episode63
「...あぁ。そう言う訳だ。本当に申し訳ない。...いや、でも...そう言ってもらえると助かる。あぁ。若葉の事は任せてくれ。それじゃあ。」
「おじさん?」
「!若葉。」
「母さんと電話してたの?」
「...やっぱり分かったか。お前の事任せられたよ。」
「...て事は」
若葉は顔をパァッと輝かせ直道に抱きついた。
「これからもそばにいてくれるんだね!オレ凄い嬉しい!」
若葉の心からの言葉に直道は涙を流しながら若葉を抱きしめ返した。そして、「ありがとう、ありがとう」と感謝の言葉を口にした。その様子を少し離れた所から見ていた新とダニエルは顔を見合せながら笑い合った。その2人に気がついた若葉はチョイチョイと手招きするとバッと手を広げた。そしてその腕の中に新とダニエルの2人も飛び込んで行った。
「?!お前ら!」
「直道さんばかりズルいですよ。オレ達も若葉とハグしたいです。」
「ソーデスヨ!それにワカバが呼んでくれたんデス!来ないわけにはイキマセン!」
「まったく...困った子供達だよ、お前らは。」
そうしている時だった。玄関のチャイムが"ピンポーン"と鳴った。こんな遅くに誰だ?と不審に思っていると、再度チャイムが鳴らされた。直道が代表してインターフォンを確認すると、そこに立っていたのは直道の妻、花緒であった。直道が急いでドアを開けると、花緒が直道に抱きついてきた。
「か、花緒?!どうしてここに...」
「あなた...私どうしていいのか分からなくて...」
「おばさん?」
「?!若葉君!本当に、本当にごめんなさい!怖い思いをさせてしまって...!!」
「おばさんは何も悪くないよ。それにおじさんも。だから自分を責めないでよ。」
「けれど...本当はここに来る資格も、若葉君に会う資格も無いのは分かっているの...。でも、でも...!!」
若葉はそっと花緒の事を抱きしめた。花緒はハラハラと涙を流し続け、その場にしゃがみこんだ。
「若葉君...優しすぎるわ...。おばさんの事なんて責めて良いのに...。こんなに優しく抱きしめてくれるなんて...。」
「...オレにとっては、おじさんもおばさんも大切な存在だよ?浩兄の事は正直許せない。でも2人は関係ないよ。それにオレの油断が招いた事件でもあるんだよ。だから、ね?」
若葉はそう言うと花緒に笑いかけた。その笑顔を正面から見た花緒は顔をぐしゃぐしゃにしながら若葉の事を強く強く抱きしめた。
「さぁ、今日はもう遅いし、おばさんも今日は泊まっていって?」
「皆で温かいココアでも飲もう?」そう言って全員てリビングへと向かっていったのだった。




