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不死身の賢者  作者: @Tomo
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【リッチ】

【死者の迷宮】の深層へと単身で突貫していくウォルフ。


そこで【リッチ】と対峙する…


これだけの魔物を全て殲滅していては【リッチ】の下にたどり着く前に消耗してしまう可能性がある。

炎でグールを焼き、氷塊をぶつけてスケルトンを砕き、最小限の魔力消費で深部へ向かう。

【魔力探索】でダンジョンの地形は把握しながら進んでいるので迷うことはない。


『足を止めたら直ぐに囲まれるな…』


スケルトン騎士の剣を受け流しながら左手で氷塊を精製し、進路に向かい叩き込む。

最深部まで潜ることを覚悟していたが、3階層で大きく…不気味な魔力を感じた。


『【リッチ】で間違いないな……勝てるのか?』


今までに感じたことの無い不気味な魔力を前にすると…不安が頭をよぎる。


『ローレンスの魔力とは違う迫力だな』


【身体強化】を更に強化して魔物の群れを切り裂く様に走り抜け、【リッチ】と思わしき魔物に辿り着いた。

後方を炎の壁で遮り、邪魔が入らない様にして話かける。


「あなたは【リッチ】か?」


「不思議な魔力を持った小僧だな。儂が【リッチ】だとしたらどうする気だ?」


「何故、アンデッドの氾濫を興す? それは止めさせて貰う」


「フン、エルフに近い魔力か……魔法に自信があるのだろうが、儂には魔法も物理攻撃も効かん」


「どうかな?」


【異空間収納】から、ローレンスとの戦いで使った剣を取り出し構えながら、圧縮した炎を矢状にしたものを30本造りリッチに向けて一斉に放ったが……

リッチは避けることも無く全ての矢を正面から受けた。


「儂の身体はグールと同様に見えているのか? 爆炎でバラバラに出来るとでも思ったか? フッハハハハハハ……」


『すり抜けた?』


爆炎はリッチの後方で上がっている。

避けた様子はないのに……【空間魔法】か?


一瞬、思考に気をとられた時、リッチは雷撃の魔法を放ってくる。

流石、高位魔導師といった所で……詠唱が簡略化されて短い。


「小僧、無詠唱で魔法を放ったな? 興味深いが貴様は危険だ。ここで殺した後に研究素材としてやろう!」


【障壁】では雷撃を防ぎきることが出来ないので、俺は横に跳んでなんとか雷撃を避けた。

死と隣り合わせの緊張感の中、集中力が増していく……


『来た!』


【ゾーン】が発動した俺は、一気呵成に斬りかかりながら考える。


『【空間魔法】で俺の放った炎を後方に【転移】させたな』


『間合いが遠いと駄目だ…詠唱する間の無い攻撃が必要だ』


『魔導師と考えない方が良いな。この体術は一流の武道家並みだ……厄介な』


『この剣なら【障壁】ごと斬り伏せることが出来ると思ってたけど甘かったか……』


打開策を閃くまでは、反撃の隙を与えない様に接近戦で攻撃を続けるしかない……




俺の身体の後ろ、リッチの死角から炎の矢を放つ。


『詠唱が無かった……【空間魔法】と【結界魔法】を組み合わせたものか?』


炎の矢は先程と同じようにリッチの身体をすり抜けた。


『なるほど、結界を張っている限りは詠唱の必要が無い…これなら魔法は通じないって豪語するのも解るな』


『持久戦になればアンデッドのリッチには勝てない』

『無限の体力と、この【結界魔法】…体術も一流』

『どうする…』


【ゾーン】の効果で考える時間は有るが、こんな魔法は聞いたことも無く、どうすれば攻略出来るのか……


『ローレンスとは違う方向で魔法を研究して来たんだな』


『詠唱を無くし、更に高火力の効果を求めた攻撃的なローレンス、リッチは魔法に対する防御を固めることを求めた』


『最強の盾を……どう崩すか……』


剣を振るい続け、リッチに反撃の隙を与えず思考にふける…


『あの時の様に【身体強化】をMAXで攻撃すれば当たるか?』


『剣にも魔力を流し込めば、結界ごと斬れるか?』


『賭け……でしかないな』


『あの魔法を剣に付与する様に魔力操作してみるか?』


ローレンスは殲滅を前提とした魔法の研究をしていたが……

この世界で通常に認識されている【火】、【水】、【土】、【風】、【雷】、【空間】以外の属性である【時空】の魔法を独自に開発していた。

【異空間収納】に使われている時間の停止効果だ。


『リッチの身体の表面を包む結界が魔法に反応すると効果を発揮する……』


『その結界の時間を停止させることが出来れば、リッチの身体の動きを停めることが出来ないか?』


『賭けてみる……価値は有るな』


【ゾーン】の効果を生かして、リッチが気付く前に【身体強化】の効果を上げ【時間停止】の効果を剣に付与して最も避けにくい胴体に最速の斬撃を放つ。

致命傷を狙ったものではなく、速度のみに特化した斬撃だったことが功を奏した様で、俺の剣がリッチ脇腹を僅かに斬り裂いた。


「なっ!」


驚愕の表情でリッチの動きが止まる。


『この一瞬しか無い』


後のことは考えない覚悟で【身体強化】MAXの連撃をリッチに叩き込む。

リッチの腕が跳び、脚が落ち、首が跳んだ。


『確実にトドメを刺さないと』


リッチの頭に剣を突き立て剣に炎の魔法を付与する。

剣が結界を貫いた状態なのでリッチの頭が燃え崩れていく……

周囲に散らばった身体も崩れ落ちて塵になった。

塵の中から強力な魔力を持った魔石が姿を現す。


『終わった……残りはダンジョンの中にいるアンデッドの殲滅か』


残心は武術の基本であり極致だ。

油断なくいこう……


お読み頂きありがとうございますm(__)m


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