拝啓 人間どもへ、 これが魔法の使い方だ
その日、世界の中で最悪な存在が目を覚ました。
地球の最も深いマントルの近く。小さな四角形の中に封印されていたそれは、赤と白のオッドアイの瞳を開ける。
ここはどこだ?
暗闇でよく見えない。そして、数千年息を吸っていなかったから、脳の動きが鈍い。
ゆっくりと濃度の低い酸素を吸い、脳を活性化させる。
吐き抱いた二酸化炭素には、裏切り者への私怨が込められている。
叫び声が大地を揺らす。
全身の力に力を入れ、『飛べ』と自らの身体に命令すると、体が宙に浮き始め、若干の試行の後、箱の天井を吹き飛ばして、地上に顔を出す。
太陽の光が山の陰に隠れ、暗闇の中。発展した現代を見て、両目を大きく見開く。
生き物の命を奪った炎を活用し、楽しそうに生活する人間たちの姿があった。
野菜を炒めるための火の魔法、洗濯物を洗うための水の魔法、体を冷やすための氷の魔法など。
かつて人の命を奪っていた魔法が、魔法によって発展した今を見て、両手えお腹を押さえ『ハハハッ』と、声に出して笑う。
『ばかばかしい。こんな魔法の使い方を』
笑い泣きの涙をふき取り、オッドアイを開く。
両手を人間社会に向け、小さな声で話す。
『私が許すわけないだろ。 人間ども』
口元から漏れた吐息が、徐々に黒色に染まり、足元に漆黒の魔法陣を形成する。
『人を超絶した存在を見つけ、ルーラーである私のもとに連れてこい』
魔法陣から飛び出した7つの鎖は自我を持ち、東西南北に存在する目標物の方へ、木や建物などを突き破り、最速最短の道を通って移動する。
1本の鎖は、冒険者たちの始まりの町とされている中央都で生活する1人の人間?の心臓に突き刺さる。
刺さったのもつかの間、人間?の脳内へ鎖から一方的に話しかける。
『あれほど、人間を嫌っていたお前が、人間に交じって生活するとは、驚きだよ。水龍神、アクアよ』
『私は再びこの世界に目覚めた。この鎖はお前たち龍神の心臓に突き刺さるように指示している。刺さったお前たちに、この鎖を通じて命ずる』
今すぐ、その街を滅ぼせ。
同時刻、1人を除いて、人間の姿に化けていた龍神達は、元の姿へと戻り、町や村中を火の海へと変えた。
『これが魔法の使い方だ、人間ども』と、語る存在。
その名は、七龍ナナ。
魔法を極めた龍神達よりも上位の存在。
7文明のすべての魔法ともう1つの文明を極めたやつを倒せる存在はもうこの世に存在しない。気まぐれで負けず嫌いなプライド(性格)が、この世界に再びよみがえらせてしまった。
叫び声をあげる人間たちの姿に、笑みを隠せなかった。
最後まで読んでいただきありがとうございまいた。
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