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少女は、 【後編】

好き勝手に、自分の頭の中にある物語を書き出してます。誤字脱字あったら、「あっ、間違ってるなぁ」と思いながら、温かい目で見てください。


※こちら、【後編】となっております。前編から読まないと、内容が分からないと思うので、前編から読むことをおすすめします!


前回までのあらすじ

少女を捕まえた。


現実に戻ってきた零は、目を開く。同時に、装着していたヘッドホンが消える。


「あーっ、頭がクラクラする・・・」


自身の意識をシステム空間に行かせるには、少々体に負担がかかるようで、彼はクラクラする頭を手で押えながら、柊優達の方に振り返る。


ちょうど、柊優も警備メカニカル達を倒したところだったらしく、零に気づき駆け寄ってくる。


「零くん!大丈夫だった?」

「えぇ、何とか。とりあえず、システムの主導権を握ったので、警備システムはもう発動しないかと」

「そっか。良かった・・・って、零くんッ!鼻血がッ!」


柊優の言う通り、ツーッと鼻血が垂れてきていた。


「あー、やっぱりか」


零が、ため息をついていると、柊優は慌ててポシェットからティッシュを取り、零に渡す。


柊優から貰ったティッシュで、止血をしていると、彼女の後ろから桜と将風が、こちらの駆け寄ってくる。


「零!何とかなった?」

「まぁ、何とかした。ただ・・・」

「ただ?」


将風が首を傾げると、壁のモニターに、零と同じ高さの一と、柊優より少し低めのスイが現れる。


『連れてきた!』

「ありがと」


一によって連れてこられたスイは、彼の後ろに隠れながらも、顔をヒョコっと出して、こちらの様子を伺っていた。


「女の子?」


柊優が驚いていると、一はニコッと笑う。


『そう!この子は、スイって名前なんだとさ!』

「スイちゃんか・・・よろしくね!スイちゃん!」


柊優は、スイに微笑みかけながら言う。


『・・・よろしく、お願いします』


彼女に、そう答えると、スイは少し目線を外した。

そんな少女に、桜は問いかけた。


「スイは、ここのシステムの管理者ってとこかな?AI・・・ではなさそうだね?」


桜の問いに、スイは頷いた。


『はい。私は、ここのシステム管理者ですが、AIではありません』


スイは、一の後ろから出てきて、彼の横に並ぶ。


『私は、元魔法使いの人間です』


彼女は、零の方をチラッと見る。


『その、零さん?のように、高度なことは出来ませんでしたが、プログラミング魔法を中心的に使ってました。何年も前に、ここの施設が襲撃された時、自身の体が事切れる前に、全部の魔力を使って、このシステム空間に意識ごと、移行しました』

「襲撃か」

『システム空間に移行した後は、研究データを目的に来る人達を追い返してました。少し前にも、何度もやってくる人達がいたので、てっきりその人達の仲間だと思ってしまい・・・』


申し訳ございませんと、謝罪をしてくるスイ。少女の、"何度もやってくる人達"、を聞いた桜はピーンとくる。


「ねぇ、スイちゃん」


桜は、鞄からタブレットを出して、依頼人の写真を表示し、少女に見せた。


「その、やってくる人達の中に、この人いた?」

『ッ!』


依頼人の写真をスイ以外の、皆も覗き見る。


「え?誰?」

「この人が、今日の依頼人か?」

「そうだよ」

『・・・そうですね、この方も見かけました』

「あぁ、やっぱりか」


桜はタブレットを仕舞うと、悩みポーズをする。


「じゃあ、この依頼人の真の目的はカイヤナイトじゃなくて、データってことかな?」


桜の発言に、疑問を持つ柊優。


「だったら、最初っからデータを取ってきてって依頼すればいいんじゃないの?」

「いや、無理だな」

「え?なんで?」

「そもそも、昔の魔法の研究データを使って、実験すること自体が危険なこと。人体実験なんて、奇跡的に生きても、何かしらの後遺症が出る。魔法使い戦争が終わった後からは、保安官達が片っ端から、データを処分してるんです。データを取ってくるっていう依頼も、ナンデモ屋のルールで禁止してるんです」

