episode67
「美味しかったね。こんなお店があるなんて知らなかった。」
「なんでも隠れ家的なお店らしいからね。」
「気に入ってくれて良かった。」新がそう言うと、イルミネーションで彩られた並木道を2人で歩いた。これからこのまま家に帰るのだろうか。少し名残惜しい。若葉がそんな事を考えていると、新は若葉の手を引き、「こっち来て?」と裏通りに入っていった。そこはとても静かで、先程までいた街並みとは打って変わった場所であった。少し歩くと階段が現れ、それを登ると、そこには見事な夜景が広がっていた。
「うわぁ...キレイ...」
「オレのとっておきの場所。いつか若葉を連れて来たかったんだ。...若葉。」
「ん?...これ...」
新は若葉の名を呼ぶとプレゼントである指輪を取り出した。
「中学の時、自分勝手に突き放しちゃってごめん。これからは隣でオレと一緒に生きて欲しい。...もし、了承してくれるなら、これを受け取ってはくれませんか?」
新のこれはプロポーズと言っていいだろう。それに若葉は涙をハラハラと流しながら何度も何度も頷いた。
「...オレで良ければ、新と一緒にいさせて下さい...!!」
「若葉じゃなくちゃダメなんだ。」
新は若葉の返事に安堵すると指輪をケースから取り出し若葉の左手を取ると薬指にはめた。しかし、最後の最後で決まらなかった。指輪のサイズが少しブカブカだったのだ。
「...嘘だろう?」
「ふっ...あははっ!」
「カッコつかないなぁ...恥ずかしい...」
「そんな事ないよ?嬉しい。」
「...今度チェーンネックレスでも買いに行こうか。」
「ふふっ...そうだね。」
「それじゃあ、オレも。」そう言うと先程購入した腕時計を新に渡した。
「そう言えば、意味がどうのこうのって言ってたよね?一体なんなの?」
「それはね..."同じ時を刻もう"、"末永く一緒に"だよ。」
「ま、まるでプロポーズみたいな...!」
「それを言うとオレは指輪だよ?...ちょっと重いかなって心配だったんだけどね...」
新はそう言うと若葉の左手薬指で遊ぶ指輪にそっと触れた。
「重いなんて...そんな事ないよ。とっても嬉しい。チェーンネックレス買ったら毎日つけなきゃ!」
「お守りだね!」そう言う若葉に新はそっとキスをした。
「これからもよろしくね。若葉、大好きだよ。オレのお姫さま。」
「もう!...こちらこそ、よろしくね。大好き。」
2人は聖なる夜に愛を伝え、これからは一緒だと誓い合ったのであった。




