101話 現世大戦争①
あれから数日、てっきりすぐ来るのかと思っていたけれど、獣柱さんたちもくーたんたちも来なかった。ただある夫婦が訪れたときは、正直驚いちゃったけど、あの夫婦が想兄の本当のご両親なんだと理解した。
楓さんと何かを話した後、帰られてしまい、もうすぐなんだと空を見上げる。これから起きることはこっちにも影響が出ると、奏介くんが言ってたな。大きな災害がくると私たちは知っていたとしても、警察が動いてくれないのはわかってる。だからできるだけ、被害は少なめに終わらせないかなと、見ていたら、爽が隣に来て、爽も空を見上げる。
「心配?」
「うん。想兄たちが来てくれるのは嬉しい。ただね、これから起きようとしていることを止められないかなって思って。この数年、災害は少なくても大きいことは起きなかった。これから起きようとしている災害は、黄泉の世界の影響。なんで争いをしなくちゃならないんだろう」
爽にぶつけたら、軽い拳骨をもらい、痛いと思いながらも、爽はあることを言った。
「そんなの俺たちは元々知らずに、生活してたんだぜ。今更怯えてどうすんだよ。覚悟を持って、ここにいるんだろ。ならさ、芽森は俺たちや想心たちのこと信じてればいいよ」
「そうだね。ごめん、弱気になってた。私もできる限りのことはしたい。それに雫ちゃんも覚醒して、獣柱さんたちといるみたい。だからもう時期、辰弥くんたちが来てもおかしくはないと思う」
だなと爽が言っていて、そろそろ戻ろうって言おうとした時だった。奏介くんが走って来て、来たよと言われたから私と爽はできるだけ時間を稼ぐため、身を隠すことにした。
◆
いよいよ始まる少し緊張感がありながらも、準備運動をしていた。それぞれ配置にはついているらしく、俺とみけ太、ディーグはまだ、隠れ家にいる。母さんからの合図が来たら、俺たちは思穏が住んでいた実家へと行くことになってた。
セブラとみよりさんはこっちに残って、邪人が現れたら獄の世界にいる人たちは天の世界へと行って、大暴れをするらしい。今回はセブラが作っておいた萩のブレスレットを獄の世界にいる人たちはつけているから、邪人に体を奪われなくて済む。
狙いは芽森だから、現世で戦争を起こすことになるから、すでに手汗が酷かった。ハンカチで拭き取り、緊張してんのかとディーグに肩を組まれる。
「ディーグは緊張しないのかよ」
「緊張してる。現世にいる人たちに危害がでるのは避けたいからな。かと言っておそらくこれから多くの命が落ちるのは確実だと思え」
「兄貴、脅すようなことはしないであげろよ。想心が余計に緊張しちゃうじゃん」
「冗談だよ。そうならないために、多くの防衛魔導士がすでに行ってんだからな」
防衛魔導士、防衛魔導士は獄の世界と天の世界にいる防衛魔導士であり、現世で戦争を行う場合は、防衛魔導士によって現世は守られ、好きに魔法を使用していいとされている。ただし、現世にいる者たちを殺めようとする行為が見受けられた場合、即退場命令が出され、すぐ無魂とされ現世に送られるそうだ。
だから少しは安心はあるものの、胸は落ち着いてはくれはしない。芽森を守り切るとしても一番厄介なのは、現世にいる辰弥だ。
カステクラインとデステクラインが同時にくるくる回りだし、合図だと俺たちは現世へと行く。到着したらすでに戦争は起きていて、あちこちとぶつかり合う光が見える。
みんな無事でいてくれと思いながら、思穏の家へと入る前、玄関の扉がすでに壊されていた。
遅かったかと走っていたら、芽森ちゃんはどこだと辰弥の叫び声がする。芽森はいまここにいないのかと思っていると、目の前で誰かが吹き飛んできた。
「相変わらず手加減なしかよ、藍雅!」
「伊雪、大丈夫か?」
