episode21
ゲームセンターに移動してから、若葉と新は思いっきりハシャギまくった。クレーンゲームで若葉が欲しそうに見ている景品を新がとったり、音ゲーをしたり、シューティングゲームをしたり。時間が過ぎるのが早かった。時計を見ると時刻は17時。新が若葉にそろそろ夕飯でも...と声をかけようとすると、若葉の視線は一点をとらえて固まっていた。...そこにあるのはプリクラである。
「桜ちゃん、プリクラ撮りたいの?」
「え!いえ...その...私撮ったことなくて...」
「え、撮ったことないの?可愛いから皆に誘われそうなのに。」
「...ゲームセンター自体来ないから...」
「あ。じゃあさ、記念にオレと撮らない?」
「え...?」
「ホラホラ。行こう!」
そう言うと
新は若葉の手を取りプリクラ機の中へと入っていく。お金を入れ新は慣れたように操作していく。...「プリクラって女子が好む物だよな。手馴れてる。」と若葉は若干気が落ちたのを感じた。新はそんな若葉の様子に気づくことなく、「ホラ、笑って笑って!」と肩を抱きカメラを見る。若葉はそんな新にドキッとして顔を赤らめながらカメラを見る。何回かシャッターを切られると、ラクガキコーナーへ!とアナウンスが流れる。2人はそのアナウンスに顔を見合わせる。
「オレ、ラクガキした事ない(笑)」
「え?!ど、どーするんですか?」
「無しでいっか!」
そう言うとラクガキを終了させシンプルなプリクラが出来上がる。そのプリクラを半分こにすると、新は若葉に片方を渡してきた。
「はい!今日の記念の1枚!」
「凄いシンプルですね(笑)」
「まぁ、いいじゃない?(笑)そろそろ夕飯でも食べいかない?」
「いいですね。」
「ワックでもいい?デートで行く感じのとこじゃないけど、無性に食べたくなっちゃった(笑)」
「フフッ。いいですよ。」
そうして2人はワックで夕飯を済ませ、帰るまで少し歩くことにした。
「今日、どうだった?」
「凄い楽しかったです。水族館も、ゲームセンターも!」
若葉はくるりと新へと振り向きながら言った。すると新は若葉の手を引き、そのまま抱きしめた。
「あ、新君?!」
「ごめん。ホントはもっと早く言わなきゃダメだったのに、こんなに引き延ばして、試すようなことして。また傷つくのが怖いから言えなかった。...だから今言わせて?桜ちゃん。...いや、"若葉"。」
「?!」
新に名前をよばれ、咄嗟に身体を突き放し逃げようとする。しかし、新はすぐ若葉の手を掴むと逃がさないように強く抱きしめた。
「...!!離せよ!悪かったな!こんな騙すようなことして...!!」
「オレは騙されてないよ。最初から、桜ヶ丘祭の時から若葉だって気づいてた。...分からないわけないだろ?ずっと、ずっと好きだったんだから。」
「え...?」
若葉は新の"好き"という言葉に混乱してしまう。
「だ、だって言わなかったじゃないか!何も!!中2のあの日も突然オレを突き放して...!!」
「ごめん。あれはオレが悪かった。本当にごめん。」
「学園祭の時だって、今日だってずっと"桜ちゃん"って...」
「その方が良いのかと思ったんだ。...ごめん。オレ本当に間違えてばかりだ。でもこれだけは信じて欲しい。オレは"桜ちゃん"だから好きになったんじゃない。"若葉"だから好きなんだ。」
新の言葉を若葉は涙をはらはら流しながら聞いていた。
「...若葉。改めて言う。お前が好きだ。オレと付き合ってください。」
若葉は静かに新を涙をいっぱい溜めためで見て、少し背伸びをしながら新へ口づけを贈った。




