26.お嫁さん。
七宝を取り返す旅に出る前にもちろんやることがある。そうである王都の人々に俺が王様になった報告である。
「そういえばエナって俺のお嫁さんって認識で合ってる?」
「合ってない。」
「…合っていますよ?姉さんも喜んでますし。」
本当だ。頭の上の耳が動いてる。
「かわいい奴め。口では嫌々言ってても身体は正直みたいだなぁ?」
「わ、私はご主人様の物になんかならないんだから!」
「どうだかなぁ?本当は俺のことが好きでたまらない癖に。本当は嬉しいんだろ?正直になれよ。」
「お兄ちゃん極悪な悪役みたい。」
ん?そんなつもりは無かったんだが。
「で、でもそんなお兄ちゃん凄くカッコいい。んっっ、ちょっと興奮しちゃう。」
この子はもう手遅れなのかも知れない。こんな姿天国の親御さんが見たらどう思うか…。
「話を戻しますが、姉さんは別にコージさんの妃になる必要はないです。コージさんが蔵の大英雄なので別にそのまま王様になって頂いて問題ないかと。なので姉さんの気分次第ですかね。」
「……考えとく。」
そう言い放ちエナは部屋を出て行った。
「なるべく早くして下さいね?コージさんの戴冠式のときに一緒に私達が側仕えとして王都に戻ったことも報告するので。」
エナの返事待ちということでその場はお開きとなった。良い返事がもらえたら俺も妻帯者だ!やったぜ。
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私はコージ達のいる部屋を後にして中庭で一人考えごとをしていた。
(お父様、お母様ようやくここに戻ってきました。)
しかし自分達だけじゃ王都に戻って来られなかったのも事実で、自分達でない大きな要因となったコージの存在は間違いなく必要だった。
(コージのお嫁さんか…。答えはとっくに出てるんだけどなんでか悔しい。でも大英雄でこの国の王様だからしょうがないよね?)
そう結論付けて私は部屋に戻ろうとする。
(私のこと馬鹿するし、煽るし、犬って言うし、私の妹にすぐに誘惑されて妹の方が良いって言うし、あれ?コージって最低じゃない?)
そう思いつつも歩みを止めない私はなんだかんだいってコージのことを好きなんだろう。
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「結論は出ました?姉さん。」
「……良いよ。しょうがないからなってあげる。」
「そうですか。それは良かったです。また短気を起こして色々かき回すかと思いました。」
「ねぇ、私ってティア達から嫌われてる?気に入らないことがあったら言って欲しいんだけど。」
「私もレタも姉さんのこと好きですよ?」
うんうん美しき姉妹愛、良きかな良きかな。
「では戴冠式のときに姉さんから報告して下さいね?」
「え?私が自分で言うの?凄く恥ずかしいんですけど。」
「ならレタが代わりに言ってあげる。」
「ホント!?ありがとう。」
「……任せて?」
そして俺達は正装に着替え、この王都で一番大きな広場で執り行なわれる俺の戴冠式へと出席する。広場には溢れんばかりの人で埋め尽くされていた。
「すげー。人がいっぱいだ。」
「コージさんは教養がないのがバレるので喋らないで下さいね?」
「あれ?俺凄くバカにされてる?」
その言葉を無視してティアは拡声器を使って話始める。
「王都の皆様。この方は蔵の大英雄であり、これからのこの国を背負って立つ王にらなられる方です。そして私達ヴァルディ家は次代の王の側近としてこの方にお仕えしていきます。」
その話を聞いて広場に集まった人達からは、そんな急には受け入れられないといった声が多く上がった。
「皆様の言うこともごもっともです。なので王には蔵の大英雄として旅に出て活躍して頂き皆様に認められる王となってからこの国に帰って来て頂こうと思っております。なのでどうか皆様も快く王を見送って頂けますか?」
広場に集まった人達は、やり遂げたら王としても申し分ないと快く頑張ってと声援を上げる。
なる程な。その説明なら俺がいなくても別に違和感はない説明の仕方だ。やっぱりティアは凄いな。
「ありがとうございます。王の不在の間は私がこの国を取り仕切るのでよろしくお願い致します。」
ティアの拡声器を奪ってレタが話始める。
「レタからも報告がある。この度ヴァルディ家の長女エリアーナが蔵の大英雄のお妃になることを報告する。どうか皆もお祝いして欲しい。」
広場に集まった人達からの反応は、蔵の大英雄ならエリアーナ様と結ばれて当然みたいな反応だった。そんなもんなんだ?
「そしてレタは蔵の大英雄の愛人になります。」
ちょ!何言ってんの!?
「お兄ちゃんとは一緒に寝たような仲なので皆にも理解して欲しいです。」
広場の人々は、蔵の大英雄は不潔だとかロリコンだとかそこかしこから冷たい視線を感じる。まぁそうなるよね。
「ちょっとレタ何言ってるんだ!訂正してくれ!」
俺がそう言ってレタから拡声器を取り返そうとする。
「…お兄ちゃんここでするの?皆が見てるよ?レタは見せつけるのは大歓迎だけど…。」
天国の親御さんこの子はもうダメです。手遅れでした。
「レタ?いい子だから変な事言わないでね?」
ティアもさすがにまずいと思ったのかレタを引きずって消えて行った。
「お兄ちゃん!レタは今晩でも構わないk…、」
ようやく台風が去ったようだが、広場の人々からの俺を見る視線は既にロリコンの王様よ!ケダモノ!と言わんばかりの視線だった。違うんです。彼女が勝手にやったことなんです。
俺はロリ王のレッテルを貼られた蔵の大英雄としてこの国に知れ渡った。解せぬ。
やったね浩二君。家族が増えるよ?
次の話かその次くらいで旅に出てもらおうと思ってます。その際に一人仲間増やそうかなと思ってます。(未定。)




