episode52
「新、1回家に帰った方が良くない?」
「おばさんも心配してるだろ。」と若葉が言うと新は若葉と離れたくないと抱き着いて離さなかった。
「新君。若葉に、"恋人"に迷惑をかけるのは良くないんじゃないかな?」
「め、迷惑ではないけど...」
「あ!それなら一緒にオレん家来てしばらくの荷造り手伝ってくれない?」
「それなら...良いけど...。」
新は浩史に対してドヤ顔をして見せた。しかし、浩史は痛くも痒くもないという大人の余裕を見せつけてきたため、新はなんだか負けた気分になった。
「浩兄、ダニエル。そう言う事だから少し留守番お願い出来るかな?」
「分かったよ。気を付けてね。」
「アラタ!ワカバ独り占めズルいデス!」
「まぁまぁ。すぐ2人で帰ってくるから。ね?」
「...分かりマシタ。」
若葉はダニエルを説得させると新と2人で家を出た。
「ハァ...。やっと若葉と2人きりになれた。」
そう言うと、新は若葉の手を握り歩き始めた。そして新の家へと向かうと丁度部活から帰って来た唯と鉢合わせた。
「わ、わ、わ、若ちゃーん会いたかったよー!」
「アハハ。おかえり、唯ちゃん。」
「おい、唯。若葉に抱き着くな。」
「男の嫉妬は見苦しいよ。お兄。」
「2人共...少し落ち着いて?ね?」
「若葉が言うなら...仕方ない...」
「でもどうして若ちゃんがお兄と一緒にウチに?」
「冬休みの間、しばらく新にウチに来てもらう事になったんだ。」
若葉はストーカーの件は伏せ、ただ遊びに来ることになっているていで唯に話した。ちなみに新の母には報告済みである。
「だから荷造りしに来たんだよ。いいから家入らせろ。」
「お兄ばっかりズルいぃ...!私も若ちゃんちに行きたーい!」
「お前は部活に宿題があるだろ。」
「宿題があるのはお兄もでしょ!」
「オレは若葉に勉強見てもらうから。ね、若葉。」
「...仕方ないなぁ。」
玄関先で賑やかにワイワイやっていたせいで母から、「いい加減家に入ってきなさい。」と言われた。そうして3人は家の中に入ると唯はリビングへ、新と若葉は新の部屋へと向かって行った。そして荷造りを進めていく。
「これだけあれば、しばらくは大丈夫かな?」
「勉強道具はちゃんと持った?」
「ぐっ...!!持ちました...。」
「唯ちゃんに言った手前、きちんと勉強しなくちゃ、ね?」
「...ハイ。」
若葉の言葉に「ラブラブの冬休みは送れないのか...」と思っていると、
「勉強頑張ったら、ご褒美、あげる...。」
と若葉は恥ずかしそうに耳打ちしてきたのだった。




