固有魔法
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次回からやっと学園編突入です。
「まずは無事だったみたいで良かったわ」
ルアンナさんは、当たり前のように俺達に着いてきた。
でもまぁ、外食という当初の目的は果たすことが出来た。
ここの飯は、なんだか日本食に似ていて、とても美味しいな。
「それで?話を聞かせてもらおうかしら」
来た。まぁ、そりゃそうだよな。
えっと、何から話せばいいんだ?
俺は水を少し飲んで、喉を潤してから話した。
「まず、俺の姿は見たんですよね?」
ルアンナさんは頷く。
この人普、通に注文してるけど、払ってくれるよな?
せめて自分の分位は出して欲しい。
「以前、変身魔法で身体を変えていることは言いましたよね?ですから......」
「子供ではなく、女の子でも無い......でしょ?」
「はい。それと、大人でもありません。そもそも人間ではない......鳥なんです。俺」
もう、この際なのであっさりと言ってしまうことにした。その方が気が楽だし、一度姿を見られているからな。言うまでもなく察していることだろう。
「はぁ......あなたがモンスターだってことは気づいたけれど、それでなぜ人間に化けてまで人間と一緒にいるの?」
あれ?なんだ、そんなことを聞きたかったのか。もっと強さについてや、人間との意思疎通ができることについての質問だと思っていた。
そんなことなら簡単だ。
「人間が好きだから。ですね」
ルアンナさんは、ステーキを口に運ぶ途中だっが、驚きの表情を見せながら固まってしまった。
そんなに変なこと言ったか?
「美味しー!」
しばらく、リリア達三人の喜んでいる声が聞こえる。
ルアンナさんは、完全に沈黙してしまった。
「も、もっと無いの?ほら。実は魔王の幹部で、人間を偵察に来たとか......ねぇ?」
いや、「ねぇ?」って言われても......本当にそれだけだし。そもそも俺は人間なので、人間を好きになっても悪くないだろ。
というか、魔王の幹部って......俺が魔王そのものと言っても過言ではないくらいなのに、そんなわけがないだろ。
まぁ、言わないけど。
「無いです。本当に人間が好きなだけですよ」
「そ、そう......」
「もう良いですか?」
なぜか、ルアンナさんは残念そうにしている。ルアンナさん的には、そうであって欲しかったのだろうか?
まぁ、何にせよ深く聞いてこないだけ有難いか。
「あ、そういえば」
と、ルアンナさんはすぐに立ち直った。
「あなたの正体はバレてないけれど、鳥型のモンスターが加勢したってことは、ギルド中に広まってるわ。くれぐれも、同じ魔術は使ったりしないように」
あぁ、そうやって収めてくれていたのか。
素直に感謝するしかない。それと、俺からも一つ聞きたいことがあったんだった。
「そのことについてはありがとうございます。あと、俺達の階級について聞きたいんですけど」
「えぇ、なんでも聞いてちょうだい?」
「俺達はブロンズなんですが、階級ってやっぱりあげた方が良いんですかね......?」
ブッフォッとルアンナさんは、はしたなく水を吹き出した。
また俺変なこと言ったか?もう、分からんな。
「貴方達まだブロンズだったの!?てっきりゴールド、もっと言えばプラチナくらいにはなってるとおもってたんだけど......」
言えない。学園に通えなくなるからだんて、言えるわけがない。
「まぁいいわ。階級ってのはね、高い方がより高い依頼を受けられるの。それに、プラチナ級の上の方にいくと、装備品が支給されたりもするしね」
支給される!?そんな優遇があったのか。
まぁ、プラチナ級にでもなれば、不思議では無いか。
「ちなみに、私はまだ支給されるほどの実力じゃないわ。そうね......固有魔法でも持ってたら、すぐに貰えるんじゃないかしら」
「固有魔法?」
そういえば魔王に聞きそびれてしまっていたな。俺が持っているという事だけは知っているが。
「魔法を使える人の中でも、持っている人は少ないわ。そもそも魔法を使える人自体、少ないってのにね」
俺は使えるけどな。
いや、まだ使いこなせないんだった。
「魔法だって、使える人はプラチナ級でも数え切れるほどなのに。全く、どれだけ強いんだって話よ」
え?そ、そんなに居ないのか!?
これから何も考えずに魔法を使うのはよそう。
魔王がどれだけ凄いのかってのが、今になってやっと実感した気がする。
「ま、そんな所よ。他に何かある?」
「いえ、もう」
ということは、プラチナ級のルアンナさんは、結構すごい人なのか?そうは見えないが......まぁ、いいか。
「それじゃあ、私は明日のことで忙しいから。またね」
「あ、はい。ありがとうございました」
忙しいのなら、こんな所でゆっくりすんな。
とは、思ったが口には出さなかった。
そんなことはどうでもいいからだ。
だが、一つどうでも良くないことがあった。
「ちょっと待ってください」
ビクッと、ルアンナさんの体が震えた。
恐る恐るこちらを振り向く。
「せめて割り勘にはしてください」
「はい......」
俺は異世界に来てから、少しケチ臭くなったかもしれない。




