episode17
若葉が家を出て駅前へと着いたのは9時50分。新はまだ来ていないようであった。スマホに目をやると、新からショートメッセージが来ていた。内容は「少し遅れるかもしれない」と言うものだった。若葉はそれに「大丈夫です。気を付けてきてきてください。」と返信した。時刻が10時10分になろうとした時、後ろから肩をポンと叩かれた。新かと思い振り返ったが、そこにいたのは見知らぬ男性2人組。
「お嬢さん可愛いね。待ち合わせ?」
「...そうですけど。」
「もう大分待ってない?良かったらオレ達とお茶しようよ。」
「いえ。結構です。」
「いいじゃん。減るもんじゃないし行こーよ。」
そういうと男性の1人が腕を掴んできた。
「!離してください!」
「もー、ガード固いなぁ。いいじゃん。お茶くらい付き合ってよ。」
「嫌です!」
若葉がちょっと泣きそうになったその時だった。若葉の腕を掴んでいた手を掴み返す手があった。強い力が込められていたらしく、男性は「いてぇ!!何すんだ!!」と若葉の腕から手を離すとキレた。目をやるとそこには息をきらした新の姿があった。
「彼女はオレのツレです。汚い手でさわるのはやめてくれませんか?」
新はそう言うと男性2人組をら睨んだ。その睨みに2人組は怯み、「い、行こうぜ。」と言って去って行った。
「ごめん!桜ちゃん!オレが遅刻したばっかりに怖い思いさせてしまって...!」
「いえ!大丈夫ですよ?新君、助けてくれたじゃないですか。...王子様みたいでかっこよかったですよ?ありがとうございました。」
若葉が笑みを浮かべそう言うと、新は照れくさそうに「ありがとう」と言った。
「...桜ちゃんそのワンピース似合ってるね。凄く可愛い。」
「!あ、ありがとうございます...。友達とショップのお姉さんにデートだからと色々とえらんでもらって...。」
「...それって、オレのためって調子に乗っていいヤツ?」
「は、ハイ...。」
若葉と新は2人して顔を赤らめて固まり、沈黙してしまった。それもほんの数秒で、新はハッとすると若葉に声をかけた。
「す、水族館開いちゃってるね!行こうか!」
「そ、そうですね!行きましょう!」
新はそう言うと若葉の手を握ってきた。若葉はそれにビックリすると、新は「デートだから手、繋がせて?」といたずらっ子のような笑みで言ってきた。若葉は心の中で「ズルすぎるだろ」と言い新の手を握り返した。




