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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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56/69

episode55

しばらくして、「スースー」と言う寝息が聞こえてくると、新は安堵した。そしてベッドから降りると若葉を起こさないように部屋を後にしてリビングへと向かう。リビングにはダニエル、直道が揃っていた。


「遅くなりました。」

「いや、構わねぇ。夜遅くにすまねぇな。」

「大丈夫デス。それより話しとは?」


就寝する前、若葉がトイレに席を立った時に直道から、若葉のいない所で話しがある。と言われていたので、若葉が寝入るのを待って3人で集まった。


「いやぁ...。オレも信じたくは無いんだが...。コレを見てくれ。」


直道はそう言うと、数枚の写真を出してきた。そのどれにも若葉が写っていて、他に写っている人間の顔はペンで黒く塗りつぶされていた。


「これは...。一体どこで?!」

「...浩史の部屋だ。アイツ、昔からオレ達家族も部屋に入れたがらなかったから...。コッチにいる間に侵入してみたら案の定ってわけだ。」

「犯人はヒロシってコトデスネ...。」

「一体どうして...。」

「...ガキの頃から若葉の事を猫可愛がりしていたんだが...。それがまさかこういった行動をとることになるとは...。」


直道は頭が痛いと言ってこめかみを押さえた。そして、「これからどうするか...。」と呟いた。


「若葉は浩史さんを慕っているし、知ったらショックを受けるでしょうけど...。言わないわけにはいきませんからね...。」

「そうなんだよなぁ...。でも、いつまでもこのままにはしておけない。明日...、いや、もう今日か。オレが仕事から帰って来たら浩史の糾弾大会をしようか。それまでお前らも知らぬ存ぜぬを貫いててくんねぇか?」

「分かりました。」

「了解デス!」


「それじゃあ今日はもう休め」と直道が言うと、それぞれ部屋へと戻って行った。新は若葉を起こさないようにそっと部屋のドアを開けると静かにベッドへと潜り込んだ。


「ん...?あらた...?」

「あ、ごめん。起こしちゃった?」

「大丈夫。どうしたの?」

「あぁ、ちょっとトイレに行ってた。」

「...寒いから温めて?」


若葉はそう言うと新に思い切り抱きついた。若葉のその行動に新は一瞬固まったが、これで若葉が安心するのであれば、と強く抱きしめ返した。


「ふふっ...あったかい...」

「それは良かった。」


新は、絶対若葉を守ってみせる。そう心に決めたのだった。

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