48.卵を下さい。
レストを茂みに連れて行って龍の姿になってもらいみんなのもとに戻る。
「レストちゃん大きいね。」
「ま、まあまあじゃない?でも私の狼の姿の方が毛の艶も神々しさも上だけどね!」
なんで張り合ってんだ?そもそも龍と狼って全然違うだろ?ベースが違うから比較にならないと思うんだけど…。そして幼女と張り合う俺の嫁さん(18歳)。カッコ悪い…。
「おねぇちゃん…。」
ほらー。妹さんが残念なものを見る目をしてるよ?だから私の方が美しいとか言わないの!
「パパ達早く乗ってー!」
促されるままレストの背に乗る。レストの白い鱗はツヤツヤしていて光が反射して輝いていて綺麗だった。
「じゃあ飛ぶよー。」
レストは翼を大きく広げて羽ばたき上に飛び上がった。高度をある程度まで高くするとそこから滑空する様に前に進み始めた。
うわぁ!高ぁあ!落ちたら終わりだな。宝物庫持ってなかったらこんな移動方法は取れなかったんじゃないか?
俺の宝物庫の中に全員の荷物が入っているために、誰も手荷物を持っていなかったことを今更ながらに良かったと思った。
飛び始めてから暫くして日が暮れてきたので、レストに下に降りて貰った。
「今日一日でどれくらい進んだか分かる?」
「多分馬車で四日かかるところを一日で来たと思うよ?この調子だとあと三日くらいで着きそうだよ。頑張ってねレストちゃん。」
「うん!お姉ちゃんとかパパとかママとかのために頑張る!」
俺たちはいつも通りの野宿道具を取り出して設営を始める。
「あ、そうだ。レストは一人で寝れるか?なんだったら俺とかエナと…はお互いに嫌がりそうだな…。ママと一緒に寝ても良いんだよ?」
「パパと一緒に寝る!」
そのレストの宣言を聞いたエナは、
「ダメ!ご主人様と寝るのだけはダメ!アディ君と一緒に寝たら良いじゃない!」
「ママでもいいけどパパがいいの!」
「アディ君で良いならアディ君と寝れば良いでしょ!?」
「じゃあ三人で寝る!」
「ーー〜ッ!!だからっ!…」
「レストはまだ小さいんだから俺が一緒に寝てあげるから。それでいいと思うんだけど。」
「ダメなんだってご主人様!私は…」
「エナ。」
「ッ!勝手にすれば!?」
エナは自分の意見が全く通らないからか、怒ってどっかに行ってしまった。
エナは本当にどうしたんだ?こんな小さな子にムキになるなんて…自分から他人に喰って掛かるのもエナらしくない。
「おねぇちゃんはレタに任せて?だからお兄ちゃんとアディくんはいつも通りお料理お願いね?」
「ごめんなレタ。エナを任せたよ。」
「本当に面倒なおねぇちゃんだよね。しっかり言い聞かせて連れて帰るから任せてね。」
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アディと夕飯の支度をすませてエナとレタを待つ。
「レタちゃんとエナ姉さん遅いね。」
「何してるんだかな。エナが駄々捏ねているだけな気がするけどな。アディはエナがあんなに他人に敵意を人に見えるように振りまくの見たことある?」
「僕も長い間一緒に居たわけじゃないから詳しくは分からないけど初めて見たよ。エナ姉さんは嫌いな人は見ないようにするタイプだからね。」
「レストが白い龍なのも何か関係があるのかもな。」
「そうだね。」
その会話を最後に二人の会話は止まってしまった。
日中に俺たちを運びながら長い時間飛んで疲れたであろうレストは、アディの膝の上で寝息を立てている。
アディはその寝ているレストの頭を優しく撫でている。
「なんか本当に母親みたいだな。」
「じゃあ僕の旦那様は兄さんでしょ?」
「アディは母親でいいのか?ずっとお姫様に憧れ続けていたんだろ?」
「うん。でもなんかこういうのも良いなぁって思ってる。レストみたいな子供と兄さんみたいな旦那様が居たらそれはそれで素敵だと思うよ。」
「そっか。」
また会話が途切れるが今度はアディが口を開いた。
「僕は兄さんのことが好きだ。」
「あぁ。クアイスさんから聞いてたよ。」
「父様が余計なことを言ってたんだね…。でもやっぱり僕の口から直接言いたいな……僕は兄さんと一緒に居たい。それがどんな形でも。」
「……正直アディのことは好きだ。でもすぐには俺の中で答えは出せない。エナも居るしな。」
「…。」
「だから。これを渡しておくよ。」
俺はそう言ってアディに指輪を渡した。
「キープみたいな感じでいい気はしないと思う。それでも俺はアディも幸せにしてやりたいと思ってるのも確かなんだ。だからエナのことを説得して俺の気持ちの整理がついたときに、まだアディが俺のことが好きならそのときは俺の二人目の嫁になってくれるか?」
「兄さんは本当にずるい人だよ…。そして最低だよ。でもその形を望んだのは僕だからね。待ってるよ兄さん。」
「心配するな。俺も殆ど答えはでてるんだ。すぐにエナを説得してアディもお嫁さんにしてやるよ!」
「ふふっ。エナ姉さんは手強そうだね。でも早くしないと兄さんを嫌いになるかもね?」
そんなことを話しながら待つこと半刻。レタがエナを引き連れて戻ってきた。
「おねぇちゃんを連れてきたよ。」
「ありがとうレタ。じゃあもう冷めてきてるから早く食べよう。」
レストを起こし五人で夕飯を囲んだ。エナとレストが若干喧嘩になることがあったが、エナの方が自制してそんなに大きな喧嘩にはならなかった。
「明日もレストに頑張って貰わないといけないからか早く寝かせてあげなよ兄さん。」
「あぁ、そうだな。じゃあ先に休ませて貰うよ。最後に見張りをやるからそのときに起こしてくれ。」
「パパは一緒に寝ないの?」
「ずっとは無理だな。ママ達も休まなきゃ行けないからな。」
「…うん。分かった。」
「ありがとなレスト。」
レストを連れてテントに入る。寝ようと思っていたがレストから話しかけられた。
「パパ?あのときのお願いを聞いて欲しいな?」
あぁ、グローレス領を出発前のお願いのことか。
「どんなお願いなんだい?」
「あのね?私、卵が欲しいの!」
?。そのくらい良いけど?何に使うんだろう?
俺はそう思いながらも宝物庫から卵を取り出してレストに手渡した。
「これじゃないの。」
「?。ごめんな。これ以外の卵は無いんだ。次の街で買ってあげるからそれまで我慢してくれよ?」
「違うの!私は…パパとの卵が欲しいの!」
なんでこの世界の小さい子はどうしてすぐに爆弾を投下したがるのだろう。そんなに爆発させても芸術にはならないよ?
遅れてすみませんでした。明日は投稿を一回にして一作目と二作目を一回ずつ投稿します。
一作目を午前、二作目を午後に投稿予定です。ご了承ください。




