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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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episode64

遂にやって来ましたこの日が。クリスマスイブが。新は11月から準備を進めてきたので事件のせいでイブのデートは諦めるしかないか、と思っていたが、ダニエルの後押しもあって若葉をデートに誘う事にした。それで若葉の気も紛れてくれるといいのだが。


「若葉。今日デートしよう!」

「え?デート?」

「今日はイブだよ?オレ恋人とイブにデートするのが夢だったんだ。...ダメ、かな?」


若葉は新のおねだりに弱い。ソファーに座っている新は立っている若葉を見上げる形になっていて、意図せず上目遣いになっていた。若葉はそんな新の様子に「ぐっ...!」となっていると、ダニエルが声をかけてきた。


「ワカバ!恋人のお願いを聞いてあげるのは大事なことデスヨ?留守番なら任せて下サイ!」

「ダニエル...分かった、分かった行くから!」

「ありがとう、若葉!じゃあ10時に駅前で待ち合わせね!」

「え?なんで待ち合わせ?一緒に行けば良いでしょう?」

「分かってないなぁ...。待ち合わせをして、恋人をドキドキしながら待つのが良いんだよ。」


「それじや、オレは一度家に帰るよ!また後で!」そう言うと、新は佐倉家を後にした。


「デートなんて考えて無かったからプレゼント用意してないよ?どうしよう?!」

「ワカバ、アラタは一緒に過ごすだけでプレゼントデスヨ?だからオシャレしてアラタをビックリさせまショ!」

「...まさか、また女装?」

「ノンノン!ありのままのワカバで行くのデス!」


ダニエルはそう言うと若葉の手を引いて若葉の部屋へと向かった。そしてクローゼットを漁り、クリスマスらしいコーディネートを組んでいった。白のハイネックのセーターにグレーのパンツ。その上には黒のコートと一見シンプルだが、若葉自身に華があるためこのくらいシンプルなモノトーンコーデが丁度いい。


「ダ、ダニエル、変じゃない?大丈夫??」

「大丈夫!とってもcuteデス!」


「さ、もう時間がありませんヨ!」とダニエルに背中を押されて若葉は家を後にして駅前へと向かった。...流石クリスマスイブ。街にはどこを取って見ても、カップル、カップル、カップル...。若葉ば自分が浮いているように感じて少しいたたまれなくなった。そして待ち合わせの駅前に着くとスマホを取り出した。LINEをチェックすると、新から連絡が入っていて、どうも30分程遅れるそうだ。若葉は「時計台の近くのベンチで待ってる。慌てないでね。」と返信すると、自販機で温かいココアを買いベンチに座ってスマホを弄りながら待つ事にした。15分程経った頃、空になった缶を捨てにベンチから立ち上がると、「桜ちゃん?」と言う声が聞こえた。思わずビクリと肩を跳ね上げさせ顔を上げると、そこには新の友人である田辺と巻の2人が立っていたのであった。

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