episode50
そして、いよいよ若葉の両親が海外に旅立つ時が来た。若葉達は両親を見送るために空港へとやって来ていた。
「それじゃあ、新君。ダニエル。若葉の事、よろしくね。」
「分かりました。おじさんとおばさんも気を付けて。」
「オジサン、オバサン!楽しんできて下サーイ!」
「ハハッ。ダニエル。観光じゃないんだから。」
「3人も気を付けてね?兄さん、子供達の事よろしくね。」
「おうよ、任せとけ!お前らが帰ってくる前にストーカー野郎をお縄にしといてやるよ!」
「頼もしいです。お義兄さん、よろしくお願いします。」
そうやり取りをしていると、搭乗案内のアナウンスが流れて、両親と若葉達はそこで別れたのであった。
「さ、お前ら。ラーメンでも食って帰るか!」
「やった!直道おじさん大好き!ギョーザも付けていい?」
「ハハハッ!もちろんいいぞ!」
子供のようにはしゃぐ若葉を見て、新とダニエルは「何この可愛い生き物」と心の中で呟き、2人して若葉をギューギューに抱きしめた。
「ちょ、なになに?!どうしたの、2人共!」
「あー...まぁ、気持ちは分からんでもないがな。」
「え?おじさん、なんなの?」
「若葉は分からんでも良いぞ。男心ってヤツだ。」
「オレも男だよ?!」
若葉はそう反論したが取り合ってもらえず、「さー、行くぞー!」と言う直道に続いて若葉達3人も空港を後にした。その道すがらも新とダニエルは若葉の手を離すことはなかった。
そして4人はラーメンを食べて自宅へと帰った。ラーメンとギョーザを食べてホクホクの若葉はデザートにコンビニで買ったアイスを食べていた。
「若葉...。その細い身体のどこにそんなに入ってるの。」
「え?これくらい普通でしょ?」
「いや、そうなんだけど...。若葉は華奢だからさ。しかもラーメンも大盛りだったからさ...。」
「オレも育ち盛りの"男"って事だよ。」
そうのんびりとした時間を過ごしていると、玄関から"ピンポーン"とチャイムが鳴った。
「はーい!今行きます!」
若葉がアイスを置いて玄関へと向かい扉を開ける。
「こんにち、若葉。久しぶり。」
そこにいたのは直道の息子で若葉の従兄弟である"浩史"であった。
「あれ?!浩兄?!久しぶりー!どうしたの?ウチまで来て!」
「父さんが帰ってきたから、僕も顔出そうと思って。来ちゃった(笑)」
「ハイ、コレ京都土産の八ツ橋。」と若葉に土産を差し出した。
「そっか。たしか浩兄はK大だったよね?凄いなぁ...。」
「若葉の学力があれば十分入れるよ。」
「あ、玄関先でゴメン!上がって上がって!」
そう言うと若葉は浩史を家の中に招き入れたのだった。




