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25.七宝

王城に着くと門の前で勿論の如く衛兵に呼び止められる。


「エリアーナ様、エスカレーティア様、エレベッタ様どうしてここにおられるのですか?王城へはもう入れませんよ?」


ティアってエスカレーティアって名前だったんだ、エスカレーティアにエレベッタって昇降機みたいだな。


「ここに蔵の大英雄がおられます。次代の国王の側仕えとして戻って参りました。」


「そうですか。ではお入り下さい。」


え?いいの?普通ならさっきの城下町みたいに復讐に来たとか言われると思ったのに。


「ヴァルディ家の帰りを待っておりました。またお仕えできて光栄です。」


へぇ、結構ヴァルディ家って信用あったんだな。信頼されてる王様だったんだろうなぁ。娘二人がシーフだけど。


衛兵に通してもらい王城の中に入る。確かに王城らしいしっかりした造りだが、煌びやかなイメージは無くどちらかと言えば質素でいてその中に上品さもあるそんなイメージだった。


「コージさんはこの部屋で待っていて下さい。」


「え?俺一人で?こんな場所慣れてないから不安なんだけど…。」


「…そうですね一人で待たせるのも不安ですし…、レタ。コージさんと一緒に待っていて下さい。」


「うん。分かった。」


「じゃあご主人様また後でね?」


「レタにイタズラしちゃダメですよ?」


そう言い残しエナとティアは部屋を後にする。


イタズラしないように注意するのは俺のじゃなくてレタにした方がいいと思います。


「お兄ちゃん二人っきりだね?」


ほらこうなった。やっぱりね。


レタはテーブルを挟んで対面に座っていたのに席から立ち上がって、俺の膝の上に座り直し首に手を回してきた。


ティアさーん。お宅の狼さんが人を食べちゃいそうですよー?首輪付けといて下さーい。


「お兄ちゃんになら首輪付けられても良いよ?そしてそのままレタのことを躾けて?」


この子は本当に大人をからかってくる。そして出来ることなら心の中を読まないで下さい。


「良いんだよ?宝物庫の誓約書で、『俺の都合の良い女になれ』って命令しても。レタは喜んでお兄ちゃんのペットになるよ?」


本当にこの子は……け、けしからん!そんな子はお兄ちゃん許しませんよ!


「…レタ良いかい?前も言ったけどそういうことは大きくなってから好きな人に言ってあげるんだ。良いね?お兄ちゃんとの約束だ。」


「お兄ちゃんとの約束だったから今こんなことをしてるんだよ?レタあのときより大きくなったし、お兄ちゃんのこと好きだよ?」


……なら良いのかな?うん!良い気がすりゅ!


「そっかーじゃあレタ?お兄ちゃんと誓約を結ぼうね?」


「うん!お兄ちゃんがどんな鬼畜な要求してくるか楽しみ!」


「うん?それ喜んでるんだよね?」


「勿論だよ!だから早く書いてよお兄ちゃん!」


そうだよねレタが喜んでるなら良いよね?お互いの同意の上だからOKだよね?


えーと?誓約書の内容はと…、まずはお兄ちゃんと呼ばせて、お兄ちゃんの要求に必ず応えること、そうだ!手も脚も出さないこと、これが一番大事だった!

あれ?でもこれ誓約書を使わなくても良い内容じゃ…、


「人の大事な妹に何を誓約させようとしてんのよ!」


ドゴッッッ!


声と同時に頭に衝撃が走った。今までで一番痛かった。


「ち、違うんだエナこれは…そう!「レタをお兄ちゃんの女にしようと思ってた。」って違う!声を重ねないでくれ!」


「良い度胸じゃない?姉の前で妹にそんな誓約をさせようとしてるって口走るなんて。覚悟は出来てるの?」


「ま、待ってくれ!一旦話し合いを…、


ドゴォォッッッ!!


今までで一番が速攻で更新され、俺の意識は一撃で刈り取られた。話し合いを所望したのに…解せぬ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




意識を取り戻した俺はレタに連れられて別な部屋に移される。そこにはあのおじいさんとエナとティアが座って待っていた。


「おお、コージ君ようやく起きたかの?」


「まぁ、ぐっすり寝れましたよ?」


そう言ってエナを見るが、目が合うなりエナはそっぽを向いた。


「コージさんに剣の大英雄からお話があるそうです。」


「…早速じゃがコージ君、蔵の大英雄の君には七宝の残りを見つけるのを手伝って欲しい。」


「七宝?」


「七宝は君の宝物庫やワシの宝剣のようなもの総称でな、七つの宝物だから七宝と呼ばれておる。」


「どこにあるんですか?」


「検討もついておらんから世界中を探し回ることになるかの。」


レーダーとかないんですか?七つのボール探すときもあったよね?


「でも、ヴァルディの王としてここに居なくて良いんですか?色々と仕事もありますよね?」


「その点は私に任せてください。コージさんはもともとお飾りの王様としてこの国にいてもらうつもりだったので居ても居なくても変わりません。」


そ、それは一番言っちゃいけないことだぞ!仕事でそれを言われたらどんだけ悲しいか知ってるのか!?


「この国は私に任せてコージさんは大英雄として活躍して、箔を付けてからこの国に帰ってきてください。」


「大丈夫だよお兄ちゃん?レタもおねぇちゃんも着いてくから。」


「ワシも独自に探すからそんなに心配はいらんぞ?」


でも確かにここに居てもすること無いだろうし、大英雄として活躍するってのも憧れるなぁ。


「……分かりました。七宝探しの旅に出ようと思います。」


「おお!ありがとうコージ君。頼んだぞ。七宝を見つけたら取り敢えず宝物庫に入れて持っててくれ。」


「心配しないで剣の大英雄、私がご主人様をしっかり守るから。」


その言葉を聞いておじいさんは昔を思い出したのかこんな話を俺達に話した。


「白狼の姫は本当に初代の白狼にそっくりじゃな。性格に狼での戦い方まで何から何までそっくりじゃ。初代はオスで完全な魔獣じゃったが、誇り高くていつも蔵の大英雄に懐いておった。」


「え?白狼って獣人ですよね?」


「そうじゃよ。初代白狼と初代蔵の大英雄の子孫が今の白狼家じゃの。」


へぇそうなんだ。エナ達も知らなかったって顔してるし、知らない人が多いんじゃないだろうか。まぁでも今は今だしあんまり関係ないかな?


「貴重な話をありがとうございます。」


「なんてことないただの老いぼれの昔話じゃ、そろそろワシは行くとするわい。」


そう言っておじいさんは席を立って部屋から出て行くが言い忘れたことがあったのか立ち止まった。


「そうじゃコージ君。白い獣に気を付けるんじゃぞ?」


「?。分かりました。」


「ではな。また会おう。」


おじいさんは手を振り部屋から完全に出て行った。


「エナに気を付けろだって。」


「私はケダモノじゃないわよ?」


「でも狼なんだろ?」


「そうよ。誇り高い白狼なの。」


「ケダモノじゃないか。」


「ケダモノじゃない!」


そう言ってエナは俺に向かって蹴りを放つが俺はそれを避ける。それに腹を立てたエナがまた俺に蹴りを繰り出す。そんなやり取りがまた出来る様になって本当に良かったと今更ながら俺は感じていた。


遅くなってしまいましたが3回目の投稿です。


次の話はレタちゃんメインで書こうかなとか思っています。

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