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ダンジョン

「えー、今回はダンジョンへ行こうと思います」


また、いきなりだった。

この先生はあらかじめ伝えておくということを知らないのか?


「そろそろみんなも強くなってきている頃だと思うわ。だから、チームに別れてダンジョンを攻略しましょーというわけです」


なるほどな。

それにしてもダンジョンは初めてだ。

前に一度だけ洞窟に行ったことがあるが、ダンジョンはもっと本格的。迷路みたいなものだろう。

洞窟はルアンナ先生もいたから、案内があったけれど、ダンジョンはチームに別れる。

つまり複数の道があるという事だ。

迷わないようにモンスターを狩る。それが肝。


「ダンジョンにいるボスモンスターを倒したら、この授業は終わりです」


えーー、と言うヤジが飛ぶ。


「このダンジョンは、未だかつて誰も入ったことの無い、つまり未踏のダンジョンよ」


え、じゃあ俺らが最初ってことか?

それは凄いな。そんなことまで出来るのか、この学園は。

皆の目が生き生きしだした。


「まぁ一応軽く下調べはしておいたけれどね」


皆の目がまた元に戻った。

やる気のない目だ。


「だって、知らない強力なモンスターがいたら危険でしょ?あなた達のことを思って、配慮してるのよ」


それはありがたいのだが、少しガッカリしてしまった。

まぁ、だとしてもダンジョンは初体験だ。

行っておいて損はない。


「それじゃあ、まずはチームを決めるわね」


チーム。と言っても、俺達はもうすでに組めている。

ロナ、リリア、レイラ、イリスだ。

チームはだいたい三から五人だから、ちょうどいいのではないか?

ダンジョンか、ワクワクしてきたな。



「それでは、チームも決まったことだし。ダンジョンへレッツゴーよ」


今から!?

本当になんの準備もない人だ。

まぁ、あえて準備させずに、急な出来事にも対応出来るようにさせるのが狙いであれば、それでもいいかもしれないが。

さすがにそこまで考えていなさそうなのがルアンナ先生である。


「行くか」


俺達も、ルアンナ先生に続く。



ダンジョンは意外と王都の近くにあり、見た目はさほど大きくは無さそうだ。

洞窟とは違って、大きな扉がついており、しっかりと管理されていることがわかる。


「見た目はさほど大きくはなさそうに見えるけど、中を見たらきっとみんな驚くわ」


まるで俺の心を呼んだかのような発言だな。

とりあえず俺達は、ルアンナ先生の言う通りに中に入る。


「うわぁ」


たしかに、洞窟とは違って岩だらけではなく、遺跡のようだった。

外もそうだったが、汚れ一つついていない、まるでできたばかりのようだ。

そして何より驚いたのが、ここがエントランスだと分かること。

つまり、広いドーム状の部屋になっていて、この部屋の壁に穴が空いている。

そこから様々な部屋へと行くことが出来るのだ。

なるほどな、だから俺達を分散したのか。

各自別々の道へ行き、それぞれで探索させるというわけだな。


「みんな見てわかる通り、ここには沢山の道がある。それぞれチームに別れて、別々の道を探索するように」


皆、その指示に従って動いた。

こんなに沢山道があるのに、ちゃんと先生達は全てを確認したのか?そこが怪しいところだ。

もし他の生徒に危険が生じたらどうするのだろう。


「行きましょう皆さん!」


イリスが張り切っている。

こういうのが一番苦手そうなのは、イリスなのだが、案外好奇心旺盛らしい。

外のことを持って知りたいのだ。

まぁ、そういう俺もワクワクしているけどな。


「おう、その前に少しルアンナ先生に質問がある」

「何かしら?」

「ここって人工のダンジョンですよね?」

「ええ!?何言ってるんですかライルさ......ライル君」


ルアンナ先生は豆鉄砲を食らったような顔をした。

当たりだ。


「さすがはライル君ね。完敗だわ」


ルアンナ先生はこのダンジョンの経緯を教えてくれた。

このダンジョンは、どうやら学園が作ったものらしく、俺達のような学園生を訓練するために魔法で作り上げたものらしい。

嘘をついたのは、その方がクリアした時に自信がつくし、本番さながらの気持ちで行ってもらうためだ。


「ダンジョンなのに綺麗って時点で怪しいとは思ったがな、そういうダンジョンなのかもしれない。しかしダンジョンに入っているにも関わらず、ここには一匹もモンスターがいない」

「なるほどね。次からは気を付けようかしら」


そうしてくれるとありがたい。人工のダンジョンだと気付かれないようにというよりも、どこにどんなモンスターが潜んでいるか分からないという点で、もっとモンスターを増やした方がいいと思う。


「まぁでも中はちゃんとしてるから。どうぞ練習だと思って、モンスター狩りでもしてくださいな」


まぁ、人工なら生徒に危害が及ぶことも無いだろうし。

心配は要らないだろう。

なら俺もやることがないので、このダンジョンを楽しむとするか。

初のダンジョンが人工だというのは少し残念だけれど、まぁアトラクションだと思って行こう。


「それじゃあ行くか」

「はい!」


俺達はダンジョンの部屋へと潜った。



しかし、しばらくして


「それにしてもモンスターいないなぁ」

「いない方が良くない?」

「いやいや、リリアちゃん。ダンジョンにはモンスターが付き物だよ」


俺達は全くモンスターと遭遇していなかった。

ここには下級モンスターしかいないのか?だとしたら俺の漏れたオーラで逃げてしまうのだが......はぁ、これだから人工は。


「モンスターの顔も拝めずに終わってしまいそうだな」


ダンジョンにモンスターを求めるのは間違っているだろうか。

今回はいつもよりも短くなってしまいましたが、そのうちまた元に戻ります。

都合上、定期的に更新するのは厳しくなってしまいますが、頑張りますのでよろしくお願いします。

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