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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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episode30

この日の放課後も新と若葉は一緒に帰っていた。若葉としては「わざわざ桜ヶ丘まで来なくても...」と思っていたのだが「若葉が海里に来ると危ないから」と言われてしまった。危ないとはどういう事だと思ったが、なんだか黒い顔をしている新をみると聞けなかった。経験から察するに、恐らくだがまたナンパされるの思われているのだろう。制服は男物だからナンパなんてされる訳無いのに...と思ったが、若葉の思考を読み取ったのか「若葉が男子校なんかに来たら襲われる!」と若葉にとって見当違いの返答がされた。「同じ高校行きたかったんじゃ...」と言ったら「オレが一緒ならいいの!」と言われてしまった。...過保護な彼氏である。


「あっ、そうだ。」

「?どうした?」


急に若葉が声を上げたので、新は立ち止まり若葉を見た。


「明日の事だけど女子制服借りれたからそれに着替えたり、メイクしたりするから少し時間かかる。」

「了解。悪いな。オレのダチの都合に合わせて。」

「別にいいよ。...流石に男が恋人って言いにくいだろ?」

「オレは別にいいんだけど...ダチが"彼女に"って言うからさ...なかなか訂正出来なくて...」

「なるほど。...オレの方は女子達のお陰で男のお前が恋人ってクラス中にバレたよ...」

「もしかして"桜ちゃん"とのデートで手伝ってくれた人達?」

「うん。」


「共学の割に偏見ないんだなぁ。」と呟く新に、若葉は「ウチのクラスが特殊なだけ。」と返した。


「逆に男子校のウチのが偏見あるかも。男同士が恋人になるってよりは"友情が深まる"って感じになるかな?」


若葉は新の言葉に「そう言うもんなんだ?」と返した。そう言えば海里男子は合コンが盛んだと聞いたし、男同士でどうこうなることは無いんだな、と納得した。


「男子校だから出会いに飢えて男に走る。って言うのはマンガの中だけ。実際は男臭いし、中学の頃のツテとか使って他校に彼女作ったり、合コンしたりかな?...あ、ま、前にも言ったけど合コンは人数合わせで参加させられただけで、もう行ってないし、行かないから!オレは若葉一筋です!」


最後の方は最早若葉に疑念を持たせまいと必死の弁明であった。そんな会話をしていた時だった。若葉は何か視線を感じ、バッと振り返った。そこには誰もいなかったが若干の違和感と寒気がした。そんな様子を見せた若葉に新は「どうかした?」と声をかけたが「何でもない。風邪かな?」と返されただけだった。若葉は「新に心配かけるのもなぁ。気の所為かもしれないし。」そう思う事にした。

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