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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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episode57

朝食はトーストに目玉焼き、ウインナーにサラダとシンプルかつ、バランスのとれたメニューであった。


「皆、コーヒーで大丈夫デスカ?」

「あ、オレ入れるよ。」

「そうデスカ?ありがとうございマス!」


若葉はそう言うとコーヒーメーカーのスイッチを入れた。"ゴポポ"という音がキッチンで響くと、若葉達は皆で席に着いて「いただきます!」と一斉に朝食を食べ始めた。


「そうだ。今日の夜、オレの代わりに浩史が泊まるからよろしくな。」

「浩兄が?分かったよ。あ、コーヒー入ったみたい。入れてくるね。」


若葉は席を立つとキッチンへと入り、新達に背を向けた。その瞬間に若葉以外の3人は目を配り、「今日がXデーだ。」と直道が小声で言うと、新とダニエルは頷いた。


「なになに?3人で内緒話しでもしてるの?」

「内緒話しなんて大層なものじゃねぇよ。新が宿題終わるか心配だァーって言ってな。」

「ちょ、直道さん?!」

「大丈夫だよ、新。オレがビシビシ教えてあげるから!」

「...心強いけど、お手柔らかにお願いします...」

「アラタ、実はおバカさんなんデスカ?」

「ダーニーエールー!!」


4人でワイワイと賑やかに朝食を食べていると、時間が7時半になろうとしていた。それに慌てたのは直道であった。


「やべぇ、ゆっくりしすぎたわ!オレァもう行くからな!3人とも気をつけてな!宿題はきちんとしろよ!」

「直道さん!!」

「ガハハッ!行ってきます!」

「「行ってらっしゃい!」」


直道がバタバタと出勤していくと、3人は朝食の後片付けをし、ダニエルは「日課の散歩に行ってきマース!」と言って家を出ていった。...まさかダニエルにそんな日課があったとは。そして突如2人きりになった若葉と新。新は「これはイチャイチャするチャンスでは?!」と思ったが、それは瞬く間に散った。若葉が新の分の勉強道具も持ってリビングへとやって来たからである。


「わ、若葉さん?」

「宿題は早いとこ終わらせるに限るからね!さっ、始めよう?」

「...ハァイ...。」

「...。」

「?若葉?」


新が落胆していると若葉が黙って見つめてきた。それに新は疑問を持つと、若葉は勉強道具をテーブルの上に置き、新に思いっきり抱きついてきたのだった。


「わ、若葉さん?!」

「...宿題するなんてウソだよ。せっかく2人きりなんだもん。新に甘えたい...。」

「...!!」


若葉の可愛いわがままに、新は天を仰いだ。ダニエルよ。まだ帰って来るんじゃないぞ。と心の底から願うのであった。

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