「平気。早く行って。ここはうちが止めておく。それから約束通り、テンファに沙緒りんの魂返したよ。今頃、あっちで一緒に戦ってくれてると思う」
「ありがとう、伊雪。気をつけて」
あんたたちもねと言われながら、伊雪は足止めをしに行き、そのまま先へと進んだ。秋彦さんの力で誰がどこにいるのか把握できたとしても、芽森だけどこにいるのかわからないと言ってた。
なぜかはわからないが、俺はきっと爽と一緒にいるかもしれませんと伝え、場所はある程度把握している。
そこにいればいいけどいなかったら、龍桜神社に連れて行かれたと思っていい。てっきり思穏の両親がいるんじゃないのかと思っていたが、留守のようだ。
確かこの辺だよなと周囲を見渡していると、近くで爆発が起きる。そっちへ行ってみると、そこには五龍を従えている辰弥の父さんであり、そして風龍を出している爽がいた。だがそこには芽森がいない。
「おや、久しぶりだね、想心くん」
「おじさん…」
「芽森の兄貴。芽森は隠したから安全だと思うけど、時間稼ぎにしかならないと思う。これを渡すよう、想心の兄貴に言われた!」
投げられキャッチできるのかと普通にやってみたらキャッチできた。
「ここは俺に任せてください!芽森を頼みます!」
ありがとなと受け取ったものを頼りに行こうとしたら、邪魔が入る。そこには白装束を着た人が立っていた。するとディーグが前に立つ。
「想心、すぐ行け!想心なら芽森ちゃんのもとへ行ける!みけ太、想心の援護頼むな」
任せろとみけ太はディーグに言い、俺たちはディーグを置いて芽森がいる場所へと向かう。あちこちから俺に向かって攻撃が来ようとも、みんなが止めてくれており、想心行けという声が響き渡る。
絶対に芽森のところへ行ってみせると誓いながら、みけ太と一緒に向かった。
◆
さっきはあんな感じでやられたけど、藍雅はうちにとってもう一人の友達だった。まさか藍雅が獣柱だと気づいたのは、想心が天の世界に来る前日。嘘であってほしかった。藍雅がずっと無口でいるわけは、何か理由があって喋れなくなってる。
藍雅は幼馴染でいつも明るくて困ってる人を助けたり、動物を救ってあげてたりしていた子だった。将来は獣医か医者目指したいなって言ってたのに、藍雅は十五歳の時、不慮の事故で亡くなった。
原因は藍雅が動物を助けてる時に、居眠り運転をしていた運転手に引かれ、即死だったらしい。葬式に行った時、藍雅の両親は絶望な顔をしてた。
なぜ藍雅は亡くなってしまったの。どうして動物を助けていたのに、事故が起きてしまったのと、常にうちの心は支配されてた。神様なんでと何度も神社に行って、訴えていたのを思い出すよ。
こっちでも明るく振る舞っているのだと思ってたけど、うちが知っている藍雅じゃない。一体何が起きたら、そんな目でうちを見てくるの。
「藍雅、黙ってないでなんとか言ってよ!うちら親友じゃんか。なんで再会した時、あんな態度をとったの?なんでうちを避け続けたの?どうしてよ!デステクライン!闇、オオヤマネコの威嚇!」
オオヤマネコが現れて、藍雅に向かって威嚇するも、藍雅と一緒にいる白い狼も威嚇した。藍雅はずっとうちを見ていて、お願いだからと思っていたら、藍雅が目を見開く。
後ろを振り向くとそこには沙緒りんがいて、てっきりテンファと一緒にいるのかと思った。
「来てみたらなに藍雅を困らせてるのよ。本当に、呆れちゃう」
「テンファに返さなくてよかった?」
「返して正解。じゃなきゃあたしはずっと藍雅に言えなかったことがあったから。藍雅が亡くなった日、あたしね、藍雅の一部をもらって生活をしてたの。31までしか生きられなかったけど、藍雅がずっとそばにいてくれたから最後まで楽しく過ごせた。ありがとう」
