episode43
若葉の母は「立ち話もなんだし3人とも上がりなさいな」と言うと家の中に招き入れた。
「母さん、父さんの海外赴任のこととか、ダニエルのこととか、オレ何も聞いてなかったんだけど...」
「いえね?サプライズしようと思って!」
「担任に聞いて初めて知ったよ...」
「あらま。ごめんなさいね?でも嬉しいでしょう?短期間だったとは言え昔ダニエルと仲良かったじゃない。」
新と疎遠になっていた頃だったのもあり、その頃のダニエルは若葉にとって心の拠り所だったのはたしかだ。
「それで?ワカバ。ソチラの男は誰デスカ?」
ダニエルの問いに若葉は応えにくそうにしていると、新が代わりに淡々と応えた。
「オレは新。若葉の彼氏。」
ダニエルはその言葉に目をまん丸くして驚いていた。そして次の瞬間、ダニエルは新の胸ぐらを掴むと低い声で話し始めた。
「アラタ...聞き覚えありマス。ワカバを悲しませた男デスネ?私は認めませんヨ...?」
「別にお前に認められる必要はない。」
「ちょ、ちょっと2人ともやめよ?ね?」
新とダニエルの視線はバチバチで若葉はおろおろとしていると、席を外していた若葉の母が戻ってきた。
「あら?...あんまり仲良くない感じ、かしら...?」
「...最悪だよ...」
若葉は母にそう言うとため息をついた。母は呑気に「ウチの子は男の子にモテるのねぇ」と何故か感心していた。そして、その2人をそっちのけで、「あ、そうそう!」とこえを上げた。
「若葉。あなた宛に手紙が来てたわよ?」
「...手紙?」
「送り主が書かれてなかったから、ちょっと不審なんだけれど...」
そう言いながら母が若葉に手紙を渡してきた。少し不気味に思いながらその手紙を受け取り封を開けて中身を取り出した。その手紙が気になってか、先程までバチバチだった2人も覗き込んできた。そこには若葉への愛を綴った手紙と...数枚の隠し撮り写真があった。その写真にはカピカピになった白濁がついていた。
「ヒッ...!」
「なんなんだよ...コレ...」
「どう見ても送り主は男、デスネ...」
3人の頭には"ストーカー"の文字が浮かんでいた。若葉は顔を真っ青にしてガクガクと震えていた。無理もない。喜多川の件からそう経ってはいないのだから。
「これはおばさん達にも相談を...」
「待って!これから海外行くのに心配かけたくない...!!」
「でも...」
新が反対しようとしたが、若葉の気持ちもわからなくはない。するとダニエルが、
「それなら私がワカバのナイトになりマス!」
そう宣言したのだった。




