episode53
家に帰ると、留守番をしていたダニエルと浩史が若葉達を出迎えた。どうやら夕飯の支度をしてくれていたようで、とてもいい匂いがした。
「おかえり、若葉。新君。夕飯作っておいたよ。」
「わっ!嬉しい、ありがとう!」
「ヒロシ、料理上手いデス!包丁さばき素晴らしかったデス!」
「あはは。ありがとうダニエル君。ダニエル君もいい筋だったよ?」
「将来の夢は料理人デスからネ!」
ダニエルの言葉に若葉は驚いた。たしかに中学の頃に来たダニエルは若葉の母に料理を教わっていた。その時はまぁ、初心者の料理という感じで所々焦げていたりしていた。が、今日の夕飯はどうであろう。まるで一流ホテルのディナーの様な料理がズラリと並んでいた。
「ダニエル君の腕前が凄かったから、感化されて張り切っちゃった(笑)」
「私もデース!さっ!皆で食べまショ!」
ダニエルに促され、若葉達は席に着いた。そして一斉に「いただきます。」と言うと料理を口に運んでいった。
「凄い!見た目だけじゃなくて味も美味しい!お店のご飯みたいだよ!」
「それは褒めすぎだよ、若葉。」
「嬉しいデース!」
「本当にコレはお店に出せるレベルですよ。」
若葉と新の素直な感想に、ダニエルと浩史は照れくさそうにしていた。そして賑やかな夕飯を終えると、後片付けは若葉と新が担った。洗い物が終わった頃、玄関から"ピンポーン"とチャイムが鳴ったため、インターフォンをチェックすると直道が立っていた。
「おじさん、いらっしゃい。」
「おう、若葉。浩史が邪魔してるようだな。」
「うん。夕飯ご馳走になったよ。浩兄とダニエルのご飯レベル高くてビックリしちゃったよ。」
「アイツも一人暮らしで自炊してるからな。オレも前食わせてもらったが、下手したら母さんよりも美味いかも...」
「父さん、母さんが聞いたら怒られるよ。」
「...ハハッ。母さんには内緒で、な?」
玄関先でやり取りしていると、ダニエルがやって来て、「まぁまぁ、ここではナンデスカラ!」と言って皆でリビングへと移動した。そして、直道から一通の手紙が手渡された。
「これ、今日も入ってたぞ。」
「相変わらず差出人は不明ですね...今更ですけど、この手紙って送り先の住所も書いてないから、やっぱり犯人が直接投函してるって事ですよね?」
新がそう言うと皆背筋が凍った。犯人の候補に上がっていた喜多川は若葉の家を知るはずがない。と、なると...。
「若葉の身近な人間が犯人...と言う事ですね...。」