沙緒りんは頭を下げて、そう言えば沙緒りん、一時期入院していた時期があったんだっけ。まさか繋がりがあっただなんて思ってもみなかった。
藍雅は白い狼に触れて、恥ずかしそうに白い狼の後ろに隠れる。
だけど藍雅が喋れない理由はそこじゃなくないと、近くに寄ろうとしたら、白い狼が唸り出す。こっちも唸りたいぐらいだよとイライラしていたら、藍雅が立ち上がって何かを聞き分けているような感じだった。そしたら聞こえた方角へと行ってしまい、待ってよと藍雅を追いかける。
沙緒りんも遅れを取らずに藍雅が向かった方角へ行ってみたら、なにこれと唖然としてしまった。
細くて黒い光があちこちへとあり、まずいと思った瞬間に大きな地震が起きる。うちらは現世の人間じゃないから、怪我とかはなくても、現世にいる人たちが無事か一瞬不安になった。
立ち止まっていたら藍雅は口笛を吹いて、白い狼たちが救助へと向かい始める。これは余震だとしたら、それより大きな地震が来る。避難したとしてもそこにも影響がでたらと考えてしまった。
「沙緒りん、藍雅の邪魔するよう言われてるけど、うち無理だ。これをみたら、うち」
「わかってる。あたしもこれを見たらさすがにね。きっとこれが始まりの合図なんだよ。あたし、ずっと見てたから」
「さすがに他人の魂を持ち歩くのはあまりよくないって言われてたけど、沙緒りんはやっぱり沙緒りんだ。藍雅、手伝ってあげるから、全て終えたらちゃんと話しなさいよ。じゃなきゃ」
「…わかった。ただ獣柱は」
痛いと言われながらもうちは軽く拳骨しといた。獣柱は避けられない運命を持っているのはわかってんだよ。それを覆してあげるために、うちらは長年と準備をしてきた。
絶対に藍雅や他の獣柱の魂を奪わせないんだからと、うちと沙緒りんは被害が大きい場所へ行って、手助けをすることに。
◆
本当に変わってなかったなと伊雪と沙緒の顔を見て、本当は喋るつもりもさらさらなかった。なぜなら私はもうすぐいなくなる存在。龍宮に入れば獣柱はその境界線を護るための柱となるから。
だから無口のままなにも喋らず、過ごせば楽でいいと思えてた。指示に従って、なにも考えず過ごしていたかったよ。それなのに任務を果たすたびに、伊雪が現れて最悪だった。それに沙緒の魂を奪ったって聞かされた時、なんでよと思ったよ。
そしたら案の定、沙緒はシロノ団に必要な人材だったから、伊雪はそれを知って、沙緒の魂を守り続けていたんだよね。悪者になってまで、やる必要なかったのに。
狼が私の足にすりすりしてくるから頭を撫でてあげる。芽森ちゃんは無事、想心と会えたのかはわからない。私たちがやることは、芽森ちゃんが逃げ切ること。たとえ龍桜家を裏切ったとしても、これ以上犠牲を生み出したくはない。
このまま想心と逃げ切ってほしいなと思っていると、冰春くんが現れる。珍しい、てっきり想心を追いかけに行ったのかと思った。
「藍雅さん、一つ聞いてもいいかな。狼柱としての役目はなに?」
「芽森ちゃんを護ること」
「そんな意味で獣柱をやっていただなんて、失望だよ。以前の狼柱は藍雅さんより凄かったよ。邪魔者は全員殺してくれてたんだから。その役目、果たしてもらわないと龍桜家からのちに酷いことされるよ。たとえば、藍雅さんのご両親がどうなるか考えたことはなかった?」
「私はそんなことしたくはない。尊い命を護る。それが私の使命だ。冰春くん、さっきからどうしたの?いつもと違うような…」
いつもの僕だよと一瞬でなにが起きたのかさっぱりだった。刺されたショックで倒れそうなところ、狼が支えてくれる。カステクラインは無事だとしても、傷が塞がらない。
その光景を見た伊雪と沙緒であり、伊雪だめと思っていても、伊雪は萩のブレスレットが千切れ、そして伊雪が邪人となってしまった。早く、早く伊雪を助けなくちゃと思っていても、体が言うこと聞かない。
