episode22
「え...コレってOKってことで...いいの?」
「...嫌いなヤツにこんなことしない。」
「!若葉...!!」
「?!ちょ!」
若葉からの返事に感極まった新は、嬉しさのあまりに思いっきり若葉を抱きしめた。伝わってくる鼓動にこちらまで心臓が跳ね返ってしまうのではないかと思う若葉であった。
「そ、それはそうと...なんで中2の頃からオレを避け始めたんだよ?」
「そ、それは...若葉もオレと同じ高校行きたいって言ってくれるんじゃないかと思ってたから...。正直ショックで...。」
「...それだけ?」
新の返答に若葉は思わずポカーンとしてしまった。そんな若葉の感想に新は口を尖らせブーたれてしまった。
「あの頃のオレに桜ヶ丘なんてとても行ける頭なかったし、共学だから彼女とか出来るんじゃないかと不安になったんだよ」
「の割には海里男子は合コンが好きらしいじゃないか。」
「?!な、なんで知って...」
「有名な話しらしいじゃん。他校の女子としょっちゅうしてるって。そりゃこんなにデートのエスコートが上手いわけだ。」
「ち、違うって!オレは人数合わせに行ってるだけ!エスコートも何度もシュミレーションしたからで...!」
若葉の言葉に必死になって新は弁明した。
「オ、オレは!ガキの頃から若葉一筋なんだよ!」
「え...?」
若葉は新のまさかの告白に目を見開いて彼を見た。子供の頃からと言うと、若葉ごコンプレックスの女顔の事をからかわれていた頃からと言う事だろうか。その頃の若葉の新への印象は自分を助けてくれる"ヒーロー"で、自分にはない男気のある"憧れの存在"であった。
「...ほ、本当に子供の頃から...?あの頃、泣くなってオレのこと叱ってたじゃないか。メソメソすんな、強くなれって。」
「あれはお前に自信持たせたかったんだよ。女顔だからからかわれてるんじゃないって。」
「え?女顔だからだろ?」
「ハァー。鈍いな。アイツら若葉の事好きだったから、からかったりしてたんだよ。ま、泣かすのは間違ってるけどな。」
数年越しの真実に驚きを隠せない若葉であった。
「ま、アイツらのお陰で若葉はオレにベッタリになってくれたわけだし、そこは感謝かな?」
「べ、別にベッタリじゃねぇだろ!」
「いーや。ベッタリだったね。」
新はそう言うと当時を思い出したのか、クスクスと笑い始めた。それにつられて若葉も小さく笑みがこぼれる。まさか、またこうして2人で笑い合うことが出来るなんて夢のようだ。そう思いながら。




