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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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episode60

新とダニエルの談議が白熱していた時、"ピンポーン"とチャイムが鳴った。若葉がインターフォンを確認するとそこには浩史が立っていた。


「あ、浩兄!もう来てくれたの?」

「「!」」

「心配だったし、早く若葉に会いたかったからね。」


「母さんがケーキを焼いたんだ」とインターフォン越しに箱を見せてきた。若葉は「すぐ開けるね!」と言って玄関へとかけて行った。


「まさか、もう来るとは...」

「警戒がバレないようにシマショ。」


新とダニエルは頷き合うと、2人がリビングへ入ってくるのを待った。しかし、いくら待っても2人が入って来る気配がない。2人は「まさか...!」と思い玄関へと向かうと、玄関のドアが開かれたまま、落とされた弾みか、潰れたケーキが置かれていた。


「やられた...!!直道さんに連絡を!!」

「アラタ、ワカバはスマホを持ったままデスカ?」

「?たしかズボンに入れたままだったかと...」

「GPSで追跡しまショウ!」


新はあまりにも動揺していたため、その発想が出なかった。GPSアプリを入れたのは、ストーカー対策のためであった。「早目に入れておいてよかった...」と2人は思いながらアプリを起動する。若葉のスマホはまだ移動している事を示していた。新とダニエルは急いで靴を履くとGPSを辿りながら追いかける。その間にダニエルは直道に連絡を入れる。すると、「早退して今すぐ向かうからくれぐれも早まるなよ!」と言葉を投げてきた。しかし、GPSの動きが止まった事でこれは急がねばならない、と新とダニエルは直道に「待っていることはできません!」と通話を切るとダッシュした。なにせGPSの動きは車移動だったようで、スピードも早く、距離もどんどんと離れていってしまったのだ。


「ここ...廃墟地じゃないか?」

「?」

「地元じゃ有名なヤバい場所だよ。直道さんも知ってるはずだからマップ送る。」


新がそう言うと一度立ち止まり直道にLINEする。するとすぐにダニエルのスマホが鳴った。相手は直道だ。


「もしもし?!いいかお前ら、今、オレも向かってるから絶対2人で乗り込むなよ!」

「でも..待ってる間にワカバに何かあったら...」

「大丈夫だ。おれの今いる場所から廃墟地までそう距離はないから。慌てるな。一息ついて落ち着け。いいな?」


スピーカーで聞いていた2人がその言葉に「はい。」と返事をすると直道は「よし」と言って

「廃墟地の入口で落ち合う。」と伝えると通話を切った。3人の心は一つ。"どうか若葉が無事でありますように...。"

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