「一人目の邪人ゲット。邪人、そこらじゅうにいる魂を狩れ」
冰春くんの命令により、伊雪が動いて沙緒が危ないと体が動いた。冰春くんに一体なにが起きているのと思っていても、刺された場所は急所。長くは持たないと感じた時だった。
「カステクライン!植物、向日葵の日光!」
辺り一面が向日葵の花が咲き、傷が癒えていきながら、伊雪に攻撃をし、伊雪は冰春くんの近くへと逃げていく。誰が私を助けたのと思ったら、優くんに似ている子が大丈夫ですかと来てくれた。
「テンファ、なんでここに?」
「湘西さんをまた失うのが怖かったので、ついてきたんです。それにアンジさん、どういうことですか!アンジさんがいないから、何かあったんじゃないかって思ってきたら」
「テンファくん、やだなあ。僕はなにもしてないよ。今さっき来たばかり。そうだよね、藍雅さん」
言葉を間違えれば、おそらく私も沙緒も、沙緒の弟子であるテンファもやられる。ここでなにもないと言えば助かるのか、それとも伊雪に殺されるかもしれない。
いつも通りの無口だからなにも言えないかと言われ、私はついあの姿となってしまう。
「その姿は芽森ちゃんにしか見せられない姿を見せるだなんて、後で李好さんに怒られるよ」
「ふざけないで。伊雪を返して!元々伊雪が邪人になることを知ってた!なのになんで私に教えてくれなかったの!」
「言ったって、獣柱は全員死ぬ。ならさ仲が良かった人たちを邪人に変えてあげれば、喜ぶかなって」
「想心さんがここにいたから、想心さんがどんな想いを持つと思う?」
テンファに言われ、冰春はそうだなとカステクラインを起動させている。李好に伝えに行きたいけど、李好も邪魔が入ってるだろうから、連絡が難しい。
かといって鈴飛を呼ぶにしても、鳩は全て殺されてた。つまり連絡が取れないようにさっき起きたことなんだと思う。冰春が邪神と繋がっていたと知れ渡ったら、冰春は封印…それとも無魂にするよう命じられるかもしれない。
テンファが質問した問いに、冰春はこう言った。
「喜ぶと思うな。それに僕は想心が来たときから、決めてた。想心の魂は僕が食べようって。そうすれば一人にならないし」
「小生は、想心さんが悲しむと思いますよ。今までの思い出は全て嘘だったんですか!」
テンファの心が悲しみに満ちているのを感じたとしても、テンファは冰春の異変に気づいてくれているから、邪人に呑み込まれるうことはない。沙緒もテンファと同じだ。
「想心が近づいてるから、僕はここから離れるね」
待ってと言いたくても、邪人になってしまった伊雪を残して行かれてしまう。邪人になってしまった伊雪は、咆哮して私たちに襲いかかった。
伊雪お願い、戻ってとカステクラインを起動させる。
「カステクライン!光、狼の遠吠え!」
隣にいる狼が遠吠えをし、複数の狼を出して攻撃を与えた。沙緒もテンファもそれぞれの力で、カステクラインを起動させ、伊雪に挑んでいたら、傷口が開く。せっかく癒してくれたのに、なんでと私は倒れそうなところ、想心ともう一人の子が来た。
状況を把握したのか傷口に想心の手が乗って、痛みがあるも、見ていたら萩の花が一面と咲く。
ふうっと一息を出す想心であって、痛みが消え傷口も完全に消えた。
「えっと、藍雅さんでしたっけ。すみません、うちの冰春がなにかしたんですよね?」
「想心」
「テンファに湘西さんまで。えってことはあの邪人、伊雪か」
「驚かないの?」
まあと言われてしまい、なんて呑気なんだと思っていると、みけ太と想心が呼び、みけ太からあるものを私たちに託す。
「これセブラからのプレゼント。なんか首にかければ平気って言ってたから試してみて。俺、急いでるから、テンファ、ここ任せた」
