後天性スキル
15才で発現する後天性スキルがウォルフ達に発現する。
クリスの鍛練をしながらダンジョンで実践と収入っていう生活を続けて3ヶ月……
クリスの【魔力操作】はかなりレベルアップして来た。
「【障壁】もかなり厚くなったね」
「全身じゃなく、必要な所に必要な大きさで展開って最初に言われた時は『ムリー!』って思いましたけどね」
オークの攻撃を【障壁】で弾きながら炎の魔法を使う……
出会った頃からは考えられないレベルの戦闘術になって来たな。
剣も実戦の中で成長している。
E級冒険者のクリスの実力はC級でも上位くらいになってるんじゃないかな……
俺もクリスも、もうすぐ15才になる。
そろそろ『後天性スキル』が発現するだろう。
実は、俺はローレンスのスキル【魔力増大】も持っている。
既に2つ持っているから後天性スキルは発現しないかも……
とりあえず、クリスのスキルが発現したら今後の方針を考えよう。
【竜の巣】の深層を目指すか?
ギルドの依頼を中心にした冒険者になるか?
このまま、お互いに鍛練を続けるか?
パーティーを解散して自分の道を進むか?
「私……お荷物ですか?」
宿で晩御飯の後、クリスに提案すると涙ぐんで聞かれた。
「いやっ、そんなつもりじゃ……」
「じゃあ、どうして解散なんて言うんですか?」
「自覚してないみたいだけど……クリスはB級を狙えるくらいの実力になってると思う」
「B級?……そんなのムリです!」
「最近、ギルドの依頼を受けずに鍛練ばかりだったから、ポイントが足りてないだけで……B級の人と同じくらいのレベルになってるよ? 剣も魔法も」
「そんなことないです。ウォルフさんが居てくれるから安心して戦えてただけです!」
そんなにムキにならなくても……
「私は……ウォルフさんと一緒に冒険者をしていたいです……」
「いやっ、泣かないで! 別に俺が解散したい訳じゃなくて……」
「……なくて?」
「クリスがしたいことが有れば、邪魔したくないって思っただけ」
「じゃあ、一緒に居てくれますか?」
「……はい」
あれっ?……何で俺はこんなに狼狽えてるんだ?
まぁ、それは置いておいて……
ギルドの依頼を優先しながら鍛練を続けるってことで話が纏まる。
ポイントを貯めないとギルドで昇級審査もして貰えない。
いつまでもC級とE級のパーティーじゃ受けられる依頼が制限されるからねぇ……
数日後、【回復効果大】のスキルが、クリスの後天性スキルとして発現した。
ギルドには【鑑定】のスキルを持った職員がいるので、鑑定して貰ったクリスが不安そうな表情でスキルのことを相談してきた。
「かなり重宝されるスキル2つなのに、何で不安そうなの?」
「戦闘的なスキルじゃないから……がっかりしませんでした?」
自己評価が低すぎだろ……
回復魔法の効果が増大するスキルなんて…パーティーに入って欲しいスキルTOP3じゃないか……
「回復魔法を使える人が少ない中で貴重過ぎだよね」
「今度こそ、解散って言われるかと思って……」
「だからぁ、そんなこと言わないって。それよりも、このスキルは公言出来ないから気を付けて」
【付与魔法】だけでも狙われかねないスキルなのに、【回復効果大】迄持ってたら……
冒険者よりも宮廷魔術士を目指す方が良い気がする。
俺は3日前に【神仙術】っていうローレンスさえ知らないスキルが発現していた。
【創造神グラディアス】様……俺に恨みでも有るのか?
効果すら判らないスキルって……
どうしろってんだ!
ローレンスの魔力鑑定でこのスキルのことを知ったが…ギルドの鑑定士に見てもらうつもりはない。
【ゾーン】がそうだった様に、珍しいスキルに周りは勝手に期待して……
期待通りにならないと勝手に絶望する。
勿論、クリスにも話してはない。その内【魔力増大】のスキルが発現したことにして話をするつもりだ。
だいたい、3つ目のスキルって時点で洒落にならない話になってしまう。
御先祖のスキルが【剣豪】から【剣聖】に進化したって例が有るが、御先祖のスキルも増えた訳ではない。
スキルの上位変化は、世界でも珍しい現象だけど存在する。
ローレンスのもう一つのスキル【超思考】が発現しなかったのは上位スキルの【ゾーン】を持っていたからだろう。
【魔力増大】で膨大な魔力、それを制御する【ゾーン】
ローレンスが喜んでた筈だ。
魔法戦闘でも剣でも有効な組み合わせだし、【超思考】のスキルでローレンスが産み出したオリジナル魔術を最大限に活かすことが出来る。
後は【神仙術】の効果次第だなぁ……
クリスの回復魔法の練習って言っても、わざと怪我するって訳にもいかないし……
何より、俺の身体は常に超再生の効果が有るから…練習台にもなれないしなぁ……
その辺は後々考えるとして、ギルドの依頼をこなして冒険者ランクを上げることにしよう。
お読み頂きありがとうございますm(__)m
よろしければ感想等お願いします。




