episode28
「送ってくれなくてもいいのに。」
「いいの。夕飯の時、唯がベッタリだったからな。」
「...ヤキモチ?」
「...悪い?」
若葉の言葉に新はブスっと応えた。
「そーだ。お願いがあるんだけど。」
「?なに?」
「今度の放課後、制服デートしない?」
「制服デート?一緒に帰ってる時点でしてるようなもんじゃない?何か特別な事でもすんの?」
「それなんだけどさ...。クラスのヤツに恋人出来たって言ったら見せろ見せろうるさくて...。この間のプリクラ見せたんだけど、そしたら会わせろって言い出してさ...」
「...つまり、"桜ちゃん"でデートして欲しいってこと?」
「うん。...ダメ、かな?」
「気乗りはしないけど...。クラスの女子に制服借りれたらいけなくはない...かな?」
若葉はそう言うとスマホを取り出しクラス委員長にLINEをする。彼女の事だ。今回のこの話も面白がってノリノリで話を受けてくれるだろう。そう思っていると、彼女から即「OK」の返信が来た。
「...若葉、こういう時決断早くて男らしいよな。」
「だって新断れないんだろ?一応オレも関わってるみたいだし、協力くらいするって。日取り決まったら教え...」
「...今ソイツからLINE来たんだけど、明後日バイト休みだからその日にしてくれないかって...」
「...急だな…。わかった。伝えておく。」
若葉はクラス委員長に追記のメッセージを送ると、彼女からの返信を待つ。すると、そんなに間を置かずに「明日予備の制服持って行くから、サイズの調整しよう。」と返信が来た。彼女には今度お礼をしなくてはならないな。そうこうしている間に、若葉の家の前までたどり着いたので、若葉は新にお礼を言って家に入ろうとした。その時だった。新に手を掴まれたため何事かと振り返った次の瞬間、新が掴んだ手を引き抱きしめてきた。そしてそのままキスをしてきたのだった。若葉は思わず固まってしまっていると、新は若葉の頭を"ポンポン"と触れ、「おやすみ」と言って帰って行った。若葉は顔を真っ赤にしながらヘナヘナとその場にしゃがみこみ、「ズルすぎるだろ、それは...」と呟いて項垂れるのであった。