「まぁ、それでも、魔法の実験は、今でも行っている奴らがいるんだよね」


桜は溜息を着く。


「昔のデータを使って実験しようとする奴らは、膨大な魔力を使って、星や銀河、宇宙をも支配するんだっていう、頭のイカれた奴らしかいないんだよね」

『・・・そうですね』


少し暗い雰囲気になった中、将風が口を開く。


「じゃあ今回の依頼人は、この元の研究室にいた大量の警備メカニカル達を一掃させる為に、依頼したってことになるのか?」

「多分」

「あぁ、いっぱいいたもんね」

『警備メカニカル達って、桜達が倒したので全部か?』

『そうですね。全員出動して、全員敗北しました』

「本当ごめん」

『いえ、私が判断して出動させたので・・・まさか、全部倒されるとは思いませんでしたが』


スイは、遠い目をして答えた。


「全部倒しちゃったから、警備システムの質がガタ落ち。これじゃあ、奴らの入り放題になっちゃうもんね・・・」

「でも、依頼人は私だけに、依頼したと思っている!」


ドヤ顔をする桜に、将風は問いかける。


「と言うと?」

「私だけだったら、スイの存在に気づかないで、メカニカル達だけ一掃して、カイヤナイトを持って帰るだけ!って思ってると思うんだ!でも、」

「桜だけじゃなくて、他の上級魔法使いも一緒に行ってるとは、思ってないだろうな」

『しかも、零みたいな奴が来るとも想定してないだろうな』

「うん!だから・・・」


桜は、スイの方を向き、手を差し出した。


「スイ!一緒にここから出よう!」


『・・・え?』






***





鉄でできた建物が多く立ち並び、人工知能が搭載されたメカニカル達が運転しているタクシーや宅配が多く飛び交う街。住人の半分は、身体の一部は機械で出来ている。


そんな街をバイクで走り抜けていく桜は、一人で依頼人の元へ向かっていた。


指定された場所に着くと、バイクを停めて防御魔法をかけると、カイヤナイトが入った袋を持ち、建物内に入っていく。


カツカツと鉄の床を鳴らしながら進むと、扉の前に着く。

扉の横についているカメラが、桜の生体スキャンをすると、扉が開く。


開いた扉の先には、依頼人の姿があった。


「カイヤナイトは手に入りましたか?」

「じゃなかったら、ここには来てないですよッ」


そう話しながら、依頼人の前にあった机に、カイヤナイトが入った袋をドサッと置いた。


「警備メカニカルの数、かなり多かったので、一掃するのに時間がかかって、予定より大分遅くなってしまいましたがねッ」


桜は、依頼人を睨みつけながら文句を言うと、依頼人は困った顔をしていた。


「それは申し訳ございません。では、報酬を少し多めに出しておきます」

「そうしていただけるなら、文句はないです」


ニコッと笑った彼女に、依頼人はホッとした。


依頼人は、報酬金が入った袋を部下に持ってこさせると、追加報酬として多めの数を足すと、桜に渡した。


「これが報酬です」


受け取った桜は、中身を確認すると頷く。


「確かに受け取りました。では、今回、依頼していただきありがとうございました」


彼女は、帽子のつばを少し上げて微笑むと、その場を後にした。




ー 二日後 ー




彼女達は、彼女達の住む街にあるカフェ&バーである【ジャスセア】で、夕飯を食べに来ていた。

カウンター席の前にある、四人席に座り、頼んだご飯が運ばれる前に、皆でお酒を呑む中、桜は彼らに報告をした。


「レオさんから連絡あって、依頼人とその部下達、捕まえたってさ」


その報告を聞いた三人は、おぉっと静かに歓喜した。


「一からも聞いたよ」

「さすがレオさんだな」


うんうんっと頷く柊優。そのまま、桜は続けた。


「スイも、もう数日すれば、こっちに来れるって言ってた」

「良かった!」


零は、お酒を一口飲むとホッと息をつく。


「何とかなって良かった」

「いや本当にね。零と一が頑張ってくれたおかげだよ」

「まぁ、ただ研究データ全部を施設から保安局に送って、施設から研究データ全消去しただけだけとね。スイさんのことは、皆でレオさんの所に送り届けたし。そのまま一も、スイさんに付き添って行ってくれてるし」

「零がいたから、出来たことだよ!ありがとね!」

「まぁ、うん。報酬も貰えたしいいよ」


零の返事に、桜は微笑む。


「あと、将風と柊優ちゃんも、ありがとね!」

「いいえ!私も、久しぶりに身体動かせたし、ちょっと楽しかったしね!」

「珍しいパーツ持って帰って来れたから満足」

「なら良かった!」


和気あいあいと話していると、青紫色の瞳に、肩まで伸びた髪をハーフアップにしている女性が、料理を運んでくる。


「おまたせ。持ってきたよ」

「ありがとう!ハルカ!」


【 遥花《ハルカ》】と呼ばれた彼女は、この店の店員である。

その彼女の後ろから、背が高く、目の片方に傷跡のある、紅緋色の瞳の男性も、他の料理を持ってくる。


「なんだ?またナンデモ屋で、厄介事に巻き込まれたのか?」

「まぁ、いつもの事だよ!」


彼の名前は【 恵《ケイ》】。この店の店長であり、遥花の旦那とも呼ばれている。


二人は、桜達が頼んだ料理を机を置いていく。


「相変わらず美味しそうな料理だねぇ」

「ありがとう。柊優」

「さ!ゆっくりしていけよ!」


はーい!っと四人が返事をすると、二人はカウンターに戻り、他の客の対応をする。


自身の前に置かれた料理を食べていく。

桜はトマトのハヤシソースがかかったオムライス。将風はデミグラスソースがかかったハンバーグにバター付きのバケット。柊優はタラコパスタ。零はグラタン。


「本当、恵くんと遥花ちゃんのご飯は美味しい!」


柊優の言葉に、零は頷きながらグラタンを食べ進める。


「ここのご飯食べると、ホッとするよ。帰ってきたって感じがする」

「そうだな」


のんびりと談笑しながら、四人は食事をする。

グラスが空になった桜は、遥花を呼び同じお酒を1つ頼む。そのお酒を、遥花は桜に渡す時、彼女に話しかける。


「ねぇ、桜」

「ん?」

「最近、コウキとスズ、見てない?」

「コウキとスズ?」

「うん。ここ最近、夕飯食べに来ないんだ」


少し心配そうな表情をする遥花を見て、桜はお酒を受け取りながら考える。


「うーん・・・、たまに仕事場所が被る時はあったけど、最近は見てないなぁ。悪い噂も聞かないし・・・」

「そうか」

「まぁ、スズと会ってからは、前みたいに無茶な依頼とかも受けてないみたいだし、大丈夫だと思うよ?」

「そうだね。ありがと、桜」

「いいえ」


遥花が微笑むと、桜も微笑み返す。彼女がカウンターに戻ると、桜はお酒を呑む。



「(コウキとスズか・・・。確かに、最近見かけないなぁ)」


二人のことを少し気になりながら、三人との雑談に戻った。




〈 少女は、保護される 〉


とりあえず、この依頼話はここまで。


次の話も、出来次第ということで。

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