「もちろん。気をつけて」
そっちもなと想心は行ってしまわれ、これを伊雪にかければ、伊雪は助かるのかと三つもらったから、一つずつ渡し、試すことに。
私と沙緒に集中している間に、テンファが試してみるも、匂いがあるせいか避けられ、テンファが持っていた萩の首かけが枯れてしまう。
「カステクライン!拘束、天使の羽根!」
天使の羽根で拘束し、沙緒がかけようとするも、すぐ解かれてしまい、沙緒が吹き飛ぶ。後残りは一つと私が持っているせいなのか、私には攻撃してこない。やはり萩の花が邪人の弱点。確か植物魔法にも萩魔法があったはず。
「テンファ!植物魔法の萩魔法わかる?」
「やってみます!」
テンファに萩の首かけを渡し、テンファが狙われにくくなって、私に攻撃をしてくる。途中で、伊雪の馬鹿と叫びながら、二人揃って同時に言った。
「カステクライン!植物、萩の思案!」
すると邪人になった伊雪が頭を抱え始め、この魔法は深く思いをめぐらせ、混乱させる魔法だ。そのすきに私はもう一度、拘束魔法を唱え、テンファが邪人になった伊雪に萩の首かけをした瞬間、伊雪が元に戻った。
よかったと安心している場合じゃなく、伊雪の体を奪おうとしていた邪人がまだ残っている。
「二人とも、ありがとう。後は私がやるから伊雪のそばにいてほしい」
「だけど」
「私は狼柱に選ばれた者。役目を果たさせて」
沙緒はなにも言えず、三人が当たらないように結界を張った。そして邪人が一直線に向かってきて、カステクラインを起動させる。
「カステクライン!狼、月光の光!」
まだ昼間だというのに、満月が現れ相棒の狼が遠吠えをすると、相棒は大きな狼となって邪人に攻撃を与えると、大きな光が現れた。しかしまだ倒れるような感じではなく、ならと再びカステクラインを起動させる。
「カステクライン!狼、月夜の刃!」
月夜に照らす光が矢となって、その矢を相棒の狼が咥えて投げ飛ばす。それを繰り返していたら、伊雪が私も入れてと言っていた。入れさせられないとやっていたら、沙緒が叫んでいる。
後ろを振り向くと伊雪が血を吐いていて、邪人に当てた跡が、伊雪の体にあった。
今まで邪人はすぐ排除しなければならないから、倒す必要があったのに、これはどういうことなの。テンファが後ろと叫んでいて、しまったと攻撃を受けることに。
とにかく結界から出るしかない。そう思ったときだった。
「なにやってんの?」
「夏海、帰ったんじゃないの?」
「帰るわけないよ。それにファウと話して、こっちに来た。今の邪人は乗り移った人と共鳴しあってる状態。つまり直接当てるのではなく、糸をきればいいんだよ。見せるから、お願い」
夏海が龍ノ姫の力を利用して、私に見せてくれる。あちこちに絡まっている糸。そして伊雪に繋がってる部分。伊雪にある糸と邪人の糸を同時に切らないと駄目みたい。
「沙緒、伊雪のほうを!」
なんとか邪人に近づいて、テンファが今ですと叫び糸を切った。すると淡い光が空へと行き、邪人が消えていく。これでいいんだよねと思っていたところ、伊雪、返事をしてと沙緒が叫んでいて、まさか失敗だったのと近くへとよる。
そんなと夏海も動揺が隠せないでいて、まだちゃんと話せてないのにと、伊雪の頬に触れたら、少しは静かにしてよと言われ、もうと沙緒が伊雪をハグするから、私も混ぜてもらう。
「これでひとまず、あんしっ」
やばい、侵入されたと私は即座に伊雪たちから離れた。光が強ければ闇も生まれる。冰春くんの目的は獣柱だ。
「伊雪!沙緒!テンファっ夏海!獣柱のみんなに伝えて!冰春の狙いは獣柱だってことを!」
四人が私を叫んでいて、負けるものかと思っていても体がどんどん侵食されていく。私の相棒もだんだんと黒くなって、私は獣柱一人目の邪人になってしまった。




