しながら考える。
【時空魔法】をリッチとの戦いで使えたけど、それ以降は使おうとしても巧く使えない。
異空間収納以外で時間を停止させようと、付与も含めて色々試したが、時間停止の効果は出ない。
【ゾーン】が発動していたのが関係している?
【ゾーン】の発動中は、魔力操作の速度、精度が圧倒的に上がるから使えたのか?
敵を結界内に収める様に結界を張り、敵の時間を停止させることが出来れば、戦闘の危険度を殆ど無くすことすら可能だけど、流石にそこまで都合良くはいかないなぁ……
一度成功してる以上、不可能ではないはずなんだけど……
とりあえず、魔力操作の鍛練を続けてみるしかないかな?
そう考えた俺は体内の魔力を操作する訓練をする。
ローレンスが魔法を研究していた時、指の先に小さな炎の球を出して、その型や大きさを任意に変える訓練をしていたので、それを模倣してみるが、なかなか難しい。
エルフと人間では身体的な違いもあるので、ローレンスの記憶にある経験通りでは上手く操作出来ない。
これは、ひたすら繰り返すことで、身体に覚えさせる以外に方法は無さそうだ。
普段、簡単に使っている魔法だけど、これを無意識で出来るレベルを目指さないと戦闘では意味が無い。
常に集中力が高まった状態で戦える訳がないからだ。
そんな時に無意識で使えれば……
魔力操作で炎の鳥を羽ばたかせる訓練をしてたら、交代のマークが起きて来た。
魔力探索で把握している周囲の状況を引き継ぎして眠りにつく。
翌朝、異空間収納からサンドイッチを取り出して朝食にする。
悩みの種は、この時間停止効果なんだよなぁ。
これが自由に使えれば……
「………さん?」
時間を操作出来れば……
皆を危険に曝さないで済むんだけどなぁ……
「ウォルフさん!」
「えっ、何?」
「考え事をしてたみたいでしたけど、どうしたんですか?」
「いや、何でもないよ」
何度、声をかけても反応しない俺を心配して、俺の顔を覗き込むクリス。
「新しい魔法について考えてただけだよ」
「「「「新しい魔法?」」」」
全員が食いついてしまった……
「考えてるだけで、見当すらついてないけどね」
「どんな魔法ですの?」
「時間停止……」
期待に満ちていた皆の目が……
生暖かい目付きに変わったな。
ホリーだけは、自身も研究したことがあるので、真剣な目付きに変わった。
「ウォルフ様、何か心当たりでも?」
「いや、異空間収納を使えるから『応用出来ないかな?』って思っただけなんだけど」
実現出来る目安もないので、リッチとの戦いで使ったことは黙っておく。
常識ではあり得ない話だから、問題ないだろう。
そんなことに神経を使ってる状況ではない。
今日も気を抜くことなく探索だ。
お読み頂きありがとうございますm(__)m
ストックを切らさないことを心掛けながら、出来るだけ早めの更新を目指しています(´▽`;)ゞ
今後も続けてお読み頂ければ幸いですm(__)m




