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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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episode65

ヤバい。マジでヤバい。出かけ間際になって唯に自分も連れて行けとグズられてそれをかわすのに時間がかかった。スマホで時間を確認すると時刻は10時20分。いくらなんでもこんなに遅刻してしまうとは...。急いで時計台の近くのベンチへと向かうと、なんと、若葉が田辺と巻に絡まれているではないか。巻の手が若葉の髪に触れようとしたのを見て頭に血が上り、巻の腕を掴んだ。


「...おい、何してんだよ。」

「新じゃねぇか。てことはやっぱり桜ちゃんかぁー。髪バッサリいったね。服装もだいぶボーイッシュ...と言うかメンズ物?」

「...あ、あの、コレは...」

「コイツの名前は"佐倉 若葉"。男でオレの恋人に間違いないよ。」


若葉は新が自分の事を隠しもせずに友人に紹介したのに驚いた。すると巻が合点がいったようで、「やっぱりか。」と言った。


「やっぱりって?」

「いや、桜ちゃん、カンペキに女の子だったんだけど、なんとなく違和感みたいなのがあってさ。納得納得。」

「えぇ!桜ちゃんおとこの娘だったって事?!クオリティ高ぇよ!てか男の子の格好でも可愛いなんて...。」

「...引かないんですか?」

「「え?」」


若葉は俯きながら小声で2人にそう問うた。2人は目を丸くしてパチクリさせると、「あははっ!」と笑い声を上げた。


「引く訳ないじゃん!可愛いは正義よ?それに今は同性カップルなんて珍しくもないでしょ!」

「そうだよ。えっと、若葉君。オレ達は新の選んだ人に間違いないと思っているから。」


「だから安心して?」と言う田辺と巻の言葉に若葉は目をうるうると潤ませた。その様子に2人はギョッとして慌て始めた。


「わ、若葉君?!どうしたの!泣かないでぇ!」

「だ、だって...こんな風に言って貰えるなんて思ってなかったから...。嬉しい。...ありがとう。」


目を潤ませ笑みを浮かべながら礼を言う若葉に、2人は胸を"ズキューン"と撃ち抜かれたようで、顔を真っ赤にした。


「ヤベェ...。可愛すぎるだろ...。若葉君どう?今から新をやめてオレと付き合って痛ェ!!」

「せっかく良いヤツらだと思って黙って話を聞いてたのに、今ので台無しだよ。それにオレと若葉は別れる予定は未来永劫来ない!それより!オレ達はこれからデートなの!邪魔すんな!お前らはどうせ合コンだろ?」


新がそう言うと、2人は「ヤベッ!時間!」と言って去って行った。去り際に、「今度4人で遊ぼーねー!」と言う言葉を投げて来たのであった。


「前会った時も思ったけど、面白い人達だね。」

「...ただただ面倒臭いヤツらだよ。」

「でも、オレ達の事認めてくれた。」


「それが嬉しい。」そう言って若葉は笑顔を向けてきたのであった。そうして、新は「遅刻してごめんね?お昼ご馳走する。」と言ってクリスマスデートを開始するのであった。

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