episode56
朝の寒さによって目を覚ました若葉は、隣に新がいる事に安堵する。自分でもこんなに新に依存してしまうとは思ってもみなかった。今は離れていた分の時間を埋めるかのように一緒にいる。若葉は抱きしめられている所から伝わる新の熱に、鼓動に、再び眠気が襲ってくる。そしてあと少しで寝入ってしまう所でセットしていたアラームが鳴った。
「ん...。今何時?」
「お、おはよう新。今6時。ごめん、学校に行く時のままアラームかけちゃってて...。」
「大丈夫だよ。おはよう、若葉。」
新は朝の挨拶をすると、寝惚けているのか、若葉の顔中にキスの雨を降らせた。
「あ、あらた...くすぐったい...。」
「我慢して...。可愛い。若葉...。」
そしてとうとう新の口が若葉の口を塞ごうとしたその時であった。廊下からバタバタと言う足音が聞こえてきたかと思ったら、部屋の扉がバーンッと開かれた。そちらに目をやるとダニエルが仁王立ちをしていた。
「おはようございマス!ワカバ!アラタ!朝食にシマスヨ!」
「...おはよう、ダニエル。早いね。」
「アラタばっかりワカバを独り占めするのはズルいですからネ!」
新は若葉との時間を邪魔されたのに若干イラつきを見せながら若葉と共にベッドを降りた。若葉がベッドから降りると、その瞬間、足を挫いてしまいバランスを崩した。しかし、新が抱きとめた事で倒れる事を免れた。
「あ、ありがとう新...。」
「大丈夫?」
「ちょっとバランス崩しちゃっただけだから大丈夫。安心して?」
「そ?なら良かった。」
「チョットチョット!2人でイチャイチャしないで下サーイ!私も混ぜて下サーイ!」
ダニエルはそう言うと若葉と新目がけて飛びかかってきた。
「うわっ、ちょっと!」
「ダニエル?!」
そうして3人仲良くベッドへと倒れ込むと、ダニエルは楽しそうに笑い声を上げた。それにつられて、若葉と新も笑みを零した。
「ダニエル、朝からテンション高すぎ。」
「ワカバとアラタがローテンションなだけデス!元気にいきマショ!」
「仕方ないなぁ...。」
そうして3人でじゃれこんでいると、開かれている扉がコンコンと叩かれた。
「お3人さん。朝から仲良しなのは良いが、朝メシ冷めるぞ?」
「あ!いけまセン!そうデシタ!」
「ダニエルも忘れてたんかいな。」
「スミマセン、ナオミチ。2人とも!朝食にしまショ!」
直道が現われ、ダニエルはハッとすると、若葉と新の2人を促して4人揃ってリビングへと行ったのであった。




