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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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episode16

平日の学校生活をやりこなし、いよいよ決戦の土曜日となった。若葉は8時にセットしたアラームより前に目を覚まし、アラームを解除すると、洗面所へ行き歯磨きと洗顔を済ませリビングへ行く。すると丁度よく朝食の準備を終えた母とソファで新聞を読む父に「おはよう。」と声をかける。


「おはよう、若葉。よく眠れた?」

「母さんから聞いたぞ?新君とデートだって?」

「...母さん...」

「あら。いいじゃない。お父さんもあなたと新君のこと気にかけていたのよ?」


そんな話をしながら家族団欒で朝食をとる。半熟卵の目玉焼きに箸を入れ、黄身がトロリと崩れる。白身でその黄身を絡め取りながら口へと運び次いでトーストをサクリと食べる。この朝食をとるのが毎朝の至福のひとときである。それから牛乳を一気に飲み干すと「ご馳走様」と言い食器を流しへと持っていく。


「洗うのはお母さんがやっておくから、若葉は仕度をしてきちゃいなさい。初デートは待ち合わせよりも早く行くのがいいのよ?」

「そうだぞ?遅刻なんて以ての外だからな。」

「わかった、わかったから。」


若葉は自室へと戻り、まずはメイクへと取り掛かる。市川さんと増田さんからUVカットもする下地を強く勧められたためそれを顔全体に塗っていく。なんでも、この時期でも紫外線は大敵とのことで。そして地肌に近い色のファンデーションを塗り、淡い色のピンクのアイシャドウを塗る。そして控えめにアイラインを引き、ビューラーで上げたまつ毛にマスカラを塗る。チークで頬に血色を持たせた後は最後にリップグロスを塗り完成。練習したお陰もあり、満足のいく出来上がりとなった。そして部屋着からこの間、今日のために買った水色の花柄ワンピースへと着替えロングヘアのウィッグを被る。一通りの仕度を終え持ち物を準備すると時計を見る。時刻は9時15分。今から家を出れば十分待ち合わせ時間には間に合う。家を出る前に、母に出来上がりを見てもらうためにリビングへと向かう。


「か、かあ...」

「あら、若葉もう行くの...!!あらあら、まぁまぁ!可愛いわよ若葉!見てお父さん!若葉ったら本っ当に女の子みたいでしょ!」

「...本当に若葉なのか...?我が息子ながら信じられん...」

「...変なところない...かな...?」


若葉はチークの乗った頬を更に紅潮させ両親に問いかけると、母は力強く、父は呆然としながら「大丈夫」と応えた。


「どこからどう見ても立派なレディよ。いい?若葉。自信を持って、シャンと行きなさい。それだけでも何倍も女の子は輝かれるんだから。」

「うん。わかったよ母さん。...父さん?」

「...あぁ、すまない...。若い頃の母さんそっくりでな...。」

「もう!お父さんってば!」


そんなやり取りをしていると9時20分を少し過ぎた所だったので「もう行かなきゃ」と玄関へと向かう。そして「行ってきます!」と言うと、「ナンパには気をつけて!」と返事が返ってきた。

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