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不死身の賢者  作者: @Tomo
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バルガナーン大森林 1

ローレンスの故郷【バルガナーン大森林】へと踏み込むウォルフ達【黒狼】


「なっ、なななななななな……」


【バルガナーン大森林】に入って直ぐに遭遇したオーク三体に俺は魔術で雷撃を叩き込む。

森林火災が怖いので、炎系の魔術を避けて雷撃を選んだのだが……

初めて俺の魔術を観たホリーが驚いて固まってしまった。


「あぁ、最初にこれを観た俺達もこんな感じだったな……」


「そうだったわね……」


「本当にビックリしましたよね」


固まったホリーを囲んで周囲を警戒するマーク達。

手際良すぎだろう……


「予想通りだったな」


ホリーが固まることを予測していたんだな……


「ウ……」


「ウ?」


「ウォルフ様、流石ウォルフ様ですわー!!」


硬直から解けたホリーがいきなり抱きついて来る。


「これ程の魔法、しかも無詠唱なんて…やっぱり私のウォルフ様は世界一ですわ!」


俺の名前の前に妙な枕詞が付いてた様な……


焼けたオークの匂いで魔物が集まることを避けるために、異空間収納にオークを収納したことで、ホリーのテンションが更に上がってしまった。


「ウォルフ様、いつの間にそんな大賢者級の魔導師になられてましたの!?」


「詳しい話は夜営の時にするから……少し静かにしような、ホリー」


【空間魔法】に類似する【結界魔法】が人間社会における最高峰の魔法なのだから、自身が優れた魔導師であるホリーでも、異空間収納を解明することは出来ていなかった。

人間を避けて暮らすエルフ達のユニーク魔法である異空間収納は、人間社会では未だ解明されていない属性【時空魔法】の一種だからだ。

【空間魔法】に時間停止効果等を付与する【時空魔法】の解明に取り組むだけでも、ホリーが優れた魔導師である証明なのだが。


ローレンスの知識通りなら、エルフ達も異空間収納以外の【時空魔法】は完成させていないはずだ。

それ程に【時空魔法】は高度な魔法である。


そんな魔法を目の前で使ってる俺を見たホリーの驚きは、クリスやマーク達の比ではないのだろう……

その難解度を熟知しているのだから……


『私のウォルフ様、ウォルフ様、ウォルフ様………』


たぶん、熟知してると……思いたい……


『クリス、アピールで負けちゃダメよ』


『わっ、私は……そんなっ』


後衛でも気の抜けたやり取りをしてるし……



森の中を進むが、未開の森である。

当然、道など存在しない。

前衛の俺とマークが足下を確認しながら、頭上まで覆い繁る草を剣で薙ぎながら進み続ける。

いっそ、燃やしてしまえば楽だと思ってしまう…

本来なら、そんな中でも魔物を警戒しないといけないが、俺の魔力探索で周囲を警戒してるので、まだマシだ。


夕方が近くなった頃、小さな川を発見したので周囲の草を刈り、夜営をするための拠点を作ることにした。

流れる水その物は綺麗だが、上流から頻繁に落ち葉が流れているので飲料水には向かない小川だ。

未開の森で安全とは言えない場所ではあるが、ホリーの結界があれば大丈夫だろう。


「ホリー、結界をお願いしたいんだけど?」


「川があるから水浴びくらい出来ると期待しましたが、この水じゃ無理ですわね……」


結界を張るホリーのテンションは低い。

スヴェインの門弟ではあっても、王宮で魔導師をしていたホリーには、冒険者の夜営など縁がないものだったからなぁ…


「ホリー、風呂なら食事の後で用意するよ?」


「ウォルフ様…何をおっしゃってますの?」


何を言ってるんだと言わんばかりのホリーに、異空間収納から取り出した浴槽を見せる。

鉄板で作った頑丈さだけが取り柄の無骨な浴槽だが、こんな環境で風呂に入ることが出来るだけで勘弁して欲しいところだ。


「…………」


「ホリー?」


「ウォルフ様、私のためにこんな事まで!」


「そんな訳ないだろ、ユリアがどうしても用意しろって譲らなかったんだ」


「そっ、そうですわね。昨日の今日で用意出来るものじゃないですわね!」


あれ?

喜んでくれたと思ったのに…

何で拗ねてるんだ?


『あっあれは……ないですよね』


『本当に残念な男よクリス、思い直すなら今のうちよ?』


『なっ、何を思い直すんですか!』


ユリアとクリスがまた、小声で何か話してる…


「おーい、飯の用意しようぜ?」


呆れた表情のマークが感情の無い声で呼び掛ける。


異空間収納から食材とテーブル、椅子を取り出して焚き火の側に並べる。

異空間収納に収納した食材は時間停止の効果で、出来立ての熱々状態でテーブルに並べられている。


「予定よりも人数が増えたが、多めに作っておいて良かったな」


「そうですね、椅子も予備があって良かったです」


「ほら、ホリーも早く座りなさい?」


「…………」


「ホリー?」


また、ホリーが固まってしまった。


「なっ、何ですの! このクランは!?」


誰もいない場所限定ではあるが、最近の探索はこんな感じだったから感覚が狂ってしまっていたかな?

確かに異常な光景だと四人で顔を見合わせる。


現実に……使える便利な魔法があるんだから、気にしたら負けだよな。

お読み頂きありがとうございますm(__)m


ストックを切らさないことを心掛けながら、出来るだけ早めの更新を目指しています。


今後も続けてお読み頂ければ幸いですm(__)m

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