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ひみつのお姫さま  作者: 朱音小夏


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episode11

打ち上げも終わり、若葉は家に帰ると自室へと向かう。そして机にカバンを置くと中から新から渡されたケー番の書かれた紙ナプキンを取り出す。それを手にしながらベッドへとダイブすると、電話をかけようか、かけまいか葛藤する。しばらくそうしていたが、「えぇい、ままよ!」とスマホを取りだし番号をタップする。そして、勢いに身を任せ発信ボタンを押す。少しの間コール音が流れた後、プッと音が止み、「もしもし」と新の声が聞こえてくる。


「も、もしもし!桜です!」


緊張も相まって、思わず声が上擦ってしまった。電話口から「ふふっ」と新の笑い声が聞こえ、若葉は顔が赤くなるのを感じた。


「もしもし桜ちゃん?電話ありがとう。そう言えば名乗ってなかったね。オレ、巴 新って言います。よろしくね。」

「よ、よろしくお願いします。」


若葉は耳元から聞こえてくる新の懐かしい声にドキドキして、意味もなくベッドの上で正座をしてしまう。


「あれからナンパとか大丈夫だった?」

「は、い。客引きも別のクラスメイトに代わってもらって、それからずっと教室で接客してたので...」

「...それでもナンパされそうだけど...」

「え?」


新の返答が小さくボソリとしたもので聞き取りにくかったため、若葉は聞き返すが「なんでもないよ」と言われてしまった。


「それはそうと、デート。考えてくれた?」

「あ、ハイ。それで巴さんのお礼になるなら...」

「新でいいよ。巴なんて呼ばれ慣れてないから(笑)」

「じゃ、じゃあ新君で...」

「うん。」


若葉が"新君"と呼ぶと、新は嬉しそうな声を出した。


「桜ちゃんはどこか行きたい所とかある?」


新がそう聞いてきたので少し考えたが、これは新に対するお礼のデートなので、新の要望を聞こうと思い立った。


「新君へのお礼のデートなので、新君の行きたい所がいいです。」

「...オレの行きたい所?」

「はい。」


新は「オレの行きたい所かぁ」と言いながら考えると、「それじゃあ」と応えてくれた。


「水族館とかどうかな?」

「水族館...ですか?」

「うん。」


水族館は若葉と新が子供の頃に家族ぐるみでよく行った場所である。まさかそこをリクエストされるとは思わなかった。


「ダメだったかな...?」

「い、いえ!水族館好きです。久しぶりですけど。」

「ハハッ。オレも。子供の頃行って以来。」

「...そうなんですか?」

「うん。オレにとって大事な場所だからさ。軽々しい気持ちで行きたくないんだ。」


新の「大事な場所」発言に若葉はドキリとした。...新に忘れられていない事に心が踊る気持ちになった。


「それじゃあ、行き先は水族館で。駅前に10時の待ち合わせでも大丈夫?」

「はい。大丈夫です。」

「良かった。それじゃあ来週の土曜、よろしくね。」

「よろしくお願いします。」


そうして新との通話を終えると、若葉は枕に顔を埋めた。久しぶりに新と2人きりで遊ぶ。...それがとてつもなく楽しみで。でも、新に会うのは"若葉"ではなく"桜ちゃん"で...少し複雑な気持ちではあるが、当日は新に楽しんでもらうんだ。と気合いを入れ、火曜になったらクラスの女子にメイクと服を相談しようと思うのであった。

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