35/94
みんなのうた です。
小さい頃に聞いていた曲たちを思い出せず、検索して聞いた結果、
洪水のごとく押し寄せてきました。
「みんなのうた」
思い出そうとしても
浮かんでこないくせに、
いざ対面すると
次から次へと、
浮かんできては流れてゆく。
水草に絡まったり、
苔生した石に染み込んだり、
生きのいい魚もつれてきたりする。
いつも同じ夕方に、
まるで寂しさを振り払うかのように。
夜のやみをやさしく照らしていた
あの曲たちは、
静かに私のなかにいたのだ。
あぁ、今日もまた夜がくる。
やわらかな黒のベールは
ときに濃さをかえる。
思い出せずとも、
私の奥底に、沈んでいるものたちよ。
やさしく見守っていておくれ。
そして、たまには
そっと慰めておくれ。
「月のワルツ」だけはずっと覚えていました。




