24.俺が大英雄だ!(ドヤっ!)
俺がエナを追いかけた道を辿ること一日と半日、またレタが俺に催眠を掛けて俺がエナに渾身の蹴りを浴びせられるという事態があったが、何事もなくヴァルディ領に到着した。
「ようこそレタ達の育った国へ。ここからがヴァルディ領だよお兄ちゃん。」
「以外と王都じゃない街も大きいんだな。」
「そうだね。でも王都はもっと大きいよ?」
「ふーん。で、この街は寄っていくの?」
「そのまま王都に直行しますよ。コージさんのことを王都の人に伝えなければなりませんし。」
多分ティアのことだからもう頭の中にスケジュールが出来上がってるのだろう。なんか雰囲気が秘書っぽいもんなぁ。
比較的大きな街の中を通り過ぎて、俺達は王都に到着した。レタの言っていた通り大きなところだったが、人の喧騒が至るところで起きていて騒がしい印象だった。
「どうしたんだろ?何かあったのかな?」
「…何かあったも何も、姉さんがコンタニンを食べちゃったらしいじゃないですか。統治者が追い出した白狼に食べられたって聞いたら当然の反応だと思いますが?」
「食べてないもん。私はグルメだから三ツ星のレストラン以外で食事しないもん!」
(嘘だな。今まで散々俺の飯食ってきただろ。なんなら開拓地の警備中にそこら辺のキノコ食べてたし。)
「三ツ星しか食べないなら俺の飯食べるなよ?」
「私のご主人様なんだから、私のご飯を用意するのは当たり前でしょ?しょうがなく我慢して食べてあげるから今後も用意して。」
「……我慢するくらいならもう出さない。もう絶対エナの分作らないからな。」
「ご主人様の作る料理は凄く美味しいと思って食べてます。実は私、美味しい料理を作れる男の人に私弱いんですよ?」
「そ、そこまで言うならしょうがないなぁ。全く最初からそう言ってくれればいいのに。」
なんだよやっぱりエナはかわいいなぁ。それならご主人様頑張っちゃう!
「おねぇちゃん成長したね。お兄ちゃんは相変わらずチョロいけど。」
そんな会話をしていると、王都の住人の1人がこちらに気づいたようで荒々しく声を上げた。
「おい!どうして王都に白狼が居る!まさか復讐のために、コンタニン様だけじゃなく王都に住む人を食べに来たのか!」
「落ち着いて下さい。私達は蔵の大英雄様にお仕えするために王都に戻ったのです。」
「何を言ってやがる!その蔵の大英雄を食ったのはお前達だろ。」
周りの人々もどんどんこっちに集まって来て、一色触発の雰囲気だ。
「蔵の大英雄ならここに居ますよ?そしてこの人が次代の王様です。」
「はぁ?訳わからんこと言ってんじゃねぇ!そいつがコンタニン様な訳ないだろ!」
その声に呼応する様に周りの人垣から俺達に石が複数投げられる。おっ!これはチャンスなのでは?
「ごほん。いいか!よく見たまえ!これが俺が蔵の大英雄っていう証拠だ!」
(石から俺達を守れ!)
事前に懐から取り出していた宝物庫にそう命じる。するとエナに真っ二つにされた盾と同じ盾が俺達の四方に出現し石を完全防ぐ。
盾に石が当たった高く響いた音が周りの喧騒をかき消した。
「ほ、本物だ。本物の蔵の大英雄だ!」
人垣の中の1人がそう発すると周りの人垣が一斉に地面に平伏した。
「も、申し訳ありません大英雄様!大英雄様とはつゆ知らず平にご容赦を!」
い、いやそこまでしなくても…、特に何もする気もないし。あれ?でもなんだろう?承認欲求とか無いつもりだったけど凄く気持ちがいい。
「頭をお上げなさい、蔵の大英雄は全てを許します。貴方達のこれからの頑張りを私は期待していますよ?」
ノリに乗って来たぜ!いいじゃん王様で大英雄様!最高〜!
「ご主人様キモい。」
「コージさんはお飾りで良いんですよ?」
「お兄ちゃん凄くバカっぽいよ?」
ティアはともかく二人は俺のこと嫌いになったの?ご主人様悲しい。
「ヴァルディ家の方も申し訳ありませんでした。反乱はコンタニンに唆されたことで……、」
凄い手のひら返しだ。どんなエンジン積んでます?V8くらい?
「分かっていますよ。王都の住人の方に罪を問うことはありませんので心配しないでください。その代わり次の王様をしっかりと指示して下さいね?」
人を使うことには長けてるなティアは、こうゆうところとか凄く頼りになる。
「はい!ヴァルディ様の期待に応えるように努めます!」
ティアはその言葉を聞いてその人に優しく微笑んだ。
本物のニコポだ!これがレタの姉の実力かぁ、ティアにこんな話をされた後にあんな顔されたら絶対すぐに陥落するよなぁ。
俺達は人垣を開けて貰い王城へと向かった。なんとか次の王として認めてもらえたら良いなぁ。
次の話は若干説明が多くなると思います。
まぁ自分の文章なんで、そんなに多くはならないと思いますが。




