episode12
もんもんとした日曜日と代休である月曜日を過ごし、登校日の火曜日を迎えた。若葉は「おはよう」とクラスメイト達に声をかけると、学園祭で衣装、メイク係としてお世話になった女子生徒の所へと行く。
「おはよう。...あの、今ちょっといいかな?」
「おはよう、佐倉君!全然大丈夫だよー。なになに?」
若葉は意を決して、新とのデートの事を話した。
「ーと言うわけで、今週の土曜にまた"桜ちゃん"にならなきゃいけなくて...。服とかウィッグとかメイクとか相談しに来た次第です...ハイ...。」
「キャー!佐倉君やるぅ!流石"桜ちゃん"ね!そういう事なら任せて!私達がまた可愛くしてあ・げ・る♡」
「でも学園祭でもそうだったけど、"桜ちゃん"、そんなにメイクしてないから服とメイクだけでも変われるよ?」
「...念には念を...」
若葉がそう言うと、女子生徒は「わかったわかった」と言い「んー」と少し考えた。
「そしたら今日の放課後時間ある?一通り揃えに行かない?」
「わかった。大丈夫。ごめんね、面倒かけて。」
「全然!逆に腕がなるわぁ!」
若葉はホッと一息つくと「じゃあ、放課後よろしくお願いします。」と言い自分の席に着いた。するとススッとクラス委員長が若葉の元へと現れ、無言でニンマリしている。
「...委員長、なに?ニヤニヤして怖いよ?」
「別にィ?無事連絡したんだーって思って?それで?"桜ちゃん"でデートするんだ?」
「...うん。」
「行き先は?」
「水族館だよ。」
若葉がそう応えると、クラス委員長は「水族館かぁ。」と言った。
「ここら辺なら一番人気のデートスポットだね。幼馴染みさん、結構ヤリ手?」
「...どーだろ。中学の時は彼女いたって聞かなかったし、高校は男子校だし...。」
「もしかして、海里男子なんだ?」
「うん。そう。」
「海里男子かぁ」とクラス委員長が呟くと少し考えてみせた。
「委員長?どうかした?」
「...いや、海里男子って言うと、結構他校の女子と合コンやるって聞くからさ...。佐倉君?大丈夫?」
クラス委員長の言葉を聞き、若葉はショックを受けて呆然としてしまった。新にとって、自分が一番ではないのだと言われたような気になって。




