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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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episode61

意識を失ってどれくらい経つだろう。浩史を出迎えた所までは覚えている。...それから何が起こったのだろうか。気がつくと見慣れない場所に寝転がされていた。


「あぁ...若葉。目が覚めたかい?」

「ひ...ひろにい?ここどこ?何があったの?」

「若葉。コレはなんだい?誰に付けられた?若葉は僕のものなのに...!!」


浩史はそう言うと持っていたナイフで若葉の服を切り裂いた。


「浩兄!ヤダ!!やめて?こんな事はよして...!!」

「若葉...僕達はこれから一つの作品になるんだよ?ね、"喜多川先生"?」

「えっ...?」


浩史がそう言うと若葉は驚きの声を上げた。その瞬間、"パシャリ"とカメラのフラッシュが光ったのであった。


「やぁ、久しぶりだね佐倉君。会えて嬉しいよ。」

「な、なんで浩兄と喜多川先生が...?!」

「僕も喜多川先生の教え子なんだよ。」


意外な接点があったのに若葉は驚きを隠せないでいた。


「喜多川先生が逮捕されたのにはビックリしてね。僕も微力ながら先生の釈放に一役買ったんだ。」

「ど、どうして...?」

「若葉の美しさを理解し、語れる相手だからだよ!」

「そう言う事だよ、佐倉君。君が眠っている間にたくさん写真を撮らせて貰ったよ。いやぁ、実に美しい...。」


喜多川はそう言うと恍惚とした表情を浮かべた。そしてカメラを地面に置くと若葉と浩史の元へと歩み寄ってきた。


「さぁ、写真もたくさん撮れたよ。どれもこれも美しい物ばかり。さぁ。一息ついた事だし...ね?」

「そうですね、喜多川先生。」

「な...何...?ヤダ!来ないで!」


「誰か助けて!!」と若葉が大声を出した次の瞬間だった。廃墟の入り口が"ガシャン!!"と大きな音を立てて開かれた。微かにパトカーのサイレンの音も聞こえる。


「そこまでだ!喜多川!清水!!誘拐と監禁の容疑で逮捕する!!」

「クソッ!どうしてここが...?!」

「若葉!同意だと言え!言うんだ!!」

「往生際が悪いぞ浩史!」

「と、父さん?!」


浩史は直道の姿を見ると、「終わった...」と絶望の表情を浮かべその場に立ち尽くした。そして浩史と喜多川の2人は手錠がかけられると、パトカーへと乗せられて行った。


「若葉!!無事か?!」

「ワカバ!大丈夫デスカ?!」

「新...ダニエル...?」


若葉は2人の顔を見ると安堵感に包まれた。


「...若葉。浩史のヤツが本当に申し訳ない。」

「おじさん...」

「お前のために仕事も辞めて、夫婦で遠くに引っ越す。もう安心していいぞ。」

「?!ヤダよ!おじさん達と離れたくない...!!」


そうは言っても加害者家族だ。これから後ろ指を刺されながら生きていく事になるだろう。直道は泣きじゃくる若葉を抱きしめながら「ゴメンな」と謝ることしか出来なかった。

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