46.アディがママになるんだよ!
今何と仰いました?パパ?その大きな身体で潰しているひき肉のこと?
「どうしたのパパ?」
俺の方を見て言ってる…。これは所謂刷り込みってやつか。なら俺がパパでもしょうがないね?
「ほーら。パパだよー?」
「パパー!」
そう言って白い龍は俺にのしかかろうとする。俺はまだ動かないアディを宝物庫から出した鎖で持ち上げて逃げる。
「パパ待って。」
いや!死んじゃうって!パパにおぶさったら中身出ちゃうよ?
「す、ストップ!そんな大きい身体で飛びついたらパパがあれと同じになっちゃうよ!」
俺は白い龍がさっき踏みつぶしたミノタウロスを指差す。
「?。あれなぁに?」
「あれは君が踏みつぶしたんだよ?その大きさで飛びつかれたらパパもああなっちゃうかも。」
「いや!ぐちょぐちょのパパはいや!」
分かってくれて何よりだ。
「でもパパにくっ付いていたい!」
そう言って白い龍は青白い光を身体から迸らせ辺りを光で包む。
ま、眩しいっ!でも、この光は何処かで…。
光が納まるとそこには、白い色を基調にほんのり赤い色が混じった髪の色をしている全裸の六歳くらいの幼女が立っていた。
「これで良いよね!パパ!」
そう言って白い龍の子は俺に飛びついて来る。
ま、待ってくれ!これはこれで別な問題が!
「お兄様?その子は何処で拐ってきたんですか?」
「あ、アディ。違うんだ俺にそんな趣味はない!」
「ふーん?」
もの凄い視線だ!目からビームが出そうなくらい睨んでる!
「パパこの人は?」
「あ、ああ。パパのお嫁さんだよ。」
「じゃあママだ!」
えっ!?なんで!?
そう言って白い龍の子はアディに飛びついた。アディは物凄く困惑した顔をした。
「ど、どうしてママなのかな?」
「だってパパのお嫁さんなんでしょ?」
「じゃあどうしてパパはパパなのかな?」
「?。パパはパパだよ?。」
要領を得ない答えが返ってきてさらに分からなくなってくる。
「この子どうするんですか?」
「取り敢えず連れて帰ろうか。俺から引き剥がしてもまた引っ付いてくるからどうやっても離れようとしないしな。」
俺は宝物庫から羽織れる物を取り出してその子に被せた。
俺の足にしがみ付く白い龍の子を見る。すると笑顔で俺のことを見上げてくる。うん。かわいいし持って帰ろう。
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「で?この子は何?」
まぁそうなりますよねー。
エナは俺の足にしがみ付く白い龍の子を見てから俺を睨みつける。
「いやぁ俺にもよくわかんないから取り敢えず連れて来た。」
「レタ。街の衛兵連れてきて?ここに誘拐犯がいるから。」
待ってくれ!本当にわからないんだ!断じてかわいいから連れてきた訳じゃないぞ!仕方なく連れてきたんだ!
「…ねぇあなた、お名前はなんて言うの?」
「……レスト。」
「…じゃあレスト?お家に帰りましょうね?送ってあげるからお姉ちゃんにお家の場所を教えてごらん?」
「……パパのいるところが私のお家なの。それにパパと離れるのは絶対にいや!」
「…。」
エナは俺の方を少しだけ見てもう一度レストに向き直る。
「パパはね?悪いことをしたからご飯が美味しくないところに行くのよ?それでも一緒に行く?」
「…やだ!じゃあママと居る。」
そう言ってレストはアディのところに行き、アディの足にしがみ付く。
あれぇー?凄いお父さんっ子で嬉しかったのにどうしちゃったのかな?反抗期?早いなー。
「エナ?俺は悪いことしてないよ?だから俺とちゃんと話し合おう?」
「最近レタを見る目がいやらしいと思っていたら、まさか小さい子が大好物だったなんて…。本当サイテーなご主人様ね。」
「だから俺はそんなのじゃないって!俺たちの前に龍の姿で上から降ってきてあんな幼女になったの!」
「じゃあなんでパパって呼ばれてるの?」
「それも知らないんだよ。聞いても要領を得なくて…。」
エナが凄い怪しい人を見る目でこっちを見ている。
「…仮にそうだとしてもあの子をどうするのよ?」
「…連れて行こうかなって思ってる。」
「はぁ!?本当に言ってるの?だって魔獣の姿から人の姿になる様な変な子なのよ!」
鏡って見たことある?
「…それでもなぜか分からないけど連れて行った方がいい気がする。俺からどうやっても離れようとしないしさ様子見って事で。」
「っ!勝手にしたら!」
なんであんなに嫌がっているんだろう。レストと話してたときもなんか違和感あったし。まあでも許可を貰ったし良いよね?
「おねぇちゃんただいま。あ、お兄ちゃんもアディくんも帰ってきてたんだ。」
「エリアーナ君。エレベッタ君を借りて済まなかっ…ん?誰だいその子は?」
「このおじさん誰?」
アディが説明する前にレストがアディに問いかけかる
「僕の父様だよ。」
「ママのパパなの?じゃあ私のおじいちゃんだね!」
そう言ってレストはクアイスさんに笑顔を向けた。その言葉と仕草に衝撃を受けたのかよろよろと俺の方に近寄ってきた。
「コージ君!」
「な、なんでしょう。」
「よくやってくれた。こんなに早く初孫の顔が見れるなんて思ってなかったよ。こんなにかわいい孫をありがとう。」
「は、はぁ。」
「アマンディーナもよく頑張ったね。かわいい女の子じゃないか。おじいちゃんにもっと顔をよく見せておくれ。」
クアイスさんはレストを抱き上げてご満悦の表情だ。
「アディくんいつの間にママになったの?相手は勿論お兄ちゃんだよね?」
「レタちゃん。今から説明するから少し静かにしてて貰ってもいいかな?」
「お兄ちゃんに似てきたねアディ君。ふぅっ、んっっ!二人に責められたらレタは大興奮で死んじゃうかも。」
うちの小さなお姫様は今日も元気です。
「父様、レストは僕が産んだ子ではないです。上から降ってきた龍の子です。」
「そうなのか?…でもかわいいから私の孫でいいよね?それで?レストちゃんは連れて行くのかい?」
「俺はそうしようと思ってます。」
「…なら仕方ないな。孫の成長を楽しみに待っているとするよ。」
クアイスさんは期待した様な顔で聞いてきたが、俺に即座に連れて行くと言われたので悲しそうな顔をした。
「しかしこの子が龍か…。龍が人の姿になるなんて聞いたことがないな。」
「エナに通じる何かを感じたから確証はないけど連れて行って間違いはないと思います。」
「そうだね。大英雄にまつわる大事な存在かも知れないしね。君の判断が正しいと思うよ。」
「ありがとうございます。」
レタに気付いたレストはクアイスさんに降ろしてもらいレタに近寄って行った。
「お姉ちゃん。」
「?。レタのこと?」
「パパの妹なら私のお姉ちゃん!」
「っ!!お兄ちゃん。この子は私が大事に育てるから貰って良い?」
「レタに育てられたら物凄くダメな子が育つので許しません。それにこの子は一時的に様子見のつもりで預かるだけだから。」
「っ!んぅっ!最近お兄ちゃんが、レタに全く遠慮しなくなってきて嬉しい。」
そっかー。お兄ちゃんは最近レタが所構わず遠慮しなくなってきて悲しいよ。
レストちゃんのことを次の話でもうちょっとお話しします。今言えるのはエナさんとレストちゃんはお互いに苦手意識があります。




